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社長のいつもの一日

ある昼下がり、100階以上もあるビルのオフィスの最上階にこの世で1番美しい人間が座っていた。
その男は1杯数万程度の紅茶を嗜み、高値で取り引きしたクッキーと共に優雅なティータイムを過ごしていた。
その男の名は何を隠そう、芸術品、天才、成金、金ピカ野郎と謳われたGeorge・Vodka....
「そう、この私の事だヨ!」
彼である。
今日はそんな彼の一日について説明しようと思う
「ドキュンメンタリーか?アポはちゃんと取って欲しいんだけど?」
ナレーターに話しかけないでください。

社長のいつもの一日

GeneralContractCompany、全世界に数百の支社を置き、考えうるほぼ全ての仕事を担う会社、数百万人以上に及ぶ会社のトップに立つ社長、それがGeorge・Vodka(70代)である。
「年齢の表示は要らないヨ」
彼の一日のスケジュールは

06:00 起床
Vodka氏は自宅や別荘ではなく、会社近くの社宅に住んでいる。本社勤務の社員や幹部はその多忙さに配慮し、無料の食事サービスや社宅などの衣食住を提供される。
社長も例外ではない。

06:30 朝食
Vodka氏は起床後30分程度のストレッチをする、本人曰く健康を意識しての事だが、サイボーグである彼には全く意味が無い
「意味が無いわけないヨ!!」
そして朝食は社長仕様のイギリス風の朝食が提供される。
数百万以上の値段のするスーツに身を着込んで、数千万の義手を調整し、ポケットにお守りの銀のロケットペンダントを入れ、杖を片手に出勤する

7:30 出勤
出勤後、本社員や幹部の人間全員に挨拶をし、日常話を持ちかけたりする、一部は忙しかったり単に話したくなかったりして相手にされない
「悲しいネ...お喋りは最大のメンタルケアだって言うのにネ」

9:00 仕事
挨拶が終わったあと最高階へ上り、Vodka氏は仕事を始める。
仕事内容は、各部門の売上のチェックや、兼任している金融部門の管理など、社長としての仕事はあまりなく、商談なども所属する幹部が受けるため、社長が出るのは大企業や大手組織、国相手の商談である。そのため、主に金融部門の銀行や保険の管理をしている。
1番大変なのは社長秘書である。
「始末書とか諸々の雑用は任せてあるヨ!」

13:00 昼食
G.C.C.本社では1F~5F階までが一般人も出入りできるショッピングモールになっており、多数のフードコートを揃えている。社内には30F,70F,100Fに食堂を備えており
30Fはリーズナブルな価格の手頃なご飯
70Fはちょっと贅沢な職人飯
100Fは厳選された食材やシェフによる3ツ星レストラン
になっており、G.C.C.ならではのニーズにあった食堂になっている。
100Fは一般開放されており、商談等にも使用される

14:00 ティータイム
イギリス人であるVodka氏には外せない時間がある、それは『午後のティータイム』である。
この時間は商談や幹部会、どんな事情であれ優先される。自身のメンタルケアの一環でもあり、イギリス人としての誇りを忘れないためでもある。たまに暇な幹部や友人を呼んで一緒に嗜んだりする。
「紅茶を飲む時が一番心が豊かになるヨ、ゆっくり出来る時間は誰だって必要だよネ」

15:30 仕事
社長や幹部には、それぞれ補佐がついており、管理AIが補佐として提供される。
渡辺、社長秘書等の補佐の他にプラスで提供されるものだ。
主に幹部や秘書の仕事の負担を減らすため、単調な物等の機械が処理可能な事は代わりに処理してくれる便利AIである。
その故、暇な時間ができる事もあるため、社内食堂のカフェや図書館、アミューズメントなどで暇を潰す者もいる。
「図書館はおすすめだヨ。僕の著作した自伝や僕のインタビュー本とか...」
宣伝はやめてください。

19:00 退勤
退勤後は近くにある社宅に帰宅する。
帰宅途中は厳重に守られ、防弾のリムジンによる送迎、常に機械兵による護衛等に守られている。
寄り道をする際は監視下の元で移動する。
「暑苦しくて嫌になっちゃうネ、まぁ、皆のおかげで僕は守られてるんだけどニコ」
19:30フリータイム
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22:30 フリータイム
帰宅後のVodka氏は自宅に飾ってある金の彫像を磨き、趣味時間を過ごしたり、等
「ここは秘密だヨ!プライベートヨ!プライベート!」
23:00 就寝
Vodka氏は就寝前にいつものストレッチをし、ポケットに入れていた銀のロケットを飾り、それに祈りを捧げたあと就寝する。

以上がGeorge・Vodkaのいつもの一日だ。
「ヤダァ私のプライベートな一面を見られちゃったワ!」
さっきからナレーターに話しかけるのをやめてもらってもよろしいでしょうか?
「いいじゃないカ、僕が第3の壁を超えて話しかけたってサ」
「あ!でも今度からはちゃんとアポを取ってネ!」
「ウンタラカンタラ....」
私は彼の話を全く耳に入れずにこの小説を終えようと思う。
「まだ終わってねぇヨ!!」

社長のいつもの一日 END


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