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本日。5

 声の一部が切り取られてから早1日。扁桃体が、俄かに悲鳴を上げている。

"断空"

正に。誰が言ったか、今この状況に最適な言葉だ。

 こういう咄嗟に気の利いたこと言う能力が今の僕※には欠けている気がする。なんだか日毎に口下手が進行しているし、唯一できることといえばでかい声で「すみません!」「ありがとうございます!」と叫んで媚び諂うことだけである。
※「やつがれ」と読む

 しかし、ポカやらかして追い詰められた時の謝罪や決意表明だけはやたら丁寧で、急場をなんとか凌ぐ手遅れの才能だけはこの20年を通し、なかなかどうして醸成されてきた。 

 舌先三寸口八丁、心にもないおべっかを使い堂々巡ること三千世界。真ッ当な力は伸び悩み、自らを神童だと信じてやまなかった、あの瑞々しい自信過剰はどこへやら。


???「ちょっと」


そ、その声は……!?


後輩「私です。」


こ、後輩だァ〜〜〜〜〜ッ!!!


後輩「咄嗟の謝辞も覚束ないコミュニケーション不全男が、なんともまぁ大きな口を叩いたもんですね。むしろ、愛想の一つも使えなくて上司の機嫌を損ねる側でしょう、貴方は。もうちょっと軽口の才能があれば、こんな時までTwitterにかじりついて資産家に悪態をつくこともなかったでしょうに。」


待って、違うんだって。俺は、自らサービスを提供しておきながらいざとなると「お前らのためだ」とか言って取りやめようとする舐めたパターナリズムが嫌いなだけなんだって。どうか信じてほしい。


後輩「前半の『コミュニケーション不全男』は認めたと言うことでいいですか?」


ヒエ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜💦(核心を突かれ仰向けになる)

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