ひとりぼっちのカサンドラ症候群
カサンドラ症候群という言葉を聞いたことはありますか?
最近はネットを検索すれば直ぐに見つかるようになりました。自叙伝として書籍も多く出版されています。
そんな意外と多くの人が陥っている状態に、望まずも私も陥ってしまったという話を書こうと思います。
カサンドラ症候群とは
夫など家族はもちろん、周囲にもつらさを理解されない中でしだいに心身共に消耗し、抑うつ、自尊心の低下、無気力など、心身のさまざまな不調をきたすようになる状態を「カサンドラ症候群」(カサンドラ愛情剝脱症候群)といいます。医学用語ではありません。
マンガでわかるアスペルガー症候群&カサンドラ愛情剥脱症候群
著者 西城 サラヨ
発行者 星和書店 (初版2014年 8月18日)
LITALIKO仕事ナビより参照
https://snabi.jp/article/86
わが家の夫は今どんな人か?
わが家の場合、知的障害のない自閉スペクトラム症である夫はパートナーではなくなり支援される側になりました。
目標は仕事を継続すること=収入を得ることです。
それ以外は基本的に自由です。
用事がなければ話もしない、ご飯の時間になれば食卓にやって来て食べ終われば自分の巣(ベッド)に戻っていく、そんな生活を送っています。
頼まない、当てにしない、期待しない。要するに私とわが子だけの生活を送ることと何ら変わりはありません。シングルマザーと似ています。
しかし私はシングルマザーではありません。
家族の一員として存在している『父』『夫』『世帯主』という名のポジションは存在しています。
ご飯も食べるし洗濯物も増える。お腹がすいても食事が出てくるまで文句一つ言わずにひたすら待っている。私が体調不良でも高熱を出していても気にせずに自分の世界に没頭している、それが夫という名の同居者です。
気持ちを他人に話すことはやめました
こんな生活を送っているとどうしても卑屈になり、苛立ち、不満が爆発しそうになります。
そんな時は誰かに話してこのつらい気持ちを共有したくなるものです。
実際他人に話すとどういうことが起こるでしょうか。
大抵は「うちの旦那もそうなのよ。ほんとに困るよね。」または「うちなんかもっと酷いの。………」と、自分の話にすり替えられてしまい、相手の話をひたすら聞かされる羽目になりかねません。
男性には少なからず同じような行動傾向がありがちです。周りの女性も同じような体験をしているので直ぐに自分の体験談と重なるのでしょう。しかし、その「同じようなこと」の度合いがどれだけ違うか、彼女たちは知りません。
その違いをあまりにわかってもらえないと、結局は自分自身の気持ちを抑制することが続き、『誰にもわかってもらえない』や『どうせ話しても無駄』という気持ちが増幅してきます。
自己抑制、欲求不満、自己肯定感の低下は精神面の健康まで蝕んでいきます。
著者 ルディ・シモン
翻訳者 牧野 恵
発行所 株式会社 スペクトラム出版社
発行 2010年11月22日第1刷発行
というわけで、自分を守るためにも他人にわかってもらえない話をすることをやめました。
私を守るのは私
さすがにこんな生活を平気で続けてはいられません。
自分の仕事もあります。わが子との生活、療育も並行して行わなければなりません。最初は気を張っていてもそのうち抑うつ傾向になっていきます。
これは、私自身の自己防衛システムが正常に作動してくれている証拠です。
『助けをもとめよ』、という合図です。
感情の共感者を失った私は『自分の味方になってくれる人』を探しました。そして精神科を受診して定期的にカウンセリングを受けるようにしました。また、抑うつ的な気持ちに対しては医師から向精神薬を処方していただき、頑固な不眠症には睡眠薬を処方していただきました。
まずは自分が元気でいなければ自分が可哀そうです。
変えられないものをいつまでも嘆いていてもつらいだけです。
話の合わない人とは一定の距離を保ち、自分とは合わない話題には心の耳栓をして自分自身を守る努力をしています。
もし似たような状況の方がいましたら、自分自身をいたわりましょう。
一番最初に守ってくれるのは自分自身です。
ここまで読んでくださりありがとうございます。