ビタミンDが話題になると冬が来たのだ

10月に入るあたりから、気温が急に下がって肌寒くなるベルリン。早いとこのあたりから暖房をこの秋初めて入れた、みたいなことを耳にしだす。

気温が下がってくると、急に日照時間も短くなってきて、朝は明るくなるのが本当に急に遅くなり、夕方も5時くらいには暗くなってしまう。そのうち、サマータイムが終わって、1日が1時間だけ、今までより早く進んでしまう。

日照時間が短くなると、話題になるのが「ビタミンD」の話。ビタミンDとはカルシウムを形成する際に必要になったり、ビタミンDが減ってしまうと心の病気になってしまったり、高血圧、糖尿病など体にいろいろな支障や病気をもたらす。このビタミンDに関しては、ヨーロッパ以外の国から来てベルリンに暮らしている人々には、ものすごく感心がある話みたいで、1日1回は聞いたりする。

このビタミンD、なんで日照時間が短くなると話題になるのかというと、ご存知の通り、日光に当たることで体内で生成できる数少ないビタミン。食べ物から摂取することも可能で、青魚、キクラゲなどから得られる。

「あー、太陽が出ないし、ビタミンDが少なくなるから気が沈む」

とものすごくパワフルな人の口からそんな言葉を聞いたので「いや、ならばちょうどいいくらいなのではないか?」と思うのだけれど、言ってることはわからなくもない。

冬のベルリンは全然太陽が出ない。雪が降ったり、毎日空も街も灰色で周りの人もものすごく機嫌が悪い。機嫌が悪いことを明から様に出してきて、こっちも気分が悪い。たまに喧嘩を売られることもあり、それがビオ(有機農法)の店から出てきたお客で、明らかにベジタリアン、ヴィーガンだったりする(地球や動物にというより、人にも優しくして?と思う)。

東京にいたら冬に太陽が出たから、夏は太陽の光が感じられるから、という理由で外に出たりは絶対しないのに、今年の夏、ベルリンは全然夏らしくなかったので「なぜ、暑くならないの?」「なぜ夏をすっ飛ばしてまた冬が来たの?」という気持ちになった。少しベルリナーの気持ちが理解できた。そして、少しでも太陽が出ていると「お、ちょっとスーパーまで今買い物に行こうか」などいう気持ちになる。これって、体が自然とビタミンDを欲しているっていうことかな。

…ということで周りもビタミンDについて語り出したので、私はミッテにあるアジアショップにキクラゲを買いにいく…


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