ため息438:赤字プロジェクト発生責任者の選択肢
情報システム開発を本業としているソフト会社でのことです。
この会社の経営幹部は、赤字プロジェクトを発生させたプロジェクトマネージャーに復権のチャンスを与えません。(子飼いの部下には危ないプロジェクトを担当させないとも言い換えることができますが)敗者復活戦はありません。赤字を出したら即「冷や飯」です。誤審の場合でも、大相撲行の行司差し違えといった当事者救済の仕組みはありません。
1)評価
赤字プロジェクト(受注した仕事の結果が赤字になること)の責任者は、いつも同じ手法で赤字を出しているとみなします。上司が挽回のチャンスを与えても、開発方法論がずれているので、何回やっても良い結果は出せないと経営幹部は考えています。したがって、こういう人を温存すると赤字を繰り返すリスクが高いので、経営サイドとしては、もう一度チャンスを与えることなく主要なポストから外します。
2)選択肢
では、不適格の評価を受けた技術者に次はないのでしょうか。
この会社にいる限り、経営陣が入れ替わらない限り、直属の上司が代わる程度では、一度失敗した技術者には明日はありません。慢性的にそこそこの技術者が不足しているので、一度赤字を出したとしてもそこそこの技術をもった中堅社員は、そこそこの待遇で身分が保全されます。
赤字を出したのには理由があり、実務者レベルでは解決できない問題があったかもしれません。誤った経営判断による巻き添え、または、やむをえない事情や不可抗力などで不適格の評価を受けた技術者にとっては、転職か起業の選択肢がまだ残っています。
自己の開発方法論とか工程管理能力に瑕疵はないと考えている人は、職場を変えることによって気持ちよく仕事ができる環境を再び手に入れることができる可能性があります。
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたサポートはこれからやってくる未知のウイルス感染対策、首都直下型大地震の有事対策費用に充当します。