金言232:超回復
「むかしむかし、あるところに」で始まるおとぎ話は、時代と場所を特定しないことにより、いつの時代、またどこでも受け入れられる普遍性を狙ったものだと、落語「桃太郎」の一節にありました。実際に、時代や場所を特定しても、読み聞かせの対象である幼児には理解できないからだという説もあります。
ものごと、本当は有益な価値があるのに、不注意でそれを見落とし、定型的な日常を繰り返していると勘違いしているかもしれません。あるバラエティ番組のなかで、お笑いタレントが「超回復」を口にし、その意味がテロップに流れました。半信半疑でウェブサイトで検索してみたら、自分なりの温故知新で、少し得しました。
超回復とは、
筋力トレーニング後に24~48時間くらいの休息をとることによって起こる現象で、休息の間に筋肉の総量がトレーニング前よりも増加することをいいます。筋力トレーニングをすることにより筋肉は破壊され、1~2日の休みをとると、徐々に筋肉が修復され、超回復が起きてトレーニング前より筋肉が増量されるというメカニズムがあるとのことです。
関連その1:昔話
横浜の高台にあるキャンパスで、高校生(ハイワイのグループ)が、尊敬されねばならない立場にある年配者に自己批判を迫っていました。そのとき、この少年たちのリーダー(元KP、大衆運動主義的偏向を非難される)は、「疲れたら休めばいい」と紛糾する状況の沈静化を意図した発言をしました。蓄積中の知力と判断力をほとんど使いきって行動していた少年たちは、休むことを日和見・逃避と理解しました。
あの時、筋力トレーニングで超回復の起こるメカニズムを参考にして、少年たちが休息をとらないと能力は高められないことを学習することができたら、社会にでてからの人生観や暮らし方は変わっていたかもしれません。
関連その2:ドラゴンボール
漫画の主人公、サイア人は、圧倒的に強い相手と戦っていつも瀕死の重傷を負います。そして生き返ると、さらにパワーアップして一度は負けた相手との敗者復活戦に楽勝します。この繰り返しで、サイア人はスーパーサイア人に変身します。この話は、筋肉に破壊の負荷を与えると、その後の休息で筋肉が回復し増量するという超回復のメカニズムに似ています。
関連その3:創造的破壊
人気のあった何代か前の内閣総理大臣の主張のひとつです。郵政民営化で既存組織に壊れるストレスを与え、その後の再生強化を狙った仕掛けです。古いものは壊さなければ、新しいものは生まれないといいます。国会閉会中は、超回復のための休息のときです。
残念ながら、現内閣は国会閉会中も壊れ続けています。
関連その4:株式チャート
右肩上がりの銘柄にも、抵抗ラインがあり、このライン(株価)でいったん下がります。この下げから一転上昇を始めるとその上昇率は前より高いという定説です。
ピークに達すると株価が下がり(利益確定売りのため)調整が終わるとより強い上昇が始まるという美しいチャートになります。この一時的に下がった時に買い、再び上がった時に売るという手口を押し目買いといいます。
見方によっては、これも超回復のメカニズムがあてはまります。
結局、世の中で起こっていることは、すべて、とうの昔から人体では日常起きているプルーブンテクノロジーにすぎないということでしょうか。もう少し早く知りたかったことのひとつです。