東京都写真美術館へ
GW中に一人の時間が取れたので、久しぶりに東京都写真美術館へ行ってきました。リニューアル後は初めてだったかと思います。
いつものように3展示のセット券を購入。
TOPコレクション 時間旅行
時間旅行をテーマしたコレクション展。写真だけではなく、当時のグラフ記事や雑誌記事、ポスター等も同時に展示されており、100年前からの世相の変化を見ることが出来ました。
写真美術館のある恵比寿ガーデンプレイスの以前の姿、ビール工場時代も一つのコーナーとして割り当てられていて、かつての風景とそれらが壊れされて行く姿を見ることが出来ます。
いまではグラフ誌は役目を終えてしまいましたが、ずらりと並んだ表紙を見ていると、著名人の肖像であったり、様々な出来事が紹介されていて、新聞に並ぶメディアであってことがわかります。
展示されていた町並みの写真を見ていると、報道写真とは別に都市の移り変わりは写真家だけでなく、現代ではそれぞれが持つスマホなりカメラなりで記録されていくのではと思わされました。
個人的に最も興味深かったのは、『フォトタイムス』昭和11年3月号の記事でしょうか。ライカの話になると途端に詩的な表現となってしまうのは、90年前も今日も同じなようで…
という点は同意ですね。
没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる
没後50年の回顧展。スナップショット、ライカ使いの名手として知られていますね。その仕事の変遷を見ることが出来ました。
沖縄や日本、ヨーロッパ、中国で撮影された写真が並んでいましたが、市井の人々を移した作品が大半でした。単なる風景ではなく、そのとき、その場所に生きる人々を写しとめていたのではないかなと、感じました。このあたり、『時間旅行』展とも共通するような感じがします。その時代の風景を写す、という意味で。
以前観た際の『木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン』展(14年前!)では二人がお互いを撮影した作品が展示されていましたが、今回はブレッソンを写した作品のみ。近くで観ていた方が「こんな顔していたんだ…」とつぶやいていたのが印象に残っています。
展覧会HPには
と記載されていました。パリを写した作品は当時開発中だったカラーフィルムでASA 10(ISO 10)だったそうで、日中がメインだったとはいえ、技量と機材への理解が有っての作品だったのではと思います。