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受け身から自発へ~教育訓練制度の新しいカタチ

日本キャスタブル工業株式会社の石野です。
今回は3年前から導入した「教育訓練制度」についてご紹介します。

🔶導入の経緯

 
以前より、業務に必要な資格取得や社外研修などについての“教育訓練規定”がありました。
教育研修に係る費用は全て会社が支援するかたちを取っています。
(“自己啓発支援”においては金額の上限や一部条件があります)

慣例で、上司から社員に対して

「今年はこれを受けてくれ」や「こういった研修があるけど、受けた方が良いんじゃない?」など、

半ば強制的かつ指示するかたちのものが多く、いわゆる受け身のかたちを押し付けていました。

かつての私は、研修に行く暇があれば、社内で仕事をしていた方が有意義だというマインドを持っておりました。自分や社員に対しても、研修へ参加させることに消極的だったと感じています。
その頃は、日々の業務量が膨大で、常に時間との戦いを強いられていたため、社内にいることが最優先事項だと考えていました。
しかし、仕事のスキル不足や、他の人に任せるべき仕事も抱え込んでいた状況で、自身の仕事に対する向き合い方にも問題があったとように感じています。

変化点としては、ある社員が

「”エコアクション21認証取得研修会”に参加したいのですが良いですか?」

と言ってきたことです。
その場では特別な思いはありませんでしたが参加してもらいました。

研修会に行ってもらったことも忘れたころに、
研修会で学んだ内容をすぐに社内へ展開し、実際に認証まで漕ぎ着けました。
その姿を目にしたとき、

学びを会社へフィードバックし、企業価値を向上させるといった可能性を目の当たりにしました。

それまでは研修も”行っておしまい”というケースが多く、自分も消極的マインドでしたが、

自分の中で何かが変わったように感じました。


                                  2024年10月1日現在

社員から”新しく学んだことを取り入れる”ことの実践を見せつけられ、思考に変化が起きました。

ちょうどその頃はコロナ禍でもあり、世界的にロックダウンが発生し、不安定な経済に突入したことで、事業への影響を多大に受け、先行き不透明感がのしかかりました。

不確実性の高い時代のなかで、我々中小企業はどうやって活路を見出せばよいのか?自問自答したときでもありました。

経営に身を置く立場として、不安から来る様々な思いを巡らせながら、ああでもない、こうでもないと考え、悶々と過ごした日々。

会社が未来に渡り永続的に事業運営できるためには、やはり“人“の部分が何より大切だと次第に感じるようになり、

給与・賞与などはコストではなく投資

なのだというマインドセットに切り替えていきました。

そこで、「人への投資」に着目し、会社としてできることを模索したところ、「教育訓練制度の拡充」に至った次第です。

🔶制度の紹介


従来の制度に加えて、学ぶことができる内容の範囲を拡げていきました。
業務に関わるもの以外のことでもOKとし、例えば料理に興味があれば料理教室に通ったり、歴史を学びたければ関連の書籍を購入したり、自己啓発目的であれば映画や美術館鑑賞など、

”学びたい”という意志があれば何でもアリです。

最近ではリスキリングの重要性が高まり、オンライン学習サービス(SchooやUdemyなど)が支援ツールとして充実してきています。
もちろん、そういったサービスを活用するのもOKです。

大人になってから学ぶことは、子供の時よりもハードルは高いと感じています。
まずは学びへの敷居を下げることで最初の1歩を踏み出しやすくすることが狙いです。
自発的に参加したものに対しては、新たな知識・気づきの吸収力が高く、社内でも話題になりやすくなります。

この制度を取り入れてから、今まで外部研修に消極的であった社員も、自分が興味のあるものを探して受講したり、書籍やオンライン学習などを通じて学ぶ機会の選択肢が拡がることで受講件数増加となりました。

教育訓練に関する予算は、前期の営業利益をベースに設定しています。
年間予算を各部門に振り分け、部門長が部員とコミュニケーションを取りながらキャリアアップ個人目標に添って該当予算の編成を行います。

1年目は予算を使い切ることができず、個人的にはもどかしさもありましたが、2年目以降は部門長はじめ社員の意識が徐々に高まり、予算をオーバーした状態で締めくくることができました。
通常、費用予算は予算内に収まることが「良い」とされますが、これに関してはオーバーして嬉しく思いました。

🔶今後の展開について


関連業務のほかに、業務外における知識や経験が積み重ねられ、より個人としての魅力を高めてもらい、ある意味で成長に繋がる部分を応援できるようになれば良いと考えています。
その成長を実感してもらえるようなフィードバック体制や、学び推進への持続的な会社の仕組みづくりが今後の課題です。

「人への投資」は未来に向けた費用です。

当社独自の教育訓練制度を通じて、十分な予算の確保、成長の機会を増やしていきたいです。そして、社員一人一人のスキルアップに加えて、

新たな自分と出会えるよう、

今後も制度をブラッシュアップしていきます。

そうすることで、全社的な成長が期待でき、やりがいを感じられる瞬間も増えるかと思います。

社員と共に、誇れる会社を築いていく。それが私たちの目指す未来です。

                             石野統輝也


高品質で豊富なラインナップの耐火物を通して、ものづくりを支える企業

用途に合わせた各種耐火物の製造をはじめ、長年培ってきたノウハウを生かし、素材から施工方法まで、すべてがオーダーメイドのサービスを行っています。「お客様の共感を得るものづくり」、「環境負荷の少ない企業運営」をキーワードに、日本キャスタブル工業だからできる事業を続けています。
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