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コーポレートイメージ刷新の裏側 ―デザイナー視点で見る、CASTの未来
株式会社CASTは「あらゆる場所にセンサーを」をビジョンに掲げ、フレキシブルセンサーの技術を活用しながら、より便利で安全な世界の実現を目指しています。
7月にはコーポレートイメージを刷新し、Webサイトやパンフレット等をリニューアル。鮮やかなオレンジが印象的なデザインを採用しました。すべてのツールを制作したのは、デザイナーのアディさんです。
前回の記事では、代表の中妻啓さんになぜ大幅なイメージ刷新に至ったのかを取材しました。今回は、デザイナーであるアディさんに話を伺います。中妻さんやCASTの意図をどのようにデザインに落とし込んだのか、デザイナーとしての視点もお楽しみください。
CASTは何を目指すのか、何度も何度も聞いた
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―前回中妻さんに取材をしたとき、「デザインとCASTの社名がパッと結びつくような状態にしたかった」との話がありました。アディさんは中妻さんの話を聞いて、どのようにデザインのイメージを膨らませたのですか?
CASTのお客様がCASTのWebサイトやパンフレットを見て印象に残るように、他の企業で使われている色やデザインの研究を始めました。今、世界中の企業であまり使っていない色を採用して、CASTのイメージを作りたかったんです。
―既存のデザインを調べるところから始めたのですね。
はい。同時に、中妻さんと深山さんには何度も質問したり、相談したりしました。とくに「CASTは将来何を目指していくのか」を、何度も何度も聞きました。話をするなかで、少しずつCASTが目指す未来を理解しましたね。
伺った話をもとに、コーポレートカラー・フォント・それぞれのツールの形などを細かく決めてから、制作に取り掛かりました。
色が持つイメージを考えて設計したサイト
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―まずはWebサイトについて、こだわった箇所を伺ってもいいでしょうか。
ページを開いたときすぐ見える、ビジョンやロゴの背景に動きをつけました。シンプルだけど、印象に残るようにしたくて。これはCASTのコア技術である、フレキシブルセンサーをイメージしています。
あとはオレンジですね。Webサイトだけではないですが、コーポレートカラーのオレンジにはこだわりました。中妻さんの好きな色であるオレンジは、鮮やかだけど落ち着いた色なんです。ネイビーを組み合わせると、他の会社にはないイメージになったのでいいかなと思って。
―明るすぎないオレンジではありつつ、鮮やかなので印象に残っています。あとはイラストも印象的で。
CASTのことを知らなくても、CASTの技術を伝えたいと思いました。
工場側のイラストは赤、モニターを見ている人側のイラストは青にして、オレンジとは別の色を使っています。心理学的に、赤は「危険」とか「激しい」とかのイメージを受けると言われていて。工場は熱くて危険だから、みんな命がけで仕事をしていることを表しています。対になる色が青。落ち着いているイメージを受けると言われています。熱くて危険な工場と比べて、安全なイメージですね。
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あとはイラスト自体をシンプルに。かわいいイメージよりはシンプルにしたい、というCASTさんの希望もありました。
―Webサイトはテンプレートに当てはめるのではなく、ゼロから作成したと聞いています。大変だったことはありましたか?
大変というより、難しかったです。CASTの目標や技術を理解して、デザインに落とし込むのが。
でも少しずつ話して、ひとつずつ決めていきました。Webサイトも何を載せたいのかひとつずつ決められたので、一歩ずつ進むのが大事だと思いました。
ほかのツールはスタイリッシュに
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―続いてロゴについてですが、こちらは細部の刷新でしたよね。
そうです。天秤マークの左右を切り落としたのと、社名の上下にラインを入れていて。あとはフォントも実は変わっているんですよ。今までのロゴよりは、丸いかわいらしい印象が薄くなったと思います。
天秤マークは引き続き使いたいと中妻さんがおっしゃっていたので、どう印象を変えられるか試しました。線の太さを細かく変えたりもしていて。より天秤らしく見えるように、天秤に物を乗せるところを切り落としてみました。
―ロゴももちろんですが、パンフレットや名刺もかっこいいイメージになりましたよね。
そうですね。スタイリッシュになったと思います。
とくにパンフレットは、刷新したコーポレートカラーを存分に使いつつ、ベースは黒にしてました。黒バージョンと白バージョンを作っていたのですが、中妻さんは「黒の方が高級感があるね」とおっしゃっていて。CASTの真面目な社風にも合っていると思います。
―ほかに工夫したところはありますか?
あとはパンフレットでいうと、3つに折りたためるところです。今まで仕事でパンフレットを作ったときに、お渡ししてもどこに置いたかわからなくなってしまったり、捨てられてしまったりするのが悲しくて……。そうはしたくないなと思いました。
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3つに折れると見やすいし、バッグに入れて持ち運びがしやすい。商品が増えてパンフレットを刷新したときにも、3つ折りだったら遊び心のあるデザインが作れると思ったんです。
―今後のことまで考えて……!でも、折ってお渡しするだけでも印象に残りそうですね。
そうなんです。折ったほうが大事にしてくれるかなと思って。印刷紙もしっかりした紙にしました。
CAST技術の応用が楽しみ
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―最後に、CASTのコーポレートイメージ刷新に大きく関わったアディさんから見て、CASTの未来はどのように映っていますか?
今は工場で使うセンサーとして商品を作っているけど、将来は個人的にも使えるものになってほしいなと思いました。CASTのみなさんはがんばって研究しながら技術を作っているから、工場以外にも応用できるようになったらいいですね。
話を聞いていて、ワクワクしました。
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コーポレートイメージを大きく刷新したCAST。今後のCASTにもぜひご期待ください!
製品およびCASTで働くことに興味を持ってくださった方は、info@cast-sensing.comまで。
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取材・執筆:小溝朱里