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【取締役CFO・浦田拓さん】金融機関から出資先のテック系ベンチャーへ転職を決めた理由
CASTは「あらゆる場所にセンサーを」をミッションとし、薄型・耐熱・フレキシブルな独自センサーをコア技術に持つ企業です。2022年4月に初めての資金調達を実施して以降、事業拡大に向けて実証先の確保や技術開発などを行ってきました。
2023年春、CASTは取締役CFOに浦田拓(うらた ひろし)さんが就任し、新たな体制でスタートを切っています。この記事では浦田さんのCASTとの出会いや、取締役に就任した今の思いなどをインタビューしました。
CASTへの転職前、熊本県の肥銀キャピタル株式会社(以下、肥銀キャピタル)で働いていた浦田さんは、CASTへ出資した1社として既に関わりがありました。出資元から出資先への転職には、どのような経緯があったのでしょうか。
大学発ベンチャーの支援側として出会う
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―改めて、浦田さんとCASTとの出会いを教えてください。
前職である肥銀キャピタルにいたとき、大学発ベンチャーを支援する取り組みがありました。私がその担当になり、地元の大学発ベンチャーであるCASTに会いに行ったのが始まりです。
もともと肥後銀行で営業や融資関連の事務を経験していた私は、社内のキャリアチャレンジ制度を活用して、関連会社である肥銀キャピタルで働くようになりました。CASTに出会ったのは2021年6月頃。「CASTが資金調達をするらしい」と聞き、「地元の大学発ベンチャーだから、話を聞きに行ってみよう」と熊本大学に行ったところからスタートしています。
―代表である中妻さんの、最初の印象は覚えていますか?
お会いした時の表情や話し方から、賢くて真面目な人なんだろうと思いました。ただ、具体的な話をするなかで、お金周りの管理はあまりご経験がないのかな……と。私が役に立てることがあったらいいなと思っていました。
“暫定CFO”として、資金調達後のCASTに伴走
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―その後CASTとは、どのような関わりがあったのでしょう。
2022年3月に、CASTが資金調達をしました。リアルテックファンドの当時の担当者と協力し、共同出資という形で資金調達を実施したんです。ところがその方は他社からリアルテックファンドに出向してきた方で、資金調達直後に出向から戻りました。「後は託しました」と言われ、CASTへの伴走に覚悟を決めたわけです。
もちろん当時はCAST社内の人としてではなく、出資者として伴走する覚悟でした。ただ同時期に、中妻さんから“暫定CFO”の役職をいただきまして。他の企業様よりは、深く関わるようになりました。
暫定CFOとして私が担当したのは、主に予実管理です。CASTの帳簿を見えるようにしていただいて、管理するフォーマットを作るところから始めました。
とはいえ、あくまでもCFOは“暫定”。私以外の誰かがCFOになる予定でしたが、傍から見ていて「自分が就いた方が早いな」とスイッチが入っちゃいまして。今のところ、そのスイッチが切れていないということです。
自分以外がCFOに就いたら「すげえ嫉妬しそう」
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―CASTからの誘いではなく、浦田さんの意向でのジョインだった、と。
2022年7月に開催されたプラントメンテナンスショーを見に行く時には、もう覚悟を決めていました。前日の飲みの席で、中妻さんにジョインしたい旨を告げたらドン引きしていましたけど(笑)
ジョインする覚悟が決まったのは、いくつか理由があると思っています。
1つ目は、CASTには私だから挑戦できることが、たくさんあると思ったからです。資金調達はしたものの、管理などの体制作りは今も試行錯誤中。管理体制をほぼゼロから整えられるのは、やりがいがあるだろうと思いました。また私が担えば、中妻さんは事業作りにリソースを使える。CASTとしても、役割分担できた方が前に進めると思ったんです。
2つ目は、中妻さんと深山さんという役員同士の関係性が、バランス良いなと思っていたから。「ボケ・ツッコミ理論」と私は言っているのですが(笑)、企業には新しいアイデアを持って突き進む、いわゆる“ボケる人”が必要で、そのアイデアを「本当に実現できるのか」「どのように形にするか」冷静に判断して、出来ないことには「出来ない」と“ツッコむ人”も必要。中妻さんと深山さんは、まさにボケとツッコミが成立していました。
暫定CFOだった私にとっては、そんな2人のやりとりが気持ちよかったです。また年齢が近いからか、気を遣うことなく対等に話ができたのもしっくりきていたと思います。
―“暫定”ではあったものの、CASTというチームに心地よさを感じていたのですね。
成長のためいずれCFOを迎えなくてはいけないCASTに、私以外の誰かがCFOとして現れたら「すげえ嫉妬するだろうな」と思ってしまったんです。ここまで思い入れを持てる企業はこの先出会えないかもしれない……と思った時、後悔しそうならジョインしようと決断できました。
ルールがないことが、やりがいであり苦労でもある
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―今までもCASTと深く関わっていたとはいえ、浦田さんにとって初めての業界。難しさは感じませんでしたか?
たしかに、CASTの技術を理解するのは難しかったです。文系出身ですから。
ただ、CASTのお客様である製造業は前職でもお取引がある業界でしたし、目に見える手触り感がある製品という意味ではイメージしやすかったです。
―CASTでの仕事のやりがいや苦労は、どのような時に感じますか?
良くも悪くもまだルールが少ないことが、やりがいと同時に苦労している点です。
金融業界では1人で判断することがなかったですが、CASTでは自分で判断し、結論付けることが求められています。またCFOという立場もあり、自分の決断が多くの人に影響を与えることになる。それはやりがいであり、悩むことも多いです。
“異分子”が加わったCASTに期待して
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―CASTの一員として、今後のビジョンを教えてください。
個人的には、地方銀行出身の私と研究者である中妻さんがタッグを組んだらどういうことが起こるのか、実験してみたいと思っています。自分の人生なんですけど、未知数なことが今は非常に楽しみです。
前職が金融機関だったからこそ分かることで、CASTに貢献したいと思っています。例えば、事業を拡大していくうえで役立つ人を巻き込んでいく力などがあるので、それをしっかりと発揮していきたい。いい意味でCASTのイメージが変わり、様々な情報が集まってくるんじゃないかと期待しています。
―どのような人と一緒に働けたら、CASTはより面白くなりそうですか?
CASTは技術者集団なので真面目な人が多いけど、私のような異分子がジョインしてくださったら面白くなるだろうと思っています。例えば、行動力が強みの人であれば、新しいことをやる時に、従来のやり方に捉われずにいい方向に進めそうです。
CASTは現在、リモートワークのメンバーも増えています。熊本在住者に限定せず、色々な方にCASTをアピールしていけたら。また将来的には海外進出を目標にしているので、興味がある方と一緒に目指していけたら嬉しく思います。
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新体制となったCASTの今後に、ぜひご期待ください。
またCASTでは引き続き、一緒に働く仲間を募集しています。エンジニア・営業・マーケティング等、活躍いただける方を多方面で募集中です。CASTで働くことに少しでも興味を持った方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
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取材・執筆:小溝朱里