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「女性スペースを守る会は差別団体」という表現は名誉毀損にならないと横浜地裁が判決を下す
2024年8月30日、トランスジェンダーの平等のために活動する「TransgenderJapan」事務局長の村田しゅんいち(村田峻一)氏に対して「女性スペースを守る会」という団体が起こした訴訟の横浜地裁判決が言い渡され、被告である村田しゅんいち氏の全面勝訴となりました。
「女性スペースを守る会」は自身の団体を「差別団体」とTwitter(現在は「X」)で指摘されたことについて、名誉を傷つけられたとして訴えていました。
判決は「差別団体」と表現することは意見ないし論評の域である旨を明言しています。この訴訟で問われるべきは、「女性スペースを守る会」が「差別団体」であるか否かではなく、あくまでその団体の政策などをそのように論評することが民法上の違法であるかとなりました。
また、今回、「女性スペースを守る会」が投稿削除をしなければ1日5000円払えとの文書を相手に送付したことについて、この行為は相手の害悪を告知し、義務なき行為を要求するものであるとして、これを「脅し」と表現することも意見ないし論評の域を逸脱しているとは言えないとも述べています。
さらに、「トランス女性をシス女性の安全を脅かすものとして悪魔化して描き」や「差別加害者」といった表現も、同様に意見ないし論評の域を逸脱しているとは言えないとも述べています。
「女性スペースを守る会」は今回と関連して別の人物に対しても名誉毀損を主張して訴えていましたが、そちらも棄却されていました。
両裁判はいずれも「女性スペースを守る会」が控訴し、東京高裁へと移る予定となっています。
「女性スペースを守る会」は女性スペースからトランスジェンダー女性を排除するために活動している団体です。「女性スペースを守る会」と同様の主張を展開する組織は世界中に存在し、多くは「反トランスジェンダー」と認識されており、中には「ヘイトグループ」に指定された組織も存在します。
参考となるウェブサイト