2019.11.10 ドイツ滞在備忘録①
ドイツ、バイエルンでは自身で狩猟肉の販売、加工も行っているライトマイヤーさんの狩猟に同行しました。
こちらでも狩猟のライセンス、銃の許可がそれぞれ必要とのこと。
16歳からライセンスが取得できるようだが、18歳になるまではライセンスを持った成人と同行しなければいけないそう。
試験は非常に難しいそうで、受験者の半数は落ちるそうな。
猟場は主にハンター自身が土地のオーナーと約9年程の単位で土地を借りる契約をし、そこで行うそうでこの方は年間160€(敷地の広さはサッカー場600個分だそう!なんかチョイチョイサッカー場で例えられる・・)で借りているようです。
期間も年中行えるそうで、5月が特にアツイ時期なんだとか。
ライトマイヤーさんは趣味で狩猟を始め、獲った獲物を納品していた食肉屋さんに店を継がないかと誘われたそう。
この方はなんとBMWにも勤めているそうで、狩猟よりもBMWの話の方が熱がこもっていました・・。
この日は早朝から畑っぷちにあるハイシート(見張り台みたいなやつ)の中での待伏せ猟。
1時間以上は待っていたでしょうか、残念ながら獲物は現れず、チャンスはありませんでしたが、彼の友人がシカをしとめたそうで、その現場に移動することになりました。
獲れていたのは1歳くらいのメスのアカシカ。
口には葉が加えられており、獲物への敬意を感じる。
すぐさま獲物の腹抜きを行い、心臓、肝臓、肺は残していた(スペイン、フランスでは内臓は使っていなかった)。
腹抜き後は腹の中を水で洗浄していたが、これは彼のやり方で水を使わないやり方で行っている人もいるそうだ。
ドイツでは獲物をしとめたあと1時間以内に腹抜きをすることが推奨されているそうで、免許試験問題にも出てくるようです。
そのあとは一度ホテルに戻り、朝食をすまし、再びライトマイヤーさんと合流。
彼の処理場見学へ。
食肉への利用に関してはシカは国の検査が必要ないが、イノシシは国の検査を通さないといけないらしく、その原因はチェルノブイリ原発事故。
処理場のあるバイエルンはその影響を最も受けた地域だったそうで、放射納物質を蓄積しやすいキノコを食べているイノシシは今も検査対象となっているが、今では検査はほとんどが無害との結果が出るそう。
ライトマイヤー氏の解体はスムーズで無駄がなくあっという間に精肉されていく。
また、スペイン、フランスで見た作業では関節などはナタで叩き割っていましたが、ここでは関節の隙間に刃を入れてきちんと外していました。
5月から12月でおよそ2,000頭程も処理しているようです。
クリスマスシーズンが一番肉が売れる時期の様で、後ほどお邪魔した彼の食肉販売店の倉庫には所狭しと肉が積まれていました。
扱っている肉はシカ、イノシシ、ウサギ、キジ。
肉は自身で狩猟したものもそうですが、多くはハンターから買い取ったり、欧州にある大手の狩猟肉を取り扱っている販売業者から買い取ったりしているそうで、ハンターからの買取に関してはモモや背中などに被弾しているものは3割引き程度の値段で、胃などを破っているものに関しては買い取らない等独自の規定を設けていた。
解体作業を見学した後はライトマイヤーさんの家で食事を振舞ってくださいました。
シカのミートローフ、前日に獲れたばかりのシカのステーキ。
どれもおいしく、ミートローフはそんなに腹がすいていたわけでもないのにするりと食べられちゃいました。
~おまけ~
見づらいけど、キジ、ウサギ猟の様子。
日本では見ない猟法で畑を犬と人間でぐるりと円状に囲い、中にいる獲物を追い立てている。
正面に人がいる状態で発砲って・・。