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【2023高校野球】日大三 vs 社 どこよりも詳しく見どころ解説

第105回 全国高校野球選手権大会
大会4日目 第2試合

日大三(西東京) vs 社(兵庫)


ともに2年連続出場
強打か粘りか

東京代表と兵庫代表が夏の甲子園で対戦するのは2年連続。昨年は「東東京」の二松学舎大付が社を7-5で破っている。


夏の甲子園での東京と兵庫の対戦は過去16回。
兵庫が9勝、東京が7勝となっている。
しかし日大三の「西東京」という括りで見ると意外なことに西東京代表と兵庫代表の夏の対戦は驚くほど少なく、1976年まで遡ることになる。(桜美林3-2市神港)

春のセンバツでは平成以降だけで5回対戦があるだけに意外なデータである。

チーム紹介

日大三


3月で名将・小倉監督が勇退し、三木新監督のもと初めての夏で甲子園への切符を手に入れた。

チームの特徴は西東京大会6試合でホームラン6本、53点を挙げたチーム打率.394の強力打線だ。

上位打線は特に力強く、中心となるのは3番キャプテンの二宮。昨年も甲子園の聖光学院戦で2安打を放ち、存在感を見せた。パンチ力がありながら脚力もあり打線の軸と言えるだろう。

西東京大会では6番を打ったレフトを守る針金の活躍が光った。準決勝、決勝と2試合連続でホームランを放ち、打率・本塁打・打点ともにチームトップの成績を残している。

基本的にレギュラーメンバー9人固定で戦っており、西東京大会では控え野手の出番はほぼ無かった。

投手陣の軸になるのはエースの安田だ。
昨年夏の甲子園のマウンドも1回1/3ながら経験をしている。140キロを越えるストレートと左打者の外角に沈むシンカー気味のチェンジアップを武器に、西東京大会では非常に安定した投球を見せた。

リリーフで右の本格派・増田、左の畠山、谷亀が控えるがともに1試合ずつの出場で、甲子園ではエース安田の投球が大きなウェイトを占めることになるだろう。


報徳学園、神戸国際大付、東洋大姫路、滝川二と私学強豪校が多数存在する兵庫大会を、社は県立校ながら2年連続で勝ち上がり、センバツも含めて3季連続の甲子園キップを手に入れた。

チームの特徴は何といっても粘り強さである。
2アウトからでも粘りを見せ、簡単にチェンジにならず相手に流れを渡さない。
兵庫大会では2アウトからの得点が多かったのが印象的だった。

接戦を勝ち切る原動力となったのはエース髙橋を軸とする投手陣だ。
センバツまでは「髙橋頼み」という感も見受けられたが、春以降控え投手が大きく成長した点が夏の躍進に繋がったと言えるだろう。

エース高橋は140キロのストレートとスライダーが武器の右腕で、試合を作る安定感が光った。
リリーフに多彩な変化球のサウスポー年綱、2年生右腕の福田が控える。
この3人が同じぐらいのイニング数を投げており、甲子園でも3人でマウンドを守ることになるだろう。

センバツでは打線がやや弱いと感じられたが、夏に向けて大きく成長したと感じられる。スラッガータイプはいないものの、兵庫大会では投手以外のレギュラーメンバー全員が長打を放っている点に注目したい。
上位下位とムラがなく切れ目のない打線と言えるだろう。

兵庫大会でも多くの試合で3点以上のビッグイニングを作っている集中打が特徴的だ。

この試合のポイント


打線の破壊力では日大三が上回る。
それだけに社としては何としてもロースコアの接戦に持ち込みたい。

その為には

社のエース髙橋を軸にした3投手が、いかに日大三打線を最小失点に抑えるか

がこの試合の最大のポイントになる。

日大三は身体能力の高い野手が多いが、1試合平均の盗塁数は0.5と少なく、機動力を前面に出す攻撃は仕掛けない傾向がある。

それだけに髙橋をはじめとする社の投手陣は兵庫大会と同様に、走者を背負っても落ち着いて変化球を低めに集めて内野ゴロを打たせる投球を心がけたい。

日大三としては、社投手陣の低めの変化球を見極めが重要となる。社のエース髙橋は兵庫大会でもコーナーをつくあまりカウントが悪くなり四死球を出すケースも見られた。

逆に昨年の聖光学院戦で佐山投手の変化球に手を出して、ストレートに詰まらされたようなバッティングをしてしまうと苦しくなる。


序盤から得点が入る展開なら日大三、ロースコアなら社ペースと言える試合が予測される。

強打か粘りか。
非常に楽しみな一戦である。

甲子園ラボ

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