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睡眠スコア100点超えバグとは何だったか―不正行為者にならないために―

はじめに

私は、ポケモンスリープにおいて、目先の利益にとらわれて睡眠スコア100点超えバグの意図的な利用という不正行為を行いました。
その結果、信用を失い、運営から2024年10月3日から30日間のプレイ制限というペナルティを課され、待望の新島攻略は当分できなくなりました。

プレイ制限を示す画面

この記事は、今回不正行為として扱われたバグがどのようなものだったかについて、現時点の書ける範囲内で記録として残すとともに、今後自分が2度と不正行為を行うことのないよう、また、願わくば私のような不正行為者を他に生まないよう、どのような点で今回の行為が不正行為として扱われたのか等について、利用規約等を参照しながら今一度考え、まとめたものです。
かなり細かい内容を含みますが、バグ等への向き合い方について、改めて考える一助になれば幸いです。

無駄に長い本文へ入る前に、先に結論として私がお伝えしたいことを記します。

  • 見つけたバグは試さない(むやみに再現しようとしない)

  • バグを見つけたら、即座に運営に報告する

とりあえずこれだけ、今後の平穏なゲームプレイのために、ご検討ください。


睡眠スコア100点超えバグについて

バグが修正されていれば、発生条件についてもこちらに記載する予定でしたが、公式でこのバグが修正されたというアナウンスがなされておらず、修正されたかどうかが不明であるため、割愛します。
説明の都合上、下記に一部のみ記載します。

  1. Pokémon GO Plus + に同日の計測を2回分貯める
    (例:①14:00~22:30、②23:00~翌7:30)

  2. ???

  3. ???

  4. ???
    ※2~4はポケモンスリープのアプリ上での操作

上記の手順を踏むと、報告の順番が入れ替わり、例で言うと②の計測分から報告が始まります。そしてこれが1回目計測として扱われ、1回目計測時に対してのみ付与される効果(ボーナスサブレ・キャンチケボーナス等)が付与されます。
さらに、続いて行う①の計測分の報告についても、同じく1回目計測として扱われ、1回目計測時に対してのみ付与される効果が再度付与されます。
そして、通常では2回の睡眠スコアの合計が100点を超える場合、上限が100点となるよう②の睡眠スコアが「100-①」に調整されるところ、その調整がなされず、①、②それぞれで最大100点をとることができ、1日に合計200点をとることができてしまいます。
これが本バグの挙動です。

ちなみに、誰が言い始めたのか知りませんが、「Pokémon GO Plus + を2台使用する」というのは全くのデタラメです。

あまりにも凶悪な効果をもたらすバグであるため、このバグの意図的な利用が不正行為とされることに関して何の異論もありませんが、今後二度と不正行為を行わないためにも、どのような点でこの行為が不正行為とみなされたのか、改めて考えてみることにします。

どのような行為が「不正行為」にあたるか

公式サイト上のお知らせ及び利用規約における記載

運営が公式サイト上の「不正行為への対応について」のお知らせにおいて、2024年9月25日時点で具体的な不正行為の例として挙げている行為及び対応内容は下記のとおりです。

  • 不正なツールやプログラムを使い、著しく多い回数の睡眠リサーチをする行為
    → アカウント停止等

  • 不正な操作手順で、1日の内に101点以上の睡眠スコアをとる行為
    → 30日間のプレイ制限及び不正に獲得した報酬の回収

これらの対応は利用規約のどの条項に基づきなされているのでしょうか。
まず、アカウントの停止及びプレイ制限については第16条に記載があり、この条項に基づいて行われていると考えられます。

第16条 本サービスの停止・変更・終了等
1.当社は、自己の裁量に基づき予告なく、ユーザーに対し、本サービスにおける一部又は全部の機能を制限し、終了し、又は、停止することができます。

Pokémon Sleep 利用規約

続いて、第17条には禁止事項について記載がありますので、関係部分について抜粋しました。禁止行為に記載された行為を行えば、それは不正行為とみなされるでしょう。具体的な不正行為の例として挙げられた行為がどれにあてはまるか、検討してみます。

第17条 禁止行為
当社は、以下の行為を禁止します。

⑪ 不正のプログラム、ツール、アプリ、その他名称等の如何を問わず、本サービスの不正な利用を目的としたプログラム等を開発すること。また、そのようなプログラム等を他者に提供し、又は、利用させること。

⑮ 当社がユーザーに通知した、又は、本サービス若しくは公式サイト上で公表した禁止行為。
⑯ 上述のほか、本サービスの運営を妨げる一切の行為。

⑱ その他、当社が本サービスの運営上不適切と判断する一切の行為

Pokémon Sleep 利用規約

「不正なツールやプログラムを使い、著しく多い回数の睡眠リサーチをする行為」については、第17条⑪が該当するでしょう。

では、「不正な操作手順で、1日の内に101点以上の睡眠スコアをとる行為」についてはどうでしょうか。
利用規約内において、この行為を禁止行為として明示している条項は見受けられませんでしたが、おそらく第17条⑮、⑯、⑱のいずれかに該当すると考えられます。
⑮関連として、公式サイトのお知らせ「不正行為への対応について」には、4月時点から下記の記載がありました。

利用規約に沿ってアプリをお楽しみくださいますようお願い申し上げます。

また、運営の意図しない挙動を利用してプレイした場合、アプリの動作に問題を引き起こす可能性がありますので、これらの行為を拡散・誘発するような行為につきましてもお控えくださいますようお願い申し上げます。

ポケモンスリープ公式ニュース「不正行為への対応について」

この文章が、公式サイト上で禁止行為を公表しているものと言えるかは判断が分かれそうですが、「運営の意図しない挙動を拡散・誘発する行為」を禁止していると言うことはできるでしょう。
睡眠スコア100点越えバグの意図的な利用は、「運営の意図しない挙動を誘発する行為」にあたりますので、第17条⑮に該当すると言えそうです。
ただ、どちらにしても運営が「運営上不適切」と判断すれば第17条⑱に該当するわけなので、ホームページ上に記載があろうがなかろうが、結局あまり関係はないのですが。

バグの利用は全て不正行為にあたる?

ポケモンスリープにおいては、これまでも、ユーザーが利益を得ることのできる運営の意図しない挙動(バグ)はいくつかありました。例えば以下のもの。

  • いつのまに育成のポップが出る度に、お手伝い回数が1回分多くカウントされるバグ

  • いいキャンプチケットのボーナス枠が2回目のリサーチにも適用されるバグ

  • 料理作成画面を開きっぱなしにしていると、開いていた時間で消費されるはずのげんきが、料理による回復量に上乗せされるバグ etc.

これらは、アップデートにより「不具合」として修正されてきました。

しかし、今回の睡眠スコア100点超えバグの利用は、「不正行為」としてみなされ、2回以上使用したユーザーに30日間のプレイ制限というペナルティが課されることになりました。
今回のバグは、どう考えても通常の挙動ではなく、バグを発生させた者が少数であったこと、得られる利益が莫大であることなど様々な状況を総合的に勘案した結果、「運営上不適切」であるとしてペナルティを課すに至ったのでしょう。

では、今回のバグで得られる利益が、「いいキャンプチケットのボーナス枠が2回目のリサーチにも適用される」だけだったら、あるいは「ボーナスサブレが2回目のリサーチにも適用される」だけだったらどうだったのでしょうか。また、匿名掲示板やX等で手法が拡散され、運営が警告する前にもっと多数の利用者がいたとしたらどうだったのでしょうか。
今後また、ユーザーが利益を得ることのできるバグが出てきた時、それを利用すれば不正行為とされるのでしょうか。

これらは、運営の判断次第と言わざるを得ません。
どのような行為に対してどのようなペナルティを課すかに関しては、利用規約上、運営に裁量権があります。
つまり、とあるバグについて、利用しても問題ないのか、不正行為にあたるのか、ユーザーに判断することは困難です。極論、最も間違いがないのは、いかなるバグも意図的に利用しないようにすることでしょう。
今後、何が不正行為にあたるかを明確にするため、利用規約が改定される可能性はありますが、現時点ではこう言うほかありません。

「嘘寝」は不正行為にあたりうるか?

話の本筋とはそれますが、今回の件で引き合いに出されることも多く見られた、いわゆる「嘘寝」(又は偽装睡眠)についても考えてみます。
このゲームでは、ポケモンそれぞれに睡眠タイプが割り振られており、原則として、その睡眠タイプを出さなければそのポケモンの寝顔を見ることはできません。
このような仕様があることなどから、一部のユーザーでは特定の睡眠タイプを出すために、自分の睡眠を計測するのではなく、様々な手段を用いて特定の睡眠タイプを出す試みがなされています。これがいわゆる「嘘寝」です。
「嘘寝」が不正行為とされる可能性はないのでしょうか?

ポケモンスリープは、インタビュー等を確認する限り、ユーザーの睡眠の質の向上を目的として運営されているゲームであり、蓄積されたデータから様々な研究等を行おうとする意向も見えることから、少なくとも運営が「嘘寝」を適切であると考えていることはまずないでしょう。
しかし、おそらく課金しているユーザーほど「嘘寝」を行っている割合が高く、Pokémon GO Plus +の仕様等の都合もあってか、黙認しているのが現状なのではないでしょうか。
ただ、最近スマートウォッチとの連携を開始するなど、より睡眠を正確に計測し、蓄積しようとする傾向はあるので、もしかすると将来的に「運営上不適切」とされる日が来る可能性もゼロではないかもしれません。

バグを見つけたらどうすべきか

話をバグの話に戻します。
今回のバグも、もともとは、とあるユーザーが普通に遊んでいて偶然発見したものでした。もし仮に、自分や周りの人が今回のような(致命的な)バグを見つけてしまった場合、どうすればよいのでしょうか。
私の出した結論は以下のとおりです。

  • 見つけたバグは試さない(むやみに再現しようとしない)

  • バグを見つけたら、即座に運営に報告する

  • 運営の対応が見られない場合であってもSNSで騒いだりはせず、待つ。
    対応を急かしたい時は、信頼できる人(最低限の人数)に相談して報告の協力を仰ぐ程度にする

1つ目と2つ目について。運営の意図しない挙動を誘発する行為は、不正行為に当たるリスクがあるので、むやみに再現しないほうがよいでしょう。(意図的な利用はもってのほか)
一方、見なかったことにするのは得策ではありません。バグについてユーザーから報告が上がってこなかった場合、運営がそのバグを認識することはおそらく困難だからです。バグが発生した当時の状況を可能な限り整理して、運営に報告しましょう。

3つ目について。「お問い合わせフォームは機能していないので、不具合があった時はSNSで騒ぐのが正解」という言説もあるようですが、ポケモンを冠するゲームのお問い合わせフォームが機能していないことなどありえないと思います。運営内でも対応の優先順位があるでしょうし、把握した段階で即アナウンスするということが難しいこともあるでしょう。
情報が錯綜して混乱を招き、対応が遅れることもありうると思うので、あくまで正攻法でやるべきではないかと私は考えます。
ユーザーにとってかなりの不利益が生ずる類のものであれば、情報を共有することによって不具合が発生させてしまうユーザーを減らす、という意味で、積極的にSNSで共有した方がいいこともあるかもしれませんが。
なお、「信頼できる人(最低限の人数)に相談」というのは、自分では抱えきれないこともあると思われる一方で、バグの拡散は控えなければならないため、その折衷案として提示しています。

3つ目は諸説あるとしても、少なくとも1つ目と2つ目は、末永く、おだやかに、ポケモンスリープを楽しむために、心掛けるべきことなのではないかと私は考えます。

終わりに

ここまでお読みいただきありがとうございました。
大半の品行方正な方々にとって、ほとんど関係のない話だったでしょう。
ただ、これまでにユーザーに有利なバグを利用したことがある、あるいは、今回のバグを知っていたら使っていたかもしれない、という方も少しはいるかもしれません。
今後もアップデートが続く限り、おそらくどこかでバグは発生します。
あなたは、自分でバグを見つけたら、または知り合いが見つけたら、あるいは属するコミュニティで共有されたら、どのように行動しますか?

それではまた。

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