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第10話 雑な数値検証はNG!【ケース面接対策の修行Ⅱ】

拙者はケース侍田中。
日々、ケース面接対策のことを考え、人々にケース的思考の素晴らしさをどう伝えたら良いかを考えている男だ。

ある日大学の後輩、小次郎君から連絡があり、聞けばJTCに辟易し、戦略コンサルに転職したいという。そのためにケース面接対策を依頼された拙者は…。

田中の新しい挑戦が始まる…!

【前回までのあらすじ】
セグメント分けは、ビジネスモデルから有意差を考えよう!

田中「では、改めて、算定するとカフェの年間売上はいくらくらいかな?」

小次郎君「そうですね、ビジネス街のカフェで50席程度の前提で、改めて座席数を基に、供給サイドから計算しますね。えっと…ざっくり10億円位ですかね。」

田中「1店舗のカフェで10億円/年は多い気がするけど…。じゃあ10億円の確からしさは、どうかな?」

小次郎君「そうですね、10億円/年ということは、9,000万円/月、25営業日として、200万円/日になるので、大体そんなもんじゃないですかね?」

田中「なるほど?でも‘’感覚‘’で答えてしまうと、リーズニングとしてちょっと弱いんだよな…」

ということで、拙者は説明することにした。

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小次郎君は年間の売上を一日当たりにブレイクダウン出来て検証しやすく出来たのはよかったが、最後が自分の感覚でリーズニングしていたので根拠として弱い。

今回の場合だと、数字の検証として

➀類似業界との比較
➁コスト積み上げでの検証

が出来ると客観性が出るだろう。

一つ一つ見ていこう。

➀類義業界との比較
類似した業界と比較して検証していくものだ。

類似業界の知識が必要なになるが、今回のカフェのようなビジネスモデルの場合は、箱形で同じ店舗感があるビジネスのコンビニが1つの物差しになるだろう。

コンビニ1店舗当たりの売上は2億円/年になる。

※補足
コンビニの市場規模は10兆円、店舗数5万店舗、売上2億円/店舗は便利だ。覚えておこう。

コンビニは小売り、対してカフェは飲食と同じ業態ではないが、コンビニの営業時間がカフェよりも長い24時間営業と考えても、コンビニの店舗売上2億円と比較すると、小次郎君のカフェの10億円/年は大きく出た数値感だろう。

➁コスト積み上げでの検証
コスト積み上げでの検証とは、カフェ事業の主要コストを見積もって、売上の妥当性を検証する方法になる。

例えば、今回のカフェの場合だと、主要コストは、仕入原価、水道光熱費、賃貸借量、人件費、設備代(減価償却費)があげられる。

このうち、知識があり、イメージしやすい科目として人件費に立脚して考えてみる。

ビジネス街の50席程度のカフェとすると、レジ2台はあると仮定出来る。
ドリンクを作る人も必要なので、最大でレジ対応2人、ドリンク対応2人で計4名は常時バイトで雇い+店長と仮定する。

14時間/日の営業で、バイト代1,000円/時間と仮定すると、25営業日/月の場合、バイト代で150万円になる。
店長の給与は50万円/月とすると、バイト代と合わせて人件費は200万円の推定となる。

また、飲食店の主要費用は、FLコスト(Food=食材費=仕入原価、Labor=人件費)であり、それぞれ売上の30%程度の目安は覚えておきたい。

FL比率から検証してみると、
200万円(人件費/月)÷30%(人件費/売上)から、カフェの月間売上げ700万円となる。

なので、小次郎君の9,000万円/月は大きめに出ているとことが推測される。

数字の検証での質問では、「何円大きく出ているか」といった精緻さは問われていない。大きく桁感がズレていないか、また、客観的な検証方法を取れるかが問われている。

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小次郎君「そうなのですねー。自分の感覚ではなく、客観的な検証が必要になるんですね」

田中「その通りだ。フェルミ推定はあくまで大まかな見積もりを得る手法だから、精緻さは求められていない。
大きく数字がずれていないか、客観的な検証ができるかで、面接官に‘’こいつできるな‘’と思わせていこう」

小次郎君「はい!」


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