第18話 分析のスコープ:一店舗の戦略から学ぶ3Cの適用【ケース面接対策の修行Ⅱ】
拙者はケース侍田中。
日々、ケース面接対策のことを考え、人々にケース的思考の素晴らしさをどう伝えたら良いかを考えている男だ。
ある日大学の後輩、小次郎君から連絡があり、聞けば JTC に辟易し、戦略コンサルに転職したいという。そのためにケース面接対策を依頼された拙者は...。
田中の新しい挑戦が始まる...!
【前回までのあらすじ】
競合の視点を忘れないようにしていこう。
田中「それでは、丸の内にあるスタバの売上向上戦略を考えてみて」
小次郎君「OKです!」
――――5分後――――
小次郎君「では、発表します。打ち手は~と考えました。打ち手に至る取り巻く環境を説明したいと思います。」
田中「(うん、現状分析から入っておりいいね)」
長きにわたる指導のおかげで、小次郎君も現状分析ができるようになったのだ!
小次郎君「カフェ市場は、横這いで推移していると思います。理由は、リアル店舗による回転商売なので立地が大事なビジネスと思いますが、ビジネス街や繁華街、住宅街の駅前といった人が集まる場所にはどこかのカフェは既にあり収益性の高い場所に一定展開済みと考えるからです。」
田中「なるほど?」
小次郎「競合に関しては、ドトール、ベローチェ等があります。その中でスタバは、比較的高めの価格設定でコーヒーを始めとする飲食サービスを提供しています。」
田中「ちょっとまって。今、カフェ市場全体の動向や競合について考えてくれたとけど、それはどうしてかな?」
小次郎君「え、売上向上系では3C(市場、競合、自社)で考えるのが基本だからに決まっているからじゃないですか!ニコ」
田中「説明が必要だな...」
確かに、取り巻く環境を3Cの観点から分析していくのは自体は基本動作になり悪くない。
けれども、3Cと一口に行っても、対象となる範囲はお題に応じて、考えなければいけない。
拙者は説明することにした。
――――――――――――――
今回の“丸の内にあるスタバ“といった1店舗の場合だと、捉えるべき市場はカフェ市場全体ではなく、丸の内にあるスタバの商圏範囲(=市場)がより適切と言える。
つまりは、丸の内にあるスタバの商圏内の動向(顧客のボリュームや顧客層)、同じく競合も丸の内にあるスタバの商圏内の競合環境について、具体的に捉えるのがより適切だったといえる。
小次郎君が説明してくれた、カフェ全体の市場動向、競合で捉える視点は、マーケットシェアが大きく市場全体の動向に影響を受ける・与える、スタバ“全社“の売上向上なら適切な捉え方であった。
一口に3C分析と言っても、お題に応じ捉えるべき範囲が異なる。
お題毎に適切な範囲を捉えて分析していこう。
――――――――――――――
小次郎君「なるほど。範囲が違ったわけですね」
田中「そうだね。3Cで考えるのは悪くないけれど、お題によって範囲を変えていこう」
小次郎君「はい!」
ケース面接でつまずいている、もっと的確なフィードバックが欲しい方!
ぜひお待ちしております。
面接でのディスカッションを想定した一連の流れは解答例を参考にしてみてください。
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