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第9話 機械的なセグメント分けはアウト!【ケース面接対策修行Ⅱ】

拙者はケース侍田中。
日々、ケース面接対策のことを考え、人々にケース的思考の素晴らしさをどう伝えたら良いかを考えている男だ。

ある日大学の後輩、小次郎君から連絡があり、聞けばJTCに辟易し、戦略コンサルに転職したいという。そのためにケース面接対策を依頼された拙者は…。

田中の新しい挑戦が始まる…!

【前回までのあらすじ】
セグメント分け細かくし過ぎない


田中「では、改めてセグメントで分けた時間帯を教えてくれるかな?」

小次郎君「はい、任せて下さい!

ビジネス街のカフェは時間帯で人の入りが変わると考え、時間帯で

朝(7-10時)
昼(10-14時)、
夕方(14-17時)、
晩(17-21時)

で整理します。」

田中「いいね!各時間帯でどういう風に客の入りが変わってくると考えていますか?」

小次郎君「そうですね、朝は出勤時の7時~9時が混んで、お昼はランチの時間帯の11時~14時、夜18時~20時は仕事が終わった人の勉強時間で混むと思います」

田中「つまり朝、昼、晩の時間帯でも、混む時間帯と混まない時間帯が分かれるってことかな?」

小次郎君「はい、そう思います!」

田中「そうすると、朝、昼、夕方、晩の時間帯で区切るのが、有意な差が出る分け方かな?」

小次郎君「ん?どういうことですか?」

小次郎君がぽかんとしたので拙者は説明することにした。
―――――――――――――――――

セグメント分けでは「どういった固まりで捉えると有意差が出そうか」を問われている。
  
フェルミ推定において、セグメント分けの有意差が重要である理由は、全体の推定結果に影響を与えるからだ。 

小次郎君の考えは、時間帯の区分が先にきて、その時間帯の区分の中に、
ピークタイムとアイドルタイムを紐づけた考え方だった。

※補足
ピークタイムとは「混んでいて忙しい時間帯」を指し、アイドルタイムとは「客足の少ない時間帯」を指す。

小次郎君の切り分け方は、「なんとなく」の大雑把な切り口であり、有意差が出る切り方を意識したものとは言えない。

カフェの場合、

✖時間帯の区分をしてピーク・アイドルタイムを紐づける

のではなく、

◎ピーク・アイドルタイムに時間帯を紐づける

と考えた方が、カフェビジネスの特徴を捉えられているだろう。

なぜなら、カフェビジネスにおいて、フェルミ推定の因数(供給サイドで考えてレジの稼働率等)に有意差が出るのは、時間帯が先に来る概念ではない。

そうではなく、ピーク・アイドルタイムの概念が先に来て、結果、ピーク・アイドルタイムに時間帯に紐づくからだ。

どういうことか見ていこう。
 
カフェビジネスは顧客の活動時間で混み具合に差が出る。
 
例えばビジネス街にあるカフェだと、
 
・朝の通勤途中にテイクアウトするコーヒー
・昼休み時のコーヒーと軽食
 
で混むと仮定すると、この時間帯がピークタイムになる。
 
それ以外の朝からお昼までの間とお昼より後の時間は混み方は落ち着くと仮定すると、この時間帯がアイドルタイムになる。

今回の場合だと営業時間を7時~21時までの14時間/日としてピークタイム4時間を仮定する。

その内訳は、

・朝の出勤時の7~9時の2時間
・ランチやお昼終わりにカフェに立ち寄る11~14時の3時間

といった具合だ。

すると、

アイドルタイムは上記以外の残りの9時間

と整理することができる。

機械的に時間で区切らず、お題のビジネスの特徴から、どういった固まり(セグメント)で捉えると有意差が出そうかを考えていこう。

―――――――――――――――――

小次郎君「なるほど。ビジネスの特徴から有意差が出せるセグメント分けを考えていくわけですね」

田中「その通り、今回はピーク・アイドルタイム→時間帯で考えていったが、ビジネスが違えばセグメントの分け方も変わっていくわけだ。ここが考える力に繋がっていく」

小次郎君「なるほど~」



ケース面接でつまずいている、もっと的確なフィードバックが欲しい方!
ぜひお待ちしております。

面接でのディスカッションを想定した一連の流れは解答例を参考にしてみてください。

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