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第11話 複数の算定アプローチを示せ!【ケース面接対策の修行Ⅱ】

拙者はケース侍田中。
日々、ケース面接対策のことを考え、人々にケース的思考の素晴らしさをどう伝えたら良いかを考えている男だ。

ある日大学の後輩、小次郎君から連絡があり、聞けばJTCに辟易し、戦略コンサルに転職したいという。そのためにケース面接対策を依頼された拙者は…。

田中の新しい挑戦が始まる…!

【前回までのあらすじ】
算定結果は個人の感覚ではなく、客観性を示して検証していこう!

田中「では、カフェの座席から求めてもらったけど、他にどういったアプローチで算定出来そうか教えてくれるかな?計算は不用です。」

小次郎君「うーん、そうですね。カフェの座席から出したので、レジの回転数で出す方法とかでしょうか?」

田中「確かに、座席とは違う起点の算定になるけど、座席とレジは同じくカフェ店舗のサービスの供給力を起点に考えているね。他の考え方だとどうだろうか?」

小次郎君「うーん、ちょっと思い浮かばないですね…」

小次郎君はしょんぼりとした。
他の算定アプローチを本番でゼロから編み出すのは辛い。
その気持ちはよくわかる。拙者は説明することにあした。

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”異なる算定アプローチで考えるとすれば?”はよく問われるこ。

その際、代表的な算定アプローチは覚えておくとよいだろう。

小次郎君が示した店の座席やレジ数から考えるのは所謂、「供給サイド」からの売上推定になる。

供給サイドのアプローチを出したのなら、今度は「需要サイド」からのアプローチで売上算定を出すのがいいだろう。

需要サイドとは、商品・サービスの購買者、つまりはエンドユーザーを起点に算定式を考えるアプローチである。

例えば、カフェ店舗の売上推計を需要サイドで考えると次の様になる

・カフェの売上=購買数(商圏人口×カフェに行く割合×カフェに行く回数×当該カフェ選択率)×顧客単価

他のアプローチ方法としては、コストを積み上げて、営業利益率で除すアプローチも今回は有効だろう。
・費用(主要コストの積み上げ)÷営業利益率(※全産業の営業利益率は5%程度になる。覚えておくと便利だ)

※参考:全産業の営業利益率

出展:経産省”2021年経済産業省企業活動基本調査(2020年度実績)の結果”

もう一つのアプローチして、1店舗当たりの売上推計では使わないが市場規模算定の際には、マーケットの代表企業の売上に、マーケットシェアを除すアプローチもある。

・とある商品の市場規模=当該商品の代表企業の売上÷マーケットシェア

また、他の算定式を問われた際、よくありがちな答え方は

「他の算定式としては、
カフェの売上=商圏人口×カフェに行く割合…
うんぬんかんぬん。」

と答えてしまうことだ。

それよりも、

「初期アウトプットでは供給サイドで回答しましたので、需要サイドから考えられます。
需要サイドの算定式ですと、
カフェの売上=商圏人口×カフェに行く割合…うんぬんかんぬん。」

と答えられるとよい。

説明の違いは具体と抽象の行き来を加えていることだ。

違う算定式として需要サイドと打ち出し、需要サイドで具体的な立式(商圏人口×…)を説明している。

こうすることで具体と抽象を行い、構造化して伝えることができる。

構造化して伝えることで、例えば、「需要サイドの式は1つだけか?他にはアプローチが無いか?」と自分でも気づくことができる。

仮に、他の需要サイドの算定で考えると、例えば

カフェの売上=商圏人口×可処分所得×カフェに使用する割合

といった式でも考えられそうだ。

――――――――――――――

小次郎君「これは知らないと一発でアウトになっちゃいますね」

田中「その通り。逆に言えば、知っていればしっかりとカバーすることができる。だからこそ、ケース面接対策の壁打ちは大切なんだ」

小次郎君「はい!」

ケース面接でつまずいている、もっと的確なフィードバックが欲しい方!
ぜひお待ちしております。

面接でのディスカッションを想定した一連の流れは解答例を参考にしてみてください。

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