第12話 目標の確認を漏らすな!【ケース面接対策の修行Ⅱ】
拙者はケース侍田中。
日々、ケース面接対策のことを考え、人々にケース的思考の素晴らしさをどう伝えたら良いかを考えている男だ。
ある日大学の後輩、小次郎君から連絡があり、聞けばJTCに辟易し、戦略コンサルに転職したいという。そのためにケース面接対策を依頼された拙者は…。
田中の新しい挑戦が始まる…!
【前回までのあらすじ】
異なる算定式の出し方も考えておこう!!
田中「OKでは、次に売上向上施策のお題もやってみよう。今回想定してもらったカフェの売上向上施策を考えてみてほしい」
小次郎君「分かりました!」
田中「何か質問ある?」
小次郎君「特にないです!考えてみます」
田中「そ、その時点でアウトだよ!」
小次郎君「え!?」
初学者にあるあるなミスだな…そう思いながら拙者は説明することにした。
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小次郎君は目標(期間、値)、の設定を面接官と擦り合わせずに思考時間に入ってしまった。
目標が変わると、検討の方向性そのものが変わる。
そのため、面接官との認識合わせがマストになってくる。
売上向上施策といっても
「1年で2倍に増やすのか?」
「3年で1.2倍に増やすか?」
で方向性は変わってくる。
例えば今回のようなカフェ店舗の売上を伸ばすお題の場合、1年で売上2倍増を考えるとしたら既存事業のほか、店舗の増設や周辺事業の拡大も視野に入れなければいけない。
対して、3年で1.2倍増だと既存の店舗事業の延長線(ターゲットの拡大、クロスセルの単価向上等)で考えていく方向性になるだろう。
実際の面接でも、面接官はあえて「ふわっ」とした問いかけをしてくる。そうすることで「目標等の前提を候補者が認識合わせ出来るか?」をはかっているのだ。
面接官によっては、“自由に設定して下さい”と問われる場合もある。
その場合は、まず、期間は3〜5年で置くのが無難だ。これは企業の中期計画や、重要な役職の任期が一般的に3〜5年になるためだ。
そして設定する目標値は、既存事業の延長の場合1.2~1.5倍程度、周辺事業(新規事業)への進出やMAを視野に入れると規模だと2倍程度のイメージがいいだろう。
ただし、想定企業のポジショニングや市場の段階によって検討の方向性は変わるので機械的な当てはめは危険だ。
というのも、例えばDVDレンタル事業といった衰退産業であれば、売上1.2倍増を目標とした場合でも、既存事業の向上は難しいと捉え、周辺事業(新規事業)への進出も視野に入る。
お題に応じて、検討してくことは忘れないでおこう。
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小次郎君「なるほど、前提確認が大切なんですね。先輩、最初に言ってくださいよ~」
田中「面接官は前提確認ができるかどうかも見ているからね。これから意識的にやっていこう!」
小次郎君「はい!」
ケース面接でつまずいている、もっと的確なフィードバックが欲しい方!
ぜひお待ちしております。
面接でのディスカッションを想定した一連の流れは解答例を参考にしてみてください。
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