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事件備忘録🔰の方向け(無料編)

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#家族

忘れないで~生きた証⑩この世の地獄編其の弐~

忘れないで~生きた証⑩この世の地獄編其の弐~

校庭で焼死した父子「助けてください!助けて」

小学校に隣接するアパートの住人は、突如聞こえた爆発音に驚き外へ出た。そこで見たのは、助けを求めて走り回る、子供の姿だった。
その子供の体は、炎に包まれていた。

クリスマス直前の惨劇

事件が起きたのは、文京区千駄木の区立汐見小学校の校庭。
天皇誕生日のその日、校庭では少年野球の親子親善試合が行われており、多くの父兄の姿があった。

ふと、一人の男が

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崩れゆく人々〜いくつかの家族の結末〜

崩れゆく人々〜いくつかの家族の結末〜

遠くから、夜、街の灯りを見ていると途端に恐怖に襲われることがある。

目に見える範囲に、数えきれない窓があり、そこに灯りが見えればその数だけ、人がいて家庭があって大切な家族がいて、と考えるとなぜかソワソワしていてもたってもいられらなくなるのだ。

それは多分、その灯りのもとで暮らす人々の全てが幸せではないことを知っているからだ。
あたたかな灯りのもとで、今まさに悲しい選択をしようとしている人がいる

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母の涙が問うもの~宇和島・6歳双子金網監禁事件~

母の涙が問うもの~宇和島・6歳双子金網監禁事件~

法廷にて

「私、前に自分一人で解決しないといけないと思い込んでしまって、失敗したことがあるんです。だから今度は、ちゃんと相談しようと思っていました。」

松山地方裁判所宇和島支部第一号法廷。
証言台に座る女の無造作に束ねた髪には、その年齢にそぐわない白髪がのぞいていた。
被告人席には、夫の姿。両脇を屈強な刑務官が固める。その傍らに、女性職員の姿。
この事件の被告は、夫婦だった。

女は時折涙をぬ

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ずるいヤツら~新生児殺しを誘発する人々~

ずるいヤツら~新生児殺しを誘発する人々~

まえがき

妊娠は、本来誰からも祝福されるものだ。新しい命が宿り、十月十日を一緒に過ごし、ともに親子へと成長するその過程は、母親となる女性にとっても素晴らしいことである「はず」。

しかしその妊娠が、自分の人生をより困難に、時にはぶち壊す存在にしか思えなかったとしたら。
その存在が、自分や今いる家族のなかでまったくの「不要」なのだとしたら。

虐待とは少し違う、最初から要らなかった、生まれてもらっ

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