#ノンフィクション
忘れないで~生きた証⑩この世の地獄編其の弐~
校庭で焼死した父子「助けてください!助けて」
小学校に隣接するアパートの住人は、突如聞こえた爆発音に驚き外へ出た。そこで見たのは、助けを求めて走り回る、子供の姿だった。
その子供の体は、炎に包まれていた。
クリスマス直前の惨劇
事件が起きたのは、文京区千駄木の区立汐見小学校の校庭。
天皇誕生日のその日、校庭では少年野球の親子親善試合が行われており、多くの父兄の姿があった。
ふと、一人の男が
ただ、逃れたかっただけなのに~浜松・ピアノ講師殺人事件~
当初、その事件は「自殺」との見方で処理されかけていた。
浜松市内の瀟洒なマンションで、若い女性が自室のベッドで死亡していたのを、連絡が取れないことを不審に思った同市内にある実家の母親らが発見、通報したのだ。
遺体はあおむけ、着衣に乱れはなかったが、特に抵抗した様子がなかった。遺体の傷も、致命傷とみられる首の傷のほか、体のいたるところに細かい切り傷が無数にあった。まるでそれは、ためらい傷のようだっ
いくつかの温情判決とその後
日本は法治国家である。すべては法律で決められており、それに反する行為があれば罰せられる。
もちろん、軽微な罪は裁判にならずに済むことも多いが、それでも裁判になれば、本当に法に反していたのか、そしてどうしてそんなことになったのかなどが審理され、その罪に見合った刑が言い渡される。
その中で時に、本来の同種の罪と比べると軽い判決が言い渡されることがある。温情判決、というやつだ。
被告人の生い立ちや犯