ハゲた私と優しい美容師さんの話【実話】
まずは、 私のハゲ歴史です。
22歳(薄毛が気になる)→ 25歳(ハゲだす) → 27歳(ハゲ散らかす)→ 30歳(ハゲる) → 34歳(転機) → 35歳(ハゲから復活!) →37歳(結婚) → 39歳(一児の父)今ココです!
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僕には、22歳の頃から17年間通っている美容室がある。
当時住んでいたアパートから近かった美容室。
3年前に私は引っ越したが、今でも、電車で30分かけて通っている。
今の自宅近所の美容室に変えた方が、楽なのはわかっている。
しかし、僕は絶対に乗りかえない。
ハゲ時代を支えてくれた恩人だから・・・
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20台前半、僕はカッコつけていたと思う。
シャレた音楽を聞いて、おシャレな服を来て、おシャレな髪型にして・・・
そんな時、通い始めたのがK(仮名)という美容室。
自宅近くにあり、ナチュラルだけど、なんかカッコいい!
ハイセンスなお店で、なおかつ男でも入りやすかった。
担当してくれたのは、Nさんという男性の美容師。
お店同様、ナチュラルにオシャレで、物腰の柔らかい、とてもいい人だった。
Nさん「今日は、どうしますか?」
私「ナチュラルな感じで、オシャレな感じにしてほしいです。」
(心のつぶやき:Nさんみたいに)
私のこんなざっくりしたオーダーでも、Nさんの腕は抜群で、
いつも僕のイメージの上を行く仕上がりにしてくれた。
しかし、25歳の頃から徐々に悲劇が・・・
ハゲ出した!確実にハゲ出した!
周りから「ハゲてきたなー」と言われる日々。
美容師のNさんが誰よりも、僕がハゲてきたことをわかっていただろう。
しかし、そんなことは一言も言わず、
僕の薄くなってきた髪の毛を、いつも絶妙な腕でカッコよくしてくれた。
27歳になると、かなりハゲ散らかしていた。(ブラマヨ小杉さんぐらい)
周りからはスキンヘッドを勧められたが、僕にはNさんがいる。
Nさん「今日はどうしますか?」
私「お任せでお願いします」
本当はいろいろ注文したい、けど無理。
薄い髪。
しかしNさんは、本当にギリギリのラインで整えてくれる。
まさに神。
友達の結婚式の前とか、まじで助かりました!
しかし、そんな凄腕のNさんでも、限界か・・・
と感じた出来事が———————————
当時30歳になっていた僕は、誰が見てもハゲ。
(ブラマヨ小杉さんとトレンディエンジェル斎藤さんの間ぐらい)
カット後、確認するため鏡で後ろとかを見せくれますよね。
その時、察したんです。
絶妙な角度で、ハゲが見えないようにしてくれていることを・・・
Nさん、ハゲててごめんなさい。
ハゲなのに美容室にきてごめんなさい。
神経使わせてごめんなさい。
僕は、この日から帽子生活になった。
しかし、ハゲてても、まだ髪の毛がある後頭部や横は、普通に伸びる。
どこかで、髪の毛は切らなければならない。
初めましての美容室・床屋には行きたくない。
当時ハゲコンプレックスがMAXだったので“ハゲが来た”と思われそうで、嫌だった。
そうなると、僕のハゲ歴史を知るNさんに切ってもらうのが一番いい。
帽子をかぶって美容室に行く。
受付で帽子をとる時がつらかったなー。
シャンプー後の濡れた状態を見られるつらかったなー。
隣の席に、誰もいないことを願ったなー。
Nさんは、いつも通り、ハゲについては何も言わず、
全力を尽くしてくれた。
その後、無情にもハゲが進行。
ハゲが隠しきれないと悟った僕は、
美容室に行っていたにも関わらず、美容室から出ると帽子を被った。
当時、僕は、ありとあらゆる発毛・育毛商品を試した。
(その経験は、またの機会に。)
ギリギリのところで、つるっぱげにはならず、僕の髪の毛は踏ん張っていた。
そんな発毛活動に明け暮れる日々を送っていた僕に、
転機が訪れたのは、34歳の時だった。
なんと、髪の毛が増え始めたのだ!!!!!!
(その経験もいずれ書きます)
それを実感したのは、Nさんからの一言だった。
これまで髪の毛については、一切口にしなかったNさん。
そんなNさんが、
「なんか、髪の毛、元気ですね」
オブラートに包んだ優しい言い方。
この時の感動は一生忘れません。
本当にうれしかったのを覚えています。
しかし僕は、平然を装い、
「そうですか???頭皮マッサージしてるからかなぁ」
いや、めちゃめちゃいろいろ発毛商品、試してたじゃん(笑)
その日の帰り道、僕は帽子を被らなかった。
そして徐々に増え始め、数か月後、僕はハゲから復活した。
Nさんとは、いろんな話をしてきた。
特に、恋愛の話はよくした。(男同士なのに 笑)
髪の毛が増えたことと関係あるかは不明ですが、
彼女もでき、37歳の時に結婚した。
結婚式、前日、
僕は10年ぶりに、Nさんにちょっとカッコつけた髪型のオーダーをした。
僕「ナチュラルで、オシャレな感じにしてください!」
Nさんが、うれしそうな顔をした気がした。
〜完〜