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私はあなたがハゲても好き。 【パッピーエンド】

当時25歳の僕は、薄毛が気になっていた。

僕は、顔はいたって普通。
しかし、オシャレに気を配り、モテようと必死だった僕には、彼女がいた。

「私は、あなたがハゲても好き。」

この言葉に、どれだけ救われ、
そして悲しんだことだろうか・・・





「母方の祖父がハゲていたら、75%ハゲる」

これは遺伝の法則に基づいた、避けられない宿命

僕の5歳年上の兄は、30歳で、“つるっパゲ”だ。小さい頃から、「そっくりな兄弟ね」と言われてきた。

僕がハゲるのは、ほぼ確定だろう。



壊れることなど想像もしたくない、大好きな彼女との日常。

「俺が、ハゲたらどうする?」
「そんなの関係ないよ!」「ハゲても好きだから、大丈夫だよ!」

時は過ぎ、3年後の28歳。
僕は、ハゲ散らかし始めていた。

しかし、僕は、彼女からもらった、勇気づけられる言葉で救われていた。

彼女との恋愛は、順調だった・・・はずだった。


突然、彼女から別れを告げられた。

「優しくない」

それが、理由だと言う。



「悲しさを乗り越えるには、新しい恋愛だ!」
そう言い聞かせ、まずはハゲを治すことを決意。


パソコンで、ハゲを治す方法を、検索。

すると、衝撃の事実が・・・



映し出された、検索履歴。

彼氏 ハゲ

別れた理由は、優しくないところ

ハゲが嫌だったのだろう・・・



「俺の半分は、優しさだぜ」

“デブだがモテる” 友人のTはこう言った。

「モテるには、バファリンを目指せ!」

僕は、優しさを磨いた。



彼女と別れてから、7年間、新たな彼女はできなかった。


しかし、発毛活動と優しさ強化運動は、続けてきた。
そして、35歳の時、転機が訪れた。


毛が生えてきた。

ハゲから復活したのだ。


その一年後、新たな彼女ができた。

「僕のどこが好き?」
「優しいところ」

優しさ強化運動の成果だろうか。



彼女との交際は、順調だった。

しかし、その一方で、油断。
徐々に、発毛活動に手を抜くようになってきた僕は、再びハゲ出した。

「ハゲてきたね」

「・・・ハゲたらどう?」

「性格が好きだから付き合ってるの」
「ハゲてもあなたが好き。」

そういうと、彼女は僕のハゲを見て、キャッキャと笑っていた。

結婚する人って、きっとこういう人となんだろうな。

半年後、私は結婚した。


ハゲたからこそ、優しくなれた。

最愛の妻と出会えた。

「ハゲてもあなたが好き。」

妻のこの言葉は、心から信じることができる。


〜完〜

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