青空と太陽に愛される南欧の家
陽光にかがやく白壁や瓦屋根。「南欧風」「プロヴァンス風」として親しまれ、注目を集めている南欧風住宅について深掘りしてまいります。
■ そもそも『南欧』とは、『プロヴァンス』とは。
『南欧』とは、ヨーロッパの南部地方一帯。フランス南部、モナコ、スペイン、イタリア、ギリシャなど地中海に面した美しい景観と豊かな自然に囲まれたリゾート地をさします。
インテリア雑誌などによく登場する『プロヴァンス』とは、フランス南東部、ローヌ川からイタリアの国境にかけての地中海に面する地域のこと。夏は陽射しが強いものの、湿度の低いサラリとした気候で過ごしやすいのも特徴。煌めく太陽と青空に恵まれた海沿いの街に建ち並ぶ、味わい深くかわいい家たちが南欧住宅なのです。
■ 陽気な気候のもとで暮らす人々がたどり着いた家
南欧住宅は、陽気な気候や人々の気質が反映されているせいか、あたたかく開放的な雰囲気。
・塗りむらも味わい深い漆喰の壁
・あたたかみのある色合いの屋根瓦やテラコッタタイル
・自然を連想させるカラーで統一されたインテリア
・玄関扉や窓のアーチの曲線美
など、そのひとつひとつが居心地が良く、くつろいだ空気をつくり上げています。その背景には、何百年も受け継がれる伝統的な建築方法があります。
■ 守るための強さと、白の風合いのヒミツ。
壁に使用されている漆喰もそのひとつ。
古くからレンガや石積みの壁の家がつくられてきた南欧では、家の強度を増すために壁材を漆喰で仕上げる方法が定着しました。ヨーロッパでは漆喰の原料となる良質な石灰が豊富だったことから、漆喰技術が育まれたのでしょう。
■ 世代を超えて引き継がれる屋根瓦は、家の誇りです。
『褐色の屋根瓦』と『白壁』のコントラストも特徴的です。素朴な素焼き瓦を使用するのがプロヴァンス風ですが、南欧では屋根瓦はその家の誇りでもあり、何世代にもわたって大切に引き継がれていきます。
年月を重ねることで色が変わったり、苔が生えたりすることで、まるで紅葉した葉が重なるように味わい深い屋根へと変化していきます。
■ 自然だからこそ、美しくはぐくむ素材たちの味わい
『漆喰の壁』や『素焼き瓦』だけでなく、南欧住宅は建具やインテリアにも自然の素材が使われています。木の扉や梁、無垢材やテラコッタの床、天然石のタイルなど、年月を経ることによって味わいが深まっていく『経年美』を楽しめるものばかり。
門扉やフェンス、照明器具には南欧の伝統工芸であるロートアイアンが取り入れられることもあります。
豊かな自然とともに生活し、先祖代々受け継いだ家や家具を補修しながら使う。流行に左右されるのではなく、愛着を大切にする。何百年も受け継がれてきた、人々の知恵とぬくもりのある暮らしこそが、南欧住宅のもっとも大きな特徴かもしれません。
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