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人と比較し続けた人生から解放された今日までのこと【9】


33歳の今、人と比較することを辞める術を見つけて、人生で1番体が軽い。

今日までのことを、ここにつらつらと書いていこうと思う。

【1】はこちらから


翌日、親友は私の家にいた。

京都から東京まで、遠いに決まっている。
それなのに、すぐに駆けつけてくれたのだ。
せっかく東京に来たのに、彼女は観光に行きたがることもなく、ただただ私のそばにいて、いつも通りに接してくれた。

一緒にいた時間は、氷の表面が溶けていくような感覚があった。
ほぼ死んでいたのかもしれない。
少しずつ体温を取り戻した気がした。

私は彼女に命を救われたのだ。

「そんな会社はすぐ辞めなさい」
彼女は真っ直ぐに私を見てそう言った。
私もそうすべきだと思った。


少し体調が戻ってきてから、私は転職サイトを眺めた。

何もやる気が出なかった。

その時にはもう、彼女以外の人と話すことがあまりできなくなっていた。
あれだけ好きだった接客業の求人にも、全く魅力を感じなかった。
私の世界はいつのまにか灰色になっていた。


長い時間ネットサーフィンをしている中で、たまたま「ストレングスファインダー」というものに出会った。

自分の強みがどこにあるのか、自分の性質はどんなものなのかを知れるというものらしい。※もちろん宣伝でもなんでもない

ストレングスファインダー®とは、米国ギャラップ社の開発したオンライン「才能診断」ツールです。

https://heart-lab.jp/strengthsfinder/

時間が余っていた私は、ぼんやりと口コミを見た。
就活において、入社後のアンマッチを防ぐために活用する人が多いようだった。

もはや私にやりたい仕事なんてなかったが、これ以上自分の能力とかけ離れた場所にいてはいけないことは、本能的なアラートが教えていた。


半信半疑ながら、なんとなくやってみた。
ものすごく時間がかかった。
休んでいる間に脳みそが錆びついたようだった。
以前にも増して随分頭の回転が遅いのがわかった。

何も長けている部分がなさそうだと思ったが、一つだけとてもスコアが長けた部分があった。

それは「着想力」だった。

ストレングスファインダーで見る
「着想」は、一見無関係な情報から新たな視点を生み出す才能です。

(頭の中でつながるため)常に新しいアイディアや解決策が湧き出す
(一般的な考え方からズレるため)盲点を突いたアイディアを提案する
(変わったことが大好きなため)これまでにない革新的な創造性をもたらす

https://coaching.kosgis.com/column/strengthsfinder-ideation/


向いている職業は、企画職とのこと。
もちろんやったことはない。
興味も別にない。

それでも、もう何も残っていなかった私は、とりあえずこれを鵜呑みすることにした。
何かを熟考する脳の容量はとっくに失っていた。

企画職の求人を見つけ、応募した。

ここからやっと、徐々に私は私の人生を取り返していく。

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