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『春、戻る』瀬尾まいこ

<内容>

 和菓子屋の山田さんとの結婚を目前とした主人公さくらの前に、「お兄さん」を名乗る男が現れます。しかし、さくらには妹以外の兄弟はいません。マイペースですぐに周りと打ち解けてしまう一回りも年下の「お兄さん」と過ごすうちに、さくらの記憶がよみがえってきます。
 「お兄さん」の作るおいしそうな料理がたくさん出てくるのも魅力。

<おすすめポイント>

・温かい気持ちになれる。
・人とごはんを食べたくなる。
・読みやすい。
・平和的な気持ちで読める。

<感想>

  瀬尾まいこさんの本は温かい気持ちになれるところが好きだ。瀬尾さんの小説は一見、「そんなことある!?」となる設定も多い。この本を読んでも、「お兄さん」とさくらを取り巻く人々が素敵だなと思うと同時に、実際に「お兄さん」を名乗る人物が現れたら怪しすぎて、とても受け入れられないと思う。でも、瀬尾さんの人物描写によってさくらの日常になじんでしまう「お兄さん」の人懐っこさが際立ち、「お兄さん」のペースに巻き込まれるさくらのように読者も「まあ、そういうこともあるか」と思わされてしまう。人との関係が希薄になりがちな昨今だからこそ、おすすめしたい。

<今回読んだ本>

題名:春、戻る
作者:瀬尾まいこ
出版:2014年
発行:集英社


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