事業概要|経歴・資格・経験を書くー書く時に意識したいポイント
事業計画書の項目の一つ「事業概要」には代表者の経歴・資格・経験を書く。
今回は融資や技術協力など他人に見てもらうために事業計画書を作る場合、「経歴・資格・経験」の項目は何を意識して書くべきかについて考えてみた。
他者に見せるための事業計画書は、いわば「武器」だ。
ただの箇条書きになりがちなこの項目も、ちょっとアピールポイントを変えるだけで全体の戦力を高めることが出来る。
事業計画書の冒頭で「お?コイツ気になるな」って思わせてやろう。
このnoteの目的は「宇宙一楽しく事業計画書を作成するために必要な考え方や知識をシェアすること」です。比較的小規模な起業、創業に挑戦しようとしている人に役立ててもらえるような記事作りを目指します。
相手はどこを重視するのかを知ろう
自分の確認用に計画書を作成する場合と違って、今回は「相手の視点」を意識したいところ。
「相手」とは、大きく「金融機関」「技術協力者・社」「一緒に働く仲間」に分類でき、相手によって「特に知りたいこと」が違う。
■「金融機関」が特に知りたいこと
・返済能力
・事業の成長性、成功可能性
・リスク対応力
・財務に関する経験、知識など
■「技術協力者・社」が特に知りたいこと
・事業の成長性、成功可能性
・リスク対応力
・代表者のそのビジネスに関する経験(経験に基づく考え方など)
■「一緒に働く仲間」が特に知りたいこと
・事業の成長性、成功可能性
・リスク対応力
・代表者自身の経験(経験に基づく考え方など)
このうち、事業概要の「経験・資格・経歴」で対策できるのは太字の部分しかない。
つまり「相手」は「太字の部分」を知ることで安心したいんだ、と理解しておけば、「経歴・資格・経験」の項目で戦闘力をあげることが可能になる。
相手側の事情も頭に入れておこう
起業や創業、若しくは新規ビジネスを始める時は「自分」のことで頭がいっぱいになりがち。
相手の事情も頭に入れておけば、相手を安心させ、いち早く協力を得ることができる事業計画書をつくることができる。
「金融機関」側の事情
金融機関の命題は「金融機関の成長・発展」。融資した後に得られる利息を使って、融資や投資に回し金融機関を成長させる必要があるのだ。
そんな命題に「私はとてもお役に立てますよ」と思ってもらえるような「経歴・資格・経験」を特にアピールしたいところ。
■アピール内容の具体例
経理に関する経験、財務諸表に関する知識や分析力、簿記などの資格
「技術協力者・社」側の事情
「技術協力者・社」の命題は「自社サービスを提供して対価を得て、社会貢献すること」。つまりこれから起業・創業したり、新規ビジネスを始めようとする僕達と同じ命題を抱える。
「技術協力者・社」に「ぜひ一緒に働きたい」と思ってもらうのに「経歴・資格・経験」でアピールすることは難しそうだけど、これは「逆に自分だったらどんな人に協力したくなるかな」と考えることで解決だ。
■アピール内容の具体例
自分が始めたい事業のためにとった具体的行動、これまでの経歴、経験の中でその事業に活かせそうな知識や技術、相手の技術に関して学んだことなど
一緒に働く仲間の事情
あまり事業計画書を作って仲間を誘う人ってあまりいないように感じるし、代表者の「経歴・資格・経験」で「一緒にぜひ働きたい」と思ってもらうことは難しそうだ。
「個人の時間」の価値が急騰している現代。もし事業計画書で仲間を募りたいなら「個人の時間をこの代表者になら捧げる価値がありそうだ」と思ってもらう必要がある。
■アピール内容の具体例
自分が始めたい事業のためにとった具体的行動、これまでの経歴、経験の中で特に大事にしたい考え方や、逆に「これは間違ってる」と思ったことなど、代表者の人柄が感じられる部分
「未経験」は嫌がられる。でも・・・
前職とまったく関係の無い未経験分野への参入の場合、特に金融機関で融資を依頼する時に、「失敗する可能性が高い」と思われて嫌がられる傾向にあるらしい。融資の判断基準は金融機関や担当者間でも意見がわかれるところだろうけど、未経験が「不安要素」の一つであることは間違いないみたい。
そんなときは事業概要以降のページをこれでもかって位充実させて挑もう。
事業計画書は事業概要のほかに「ビジネスモデル・プラン」「市場分析」「資金計画」のパートがある。
作りこみに時間がかかるかもしれないけれど、その分説得力が増す。未経験だからこそ「これだけ勉強してこれだけ準備しましたがまだ何か言いたいことありますか?」ってくらいの度胸で臨もう。
そのために僕は事業概要の以降のパートの作り方や考え方について、未経験分野への参入でも相手に安心して認めてもらえるような事業計画書の作り方をまとめていく。なんか燃えてきた。
まとめ
今回は経歴・資格・経験といった事実を書くだけの項目でも「他者に見せるために意識したいポイント」を強調することで、計画書全体の戦闘力を上げる考え方をまとめた。
紀元前5世紀の中国春秋時代ですでに孫子先生は「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と、戦における「敵を知ることの重要性」を説いてくださってる。「相手」を知り、対策を練って相手の懐に飛び込んでやろう。