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初キャンプ、自転車ライドつき@軽井沢

実はほぼ初めての、宿泊キャンプ(→不安)

趣味の自転車仲間たちと、7月22日、23日の週末に1泊2日で軽井沢へ。
今回は各自が車か新幹線輪行で移動して軽井沢で集合し、自転車でグラベルライドを楽しんだあと、キャンプ場にてバーベキューしてテント泊という、盛りだくさんの企画だった。
インスタグラムではよく夫婦や仲間と畑で焚き火をしている写真をアップしたりしているため、周りの人からは“キャンプ慣れしてる人”みたいな誤解を受けたりするのだが、実はまともな宿泊キャンプは今回が初めて。
夫は子どもの頃からときどきキャンプしていたらしく、畑でもキャンプしたい!キャンプしようしようとずっと誘ってきていたのだが、
道具をそろえたり、行った先で設営したり、片づけたり、料理したり、帰ってきてからも道具を洗ったり干したり…なんだか大変そうと、正直なところあまり気が進まなかった。
それでも、畑で焚き火をして焼きイモを食べたり、仲間と集まってデイキャンプしたり、なんてことをやっているうちに面白くなってきて、次は宿泊かな…と、気持ちが動いていた。
そんな折、自転車仲間から軽井沢でキャンプ&ライドをやろう!と誘っていただき、夫婦で参加することに。

寝袋を購入し、テントはレンタルに

テントはキャンプ場で格安で借りられることがわかり、レンタルに決定。寝袋は冬の間から欲しいとは思っていて、どの寝袋にするかを悩みすぎて買えずにたのだが、今回は夏の軽井沢。
真冬以外の3シーズン使えて汎用性が高く、いざとなればバイクパッキングもできるぐらいコンパクトになるモンベルのダウンタイプの女性用寝袋#3を購入した。

輪行&車載で軽井沢駅集合→ライドスタート!

夏の軽井沢は涼しくて、おしゃれでおいしいカフェや食事処も充実しているし、ロードバイクやグラベルバイクを乗りに行くには最高。
都内からのアクセスは、新幹線なら1時間だし、関越自自動車道は中央自動車道や東名高速道路ほど混雑がひどくなく、早朝に出発して夜帰ってくれば、比較的スムーズだ。
これまでも夫婦で日帰りやホテル泊ではよく行っていたこともあり、夫は自転車で走るルート作りを担当。念願のキャンプができることになり、ずいぶん前からウキウキと準備していた。
私の方は、日程が近づくにつれてちょっと不安になってきていた。テントなんて張ったことがないけれど、できるかしら? ちゃんと眠れるかしら…?

当日の天気は曇り。軽井沢駅に集合し、9時過ぎぐらいにルートをスタートした。軽井沢らしい別荘地を抜け、ゴルフ場の脇を上り、下って、砂利道へ。
鳥の鳴き声心地よく響き、地面は明け方の雨でしっとりと湿り、木漏れ日はチラチラとやわらかく輝いている。メイン通りから外れた人も車も少ないルートは快適に走れて、昨日までの都会の暑さが嘘のように涼しく、気持ちがよい。
今日はキャンプを楽しむというメインイベントがあるから、森の中にあるすてきなピザ屋さんでランチをとったあと、午後のルートはショートカットして短めに。
スーパー“ツルヤ”で買い出しし、キャンプ場に着いたのは、16時ぐらいだっただろうか。

不器用な設営、楽しい夜

キャンプ場では、前泊していた今回のリーダーの家族や、キャンプだけをしにきた仲間たちが、すでにテントの前にイスやテーブルを広げてくつろいでいた。
ライドは大人10人、キャンプは大人14人と子ども2人で、合計16人が今回のメンバーだ。
夫が駐車場に車を取りに行っていたため、私がレンタルのテントセットを受け取ったのだが、どうしたらいいか全くわからない…。先に張られていた仲間のテントを観察し、このシートが一番下なのかな…と広げてみたものの、途方に暮れてしまう。説明書もないし、テントの張り方を検索してみようか…などとモタモタしているうちに、設営が終わっている仲間が、手伝いに来てくれた。
「張り方わかんないよね? 私もわからなかったけど、こんな感じ?ってやってるうちにできたよ」と、分解されたスティック状のものをつなげていく。
長い骨のようなものができて、テント本体に通していくと、それらしい形になった。戻ってきた夫も一緒に、これはここかな?とあれこれやっているうちに、テントは完成。

車に相乗りして温泉に行って汗を流し、さあ、楽しい夜が始まる。

焚き火台に火をつけ、リーダーが仕入れてきてくれた肉を焼く。ライドの途中でたまたま出くわした市場で買った、地元産の朝採れキャベツとトウモロコシは、生のままかじっても甘くてふっくらやわらかい。
たくさんのビール。
あちらでもこちらでもおしゃべりが弾み、イスの上でうとうととし始める人もいる。子どもたちははしゃいでいたかと思ったら、ぐずって泣き出したり…。思い思いにリラックスしたときを過ごし、今日はあと、寝るだけでいい。

眠れない……

22時過ぎに、テントへ。新品の寝袋に、入ってみる。外は半袖では寒いくらいの気温だけれど、ダウンの寝袋に包まれるとさすがに暑く、ファスナーをあける。足先がとくに暑く感じて、足側からもファスナーをあけて、お腹のあたりだけがファスナーでとめられている状態にした。

落ち着かない。寝心地が悪い。どうやったら心地よく眠れるんだろうと、モゾモゾと色々動いてみるのだか、なんだかきゅうくつだ。テント用のマットは敷いてあるものの、ゴツゴツとした地面を感じる。まず、ジーンズをはいたままなのがいけなかった。ジーンズを脱いだら、少しゆったりする。

……眠れない。家のベッドとは、まったく違う寝心地に、どうやってリラックスしたらいいかわからない。寝袋に包まれているからって、手足は自由なのだし、好きに動いていいのだよな、と寝返りを打ってみたりして、いろいろな姿勢を試してみる。正解が見つからないまま悶々とし、枕元のスマホを睨む。見ないぞ、見ないぞと抵抗し、ついに観念して時間を確認したら、午前3時を回っていた。

深呼吸してみようか……。
そう、深呼吸。考えてみたら、ビルの上階にあるヨガスタジオでも、仰向けに寝そべり、「大地を感じましょう」と言われれば、本当に大地が感じられるような気がし、ウトウトとしてくる単純な私なのだ。本物の大地の上で、眠れないわけがないじゃないか。そんなことを心の中でつぶやいているうちに、眠りに落ちたようだ。

鳥の声とともに目覚める

5時に目覚ましの音が鳴る。サラウンドで鳥の囀りが聞こえ、テントの中が明るくなっている。なかなか寝付けなかったから、もう少し寝ようと、6時過ぎまでダラダラとしてから起き上がった。

よし、テントでの眠り方は心得た気がする。あとから考えれば、脱いだ衣類を枕にすればもっと快適だったはずだ。

外に出て、顔を洗い、ホットサンドとインスタントスープの朝食、コーヒー。
目の前に広がる緑と、仲間たちと、焚き火の跡と。のんびりと、ぜいたくな時間が過ぎていく。

ゆっくりと、片づけに取りかかる。
夜の間快適な気温だったテントの中は、もう暑くなっていた。いちばん下のシートは、露で湿っている。
それらを畳んで、キャンプ場に返却するだけでいいのだからラクチンだ。持ち帰って汚れを落としたり、干したりする手間がない。
「レンタルテント、便利でいいね!」と言ったら、自分のテントが欲しい夫はかなり不服そうだったけれど……。

ショートライド、そしてまた……。

キャンプ場をチェックアウトしたあとは、そのまま帰る人、カフェでのランチに直行するグループ、軽くライドしてからカフェに立ち寄るグループに分かれた。
私たち夫婦を含め、6人がライドグループに。

昨日より空が青いけれど、浅間山にはまだ白い雲がかかっている。緑が眩しい。
木漏れ日は少しコントラストが強くなり、アスファルトの地面は乾いていた。
上り坂をひと漕ぎひと漕ぎ、息を切らして上りきったあとは、風をきってぐんぐん下る。
自然に包まれていると、同じ景色には二度と出会えないのだということを実感する。だからこそ、いま、このひとときを、存分に味わっていたい。
きっとまた、どこかで、次のキャンプをするのだろうと予感する。少しずつ、経験が増えていくのだろう……。
けれど、テントの張り方がわからず呆然と立ち尽くしたり、寝袋の中でうまく眠れずにゴニョゴニョと動き回ったり、そんな初めての戸惑いを、忘れたくはないなと思って、一人ニヤリとした。






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