忍び寄る白い・・・

　真っ赤な輸入車に乗った女性ユーザーから「信号待ちなどで止まっていると異臭がする」との訴えがあり入庫した。

　整備士がこの訴えを聞いて原因として想像するのは生き物（〇体）である。

　もしそれなら仕事とはいえ、正直、嫌（笑）

　しかし、このときの異臭は『ビニール』の焼けたような臭いだというのでそこは一安心。

　早速、ピット（当時はまだあった）に真っ赤な輸入車を入れて私はピットの中に入り、異臭の原因を探した。

　結果として原因はほぼ黒こげになったビニール傘で、マフラーに巻きついていた。

　骨組みの金属が変形してマフラーに絡みつき、取れなかったようだ。

　骨組み金属を取り除き、へばりついた残ったビニールをスクレーパーなどでこそぎ落とすが、マフラーの残熱もあり、冷やしたほうが作業しやすいか？などと考えているとユーザーから「どれくらいかかりますか？」ってピット横にしゃがみこんで来て聞かれた。