ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第145わ「進展」
「私とて❝一ツ星❞の下積み時代があったのですよ?負傷した家畜の世話など慣れたものです。さてさて、まずは何から始めましょうか……」
……。
「お腹は空いてませんか?」
……。
「眠たくはないですか?」
……。
「……何かして欲しいことはありますか?」
……。
「了解しました。流動食を流し込まれて気絶するように眠りたいのですね」
用を足したい。自力で立ち上がれないので誰かに助けて欲しい。
「何ですか、トイレに行きたいのなら素直にそう言えばいいのに……」
その前に身動ぎするだけで全身に激痛が走るので何とかしてほしい。ていうか完治するまで気絶するように眠っていたい。
「それはダメです!いいですか?この休暇が終われば今までの対戦相手のような有象無象は駆逐され、強敵との連戦が待ち構えているに違いありません。ダンナと私の心が通い合わなければ、とても勝てないでしょう」
吸血女の顔が近い。
「私達、今より仲良くならなければいけません」