コミュ障で社会に適応していない私が今までの人生を振り返る壮大な自分史(30)
中学に入学した私は、何か部活をやらなくてはという使命感に駆られ、とりあえず陸上部に入ります。
小学校時代はソフトボールチームとサッカーチームに所属していましたが、どちらもそこまで上手だったわけではなく、中学での練習についていけるとは思えませんでした。
いろいろな部活を検討した挙句、練習がそこまできつそうではなく、走るだけなら自分でもできそうという理由で陸上部を選ぶことになりました。
走り幅跳びを選んだ理由
陸上部は大きく短距離と長距離に分かれています。
小学生のころから持久走が苦手だった私は迷わず短距離を選びました。短距離の中でも種目が分かれており、ライバルが少なく自分でもできそうな走り幅跳びを選択しました。
走り幅跳びには各学年2人ずつくらい先輩がいましたが、上下関係もそこまで厳しくなく、和気あいあいとした雰囲気の中で楽しく活動していました。
小学校時代の友人がうざかった
練習もゆるく、優しい先輩に囲まれた部活動でしたが、一つだけ嫌な要素がありました。それは、小学校時代の友人M君と一緒に活動しなければいけなかったことです。
M君とは小学校時代からの友人で、同じソフトボールチームに所属していました。私もM君も6年生までベンチで、同チーム内でも一緒にいる時間が長かった友人です。
しかし、当時の私は何も考えずその場の流れで行動しているM君のことを快く思っていませんでした。
M君が陸上部に入部して走り幅跳びを選んだのも、私がいたからだと思います。M君は入部を決める期限のぎりぎりまで迷って、結局私のいる選んだ風に感じました。
M君とは同じクラスで同じ部活。クラスにいるとき、M君は他のクラスメイトと一緒になって自分の悪口を言ってきたので、なおさら腹が立っていました。
記録会の面白さ
野球部やサッカー部と違って、陸上部には他校との練習試合がありません。その代わりに、春から秋にかけて地域の運動公園で記録会が開催されます。
この記録会は単なる練習試合ではなく、県大会の標準記録を突破すると県大会に出場することができます。自分の記録は標準記録に程遠いものでしたが、いつかはその記録に近づけるかもしれないとワクワクしたものです。
記録会は春から夏にかけてほぼ毎週のように行われていました。記録会に行くこと自体が楽しみで、遠足気分で運動公園に行っていました。
100メートル走に転向
1年夏の総体まで走り幅跳びの選手として活動していましたが、秋から100メートル走に転向しました。理由は、陸上部の中で1番100メートル走が速くなったからです。
これは自慢のようになってしまいますが、1年の夏に大した練習をしたわけでもないのに急成長を遂げました。
その後200メートル走の適性にも気づき、記録会では100メートル走と200メートル走の2種目でエントリーするようになりました。
200メートル走の面白さは、コース前半に登場するカーブであり、ここをどう乗り切るかで直線でのスピードのノリが変わってきます。カーブを上手くこなし直線に入ったときの快感がクセになりました。
後の箱根ランナーと同学年!!
実は、同学年の長距離に、後に國學院のランナーとして箱根駅伝に出場するH選手がいました。H選手は市内で1、2位を争う存在で、1500メートルや3000メートルでは決まって上位に入賞していました。
彼は3年の夏に全国大会に出場し、その後陸上の名門校に進みます。陸上部を引退した後も校門の周りを走っている姿を見かけることがありました。引退後もしっかり練習を重ねたからこそ、後に箱根駅伝で走ることができたと思います。
練習が嫌いだった
走り幅跳び、100メートル走、200メートル走、いずれも楽しいと思って活動していました。しかし、練習は大嫌いでした。地道にコツコツ練習とか自分の性に合わなかったのです。
練習は友人や先輩としゃべって時間を過ごすことが多く、記録会と大会だけ本気を出していました。もちろんそのスタイルで成績が伸びるはずもなく、記録は頭打ちになっていました。それでも練習する気力は起きず、奇跡が起きて県大会に出場できればいいなレベルで考えていました。
2年の夏で陸上部を辞める
2年の夏になって退部を決断します。退部を決めた理由は、顧問が変わって練習をきっちり行う方針に変わったことです。何となく続けていただけなので、向上心がありませんでした。そのため、みっちり練習して成績を伸ばそうという考えについていくことができませんでした。
結局のところ、陸上に本気で打ち込むことができなかったのです。部活を続けている学生の中にも、何となく入って惰性で続けている人はいると思います。何となく続ける中でやりがいを見いだせればそれに越したことはありませんが、特に見つからず練習がきついと感じているのであれば辞めるのも一つの手だと思います。
高校生になってからもう一度陸上にハマる
高校生になって、全中(陸上の全国大会)や世界陸上を観るようになりました。現役時代は進んで陸上の技術を学ぶことはありませんでしたが、引退してから観戦が楽しいと思えるようになりました。
ソフトボールの時もそうですが、自分がプレーヤーの時は工夫して自分のスキルを高めようという考えはありませんでした。しかし引退して外から競技を見つめると、スキルや戦術について考えることの面白さに気づけたのです。つまりスキルや戦術には興味あるが、それを練習して自分の技として習得することには興味がないのだと思います。
野球や陸上は、練習方法や戦術が分かったとしても、実際に体を動かさないとレベルアップすることはできません。そのため、自分にスポーツは不向きだと感じています。
オセロや将棋はコマを動かすための練習は必要なく、頭で戦術を考えれば強さに直結します。そのため、私にはボードゲームが向いているのでしょう。
もちろん、陸上部に入ったことを無駄だとは感じていません。記録会や大会で競う楽しさを味わうことができましたし、陸上に興味を持つきっかけにもなりました。
新年度を迎えるこの季節、中学や高校で何部に入ろうか迷っている人は、とりあえず自分のできそうな部活を選んでみるのがおすすめです。何となく始めたことでも学べることはたくさんありますし、自分でも気づかない才能を発揮できるチャンスになるかもしれません。