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薬師池公園「旧荻野家住宅」医院兼用住宅として東京有形文化財指定

旧荻野家住宅は、江戸時代末期に医院兼住居として建てられたものです。

もともとは町田市三輪町にあったものを、昭和48年に町田市の所有となり、現在地の町田市立薬師池公園に移築されました。

農村部の民家ですが、「旧荻野家住宅」は、格式が高い家に用いられる入母屋造りです。
入母屋造りは、屋根に三角形が現れ、寺院の本堂に用いられる一般農家に比べて立派で格式が高いことを表しています。


茅葺き屋根の建物は一見、当時の一般的な農家と変わりがないように見えますが、間取りや建具等に町家に近い特徴が認められ、また繊細な意匠の施された室内は家格の高さを感じさせます。

一歩中に入ると、4つの部屋と土間からなり、調剤室として使用されていたと思われる部屋には薬棚が残り、そして、他の部屋では診療が行われていました。

医院としての面影を今もなお色濃く残していて、改修されたところもあまりなく保存状態もいいため、数少ない医家の例として貴重なもので、東京都の有形文化財にも指定されています。



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