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同人誌のデザイン始めました(vol.8 前編)
今回は同じ作家さんの小説本2冊。12月のイベント合わせの新刊と既刊の再販。
それぞれ時代背景もテーマもだいぶ違うのですが、作品ごとのイメージは違えどサークルカラーは共通するよう心がけました。
※Noteは1作目は前編、2作目は後編と記事を分けております。
制作を始める前に(ご希望内容)
1.本のサイズ、カラー、P数、背幅(わかれば)
↓
文庫とA5で悩み中
2.表紙に入れる要素
↓
タイトルと作者名以外はこだわりなし。
3.希望するイメージや使いたいフォント等あれば
↓
人物絵は入れない(顔は見えない)、じっとりとした感じがいい。
4.ご使用の印刷所とご利用予定の紙など
↓
未定のため相談したい
5.希望納品日
↓
12月のイベント合わせ
(お話をいただいたのは1年前の12月、
実際に動き出したのは新刊が6月、再録本が10月頃でした。)
<補足>
前回のNote(vol.7) https://note.com/carplabo_design/n/n641629576ad1にも少し書かせていただいたのですが、同人誌をデザインするにあたって、デザイナー側から印刷所や紙の種類・印刷加工などに関わるのは、予算や部数などセンシティブな部分にも触れることもあるため、基本的にはノータッチとしています。
今回のご依頼主様はデザインの発注以前から交流があり、プライベートでご一緒する機会もあったので、少し突っ込んだ相談も行いましたが、基本的には印刷形態等(初回に質問している内容)は決めていただいてからご相談いただく形になるとは思います。
全体の方向性を決める
相談の結果文庫サイズに決まり、サイズ的に表紙に本のタイトルと作家名、
裏にCP名と小説タイトルを入れることだけ決めデザインにかかります。
作品のイメージの単語をいくつかいただき、
その中でメインのお話にある「藤の花」をチョイス。
ざっくりと配置から決めます。
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切ないお話が多かったので繊細な雰囲気にしたく、
タイトルをグラデーションでずらしたりしてました。
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「じっとり」という注文でしたが、作品は透明感を感じる綺麗なお話でしたので、落ち着いたトーンで推しカラーのグラデーションを入れ、タイトルはセリフ体で大人っぽい印象に。イラスト入りと文字ベースの2パターンご提案させていただきました。
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藤の花のイラストはイラレの線画だとこの本には味気なく思い、クリスタで作成。作家さんにお見せしたところパターンAに決定。
目次、扉の作成
今回、目次や扉のデザインも一緒にさせていただくことになったので、表紙のデザインを土台に中のデザインも行います。
雲のデザインをベースに、表紙に使用したフォントで小説のタイトルを記載。イメージに統一感を持たせます。
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扉・章扉は作家さんとお話をした際「ぐるっと枠で囲んだデザインより、一部抜けている方が好み」とのことで、雲のグラデーションとタイトルでシンプルに。
目次は見開きなのでスカスカに見えないよう小説タイトルを少しずつずらして配置。表紙用に描いたイラストで未使用のものがあったので小さく配置しました。
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最終的に印刷はキラキラとした質感の紙を使っていただき、上品な仕上がりにしていただきました。
(後編参照)https://editor.note.com/notes/n287eaf631b83/edit/
英字タイトルのデザインがちょっと苦手なことと、「どんなデザインでもきっと好きですから!」という言葉がプレッシャーになり(汗・結構あるあるです)、アイデアが出るまで時間がかかった思い出です。
後編へ続く
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