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チームをどうしていきたいか、自分で決められないリーダーの奮闘

こんにちは、自分史コンサルタントの阪井です。阪井は普段、ノート3冊分の自分史コンサルティングやMYパーパスに関するワークショップなどを通じて、人生を自分自身で乗りこなす人生エンジンを手に入れるためのお手伝いをしています。
 
今回は、阪井のコンサルを受けてくださった方のお話しです。
 
その方は、大手製薬会社の支社長をされている方でした。営業出身で、これまでもご自身の営業成績も良く、チームを任されれば部下の面倒もよく見て、チームの売上も伸ばしてきました。でも、支社長になった途端、突然部下がついてこなくなってしまいました。
支社の人間関係も、どこかぎこちなくなり、雰囲気がよくありません。支社の売上もその状況を反映するように、停滞してしまっていました。
そんな田中さん(と、ここではお呼びします)、現状を抜け出したくて、今までを振り返り原因を探るつもりで、阪井のコンサルを受けてくださいました。
 
田中さんが阪井の最強の価値観とMYパーパスを見つけるコンサルを受けてくださって、まず気づいたことは「自分の意志を明確に示してこなかった」という事実でした。
部長までは、社の方針に従って、目の前のことに対処していれば、部下は頼りにしてくれましたし、自分の経験も役に立っていました。部の目標やスローガンも、基本的には会社の方針と同じ。なのに支社長になった途端、同じことやっているはずなのに、うまくいかない。それは、組織のトップとして、「自分はこういうことを大事にしている」だから、「こんな支社(組織)をつくりたい」と表明できない自分に、部下がどう賛同・共感していいいかわからなかったからだと、気づいたのです。
 
支社長は、本社の方針がベースにあるとしても、支社は一つの会社と同じですから、その支社をどんな支社にしていきたいのかということを決め、全員と共有する必要があります。そうでなければ、皆同じ方向を向いて進んでいけないからです。それはチームというレベルでも同じことが言えますが、支社ともなるとチーム以上にその方針による影響が大きくなります。支社という組織のトップがどんな考えを持っていて、どういう想いで組織を牽引しているのか。やはりそれは社員一人ひとりのモチベーションや気概、そしてエンゲージメントにも響いてきます。
田中さんは阪井のコンサルを受けて初めて、自分が仕事、そして人生で大事にしていることがぼんやりしていただけでなく、言語化できていないことに気づきました。そしてそれが、部下にとっては自分の意志がない、日和見などの印象を与え、「部長のときはよかったのに、支社長になったらダメだった」という評価に繋がってしまったです。
 
田中さんはこのことに気づいてから、時間をかけてできるだけ、直接自分の想いを伝える時間をつくるようにしました。自分が製薬会社での仕事を通じて、どんな風に社会に貢献していきたいのかという大きなビジョンから、その部下と一緒にどんなことを実現していきたいのかということまで、根気強く話しました。
その結果、半年かかりましたが田中さんの支社はみごと業績も持ち直し、社内の雰囲気や働きやすさという面でも、本社から高い評価を受けることができました。
 
田中さんの場合のように、立場が変わると今までとは同じやり方ではうまくいかないことも、多くなります。ですが、自分が仕事を通じて大事にしたいことは、変わらないはずです。肝心なことは、それが明確であることと、言語化できていることで、自分以外の人と話しあえるようになっているのか、という点なのです。


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