【コラム】『マツケンサンバⅡ』の歌詞を本気で読み解いてみる
先日の記事で、Mr.Childrenの歌詞を深く読み解いてみました。
やっぱりミスチルは、読めば読むほど発見があって奥深い。よい試みでした。
ただ、ふと思ったのです。
ミスチルはそりゃ読み解きがいあるさ。
だけど逆に、「あんまり深く考えてなさそうな曲」の歌詞を、真剣に読み解いてみたらどうか。それはそれで何か発見があるかもしれない!
日高屋で冷やし中華餃子セットを食べながら、ふとこの考えが降りてきました。凡人に降りてくる啓示なんてこんなもの。
ということで今回対峙するのは、
日本音楽史に残る"キングオブ深く考えてなさそうな曲"、『マツケンサンバⅡ』です。
コラボ案件なんかで最近良く聴きますし。
この曲の歌詞を、めちゃくちゃ本気で読み解いてみたいと思います。新しい世界を求めて。
ちなみに今回は、金色着物の健さんや女中ダンサーズなど、あの奇天烈なミュージックビデオの世界観は考慮しません。
あくまで、純粋に、歌詞の文字だけと向き合って、その内容を読み解いていきたいと思います。
どんな歌詞だったか振り返りたい方のために、以下歌詞を貼り付けます。しっかり覚えている方は考察部分まで飛んでください。
◾️『マツケンサンバⅡ』歌詞おさらい
叩けボンゴ 響けサンバ
踊れ南のカルナバル
誰も彼も 浮かれ騒ぎ
光る 汗がはじけとぶ
熱い風に 体あずけ
心ゆくまで踊れば
波も歌うよ 愛のサンバを
胸にあふれるこのリズム
※オーレオレ マツケンサンバ
オーレ オレ マツケンサンバ
あぁ 恋せよ アミーゴ
踊ろう セニョリータ
眠りさえ忘れて 踊り明かそう
サンバ ビバ サンバ
マ・ツ・ケ・ン サンバ オレ!
叩けボンゴ 響けサンバ
踊れ南のカルナバル
夢のように 時は過ぎて
はずむ南の 恋の夜
灼けた素肌 肩を抱いて
愛をささやき踊れば
白い渚に 恋も輝き
風に誘われ歌いだす
※繰り返し
改めて意味不明ですね。腕がなります。
では早速、読み解いていきます。
◾️歌詞を読み解く!
まず、歌詞はどんな状況を描いているか。
そのまま考えると、みんなでサンバを踊っているという状況ですよね。だけど今回は、より細かく考察していきます。
まず歌詞の特徴として一番に挙げられるのが、入り乱れる諸国の文化でしょう。
メインの「サンバ」はご存知のようにブラジルの民族文化ですが、それ以外にもたくさんの国の文化が登場します。
【ボンゴ】キューバなど中南米の民族楽器
【オーレ】スペインのフラメンコ文化から。「カルナバル」もカーニバルのスペイン語
【ビバ】イタリア語で「万歳!」的な意味
このカオスな内容に、「矛盾だ!」とツッコむ人も多いみたいです。
しかしこのグローバル社会で、いろんな文化が混在している状況は別に珍しくもないでしょう。「オーケストラ歌舞伎」なんてのもある世の中だし。
ですので、あくまですべてを受け入れて歌詞の状況を考えてみたいと思います。
皆が集まる名目は「サンバカルナバル(カーニバル)」への参加。
しかしその中には、ボンゴを叩くキューバ人や、フラメンコを踊るスペイン人、テンションMAXのイタリア人など、いろんな国の人が各自の文化を持ち寄って自由に楽しんでいるのでしょう。
メインはサンバだけど、決してサンバを強要しない、持ち込みオッケーで自由度の高いイベントなんだと思います。
素敵じゃないですか。
では、このサンバカルナバルはどこでやっているのか?
場所のヒントになりそうなワードを抜粋します。
・光る汗
・熱い風
・南の恋の夜
・白い渚
"南"の"白い渚"とあるので、おそらく場所は砂浜だと思われます。時間は夜。"踊り明かそう"とあるので、一晩ずっと続くんでしょうね。ハードなイベントです。
"光る汗"もひとつヒント。汗はそれ自体で光らず、時間帯は夜なので、何か強めの光に照らされていると考えるべき。そのあとに"熱い風"とあるので、ガンガンに火を焚いている可能性もあります。
夏の夜の砂浜で、火を焚いて踊る。
字面だけでもうしんどいですが、イベントのハードさを考えるとそれくらいやりそうです。
では、この歌詞の語り手は誰で、どういう立場なのか。これを考えていきたいと思います。
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