コロネロ.Mの読書記録
有馬哲夫著 ディズニーランドの秘密 新潮社
何を隠そう、私はディズニー好きである。私の妻も好きで、年に数回は泊まりがけでランドとシーの両方に行く。最も、妻に言わせてみれば私の「好き」はにわかファンレベルで、本当のディズニ好きとは言えないらしい。まあ、最近までアドベンチャーランドとウエスタンランド、クリッターカントリーの違いがよく分からなかったから、当然なのかもしれないが。
という事で、いつまでもにわか、にわかとバカにされるのは癪なので、この本で勉強してみようということで、手にとってみた。
この本は、なぜウォルト・ディズニーさん(以後ウォルトさん)がディズニーランドを作ったか?を彼の幼少期のバックボーンから説明している。
実は彼は大の鉄道オタク(通称鉄ちゃん)で、それもただの鉄ちゃんではない。
当時の彼は映画会社の社長をしていたが、彼の部下が退役した機関車を手に入れた(この時点で既におかしいが)と聞くと
「えー、めっちゃいいなあー。つーか、部下のあいつが持っていて俺が持ってないのは、おかしくね?」
ということで、自宅に線路を引き、自分も退役機関車を手に入れて自宅でドヤ顔で走らせるという、オタクぶりを発揮していたという。
ウォルトさん世代の人々にとって、機関車とは懐かしさというもの以上の意味があったらしい。何せ、まだゲームなんてもちろんない、テレビだってなく娯楽が少ない時代の幼少期に東の方から煙を吐きながら来る機関車は、子供心にワクワクの塊だっただろう。
この経験から、ウォルトさんは子供たちももちろん楽しめるけれど、我々世代の大人が子供時代に戻って、懐かしさに浸れる場所を作りたい、という思いがあったそうだ。これが、ディズニーランドの原点らしい。
だから、当社日本にも作るという話が出た時、ウォルトさん自身は反対だったそうだ。何せ、アメリカ人の懐かしさの感覚を日本人が理解できるかと言えば、難しい。後、奈良ドリームランドだかいうディズニーランド模倣版を作った(ウォルトさんは許可してないそう)件でかなりのご立腹だったこともあったそうだが。
まあ、そこから現オリエンタルランド加賀見会長の尽力もあって、日本にも作られることになったそうだ。
なので、日本とアメリカだと少し違うし、イメージとしてはアメリカのものを日本風にアレンジしている感じだ。いい例が、タワーオブテラー。アメリカのものは呪いの偶像なんて出てこないし、そもそもの話自体が違う。
考えてみれば、呪いの人形って日本のホラー話の定番だよね。
あと、有名な話だが、日本のディズニーランドはアメリカの運営会社直での運営ではない。これは、世界で日本だけで香港、上海、パリは全てディズニー社直営だ。なぜならば、最初はそこまで日本で大成功する予想なんてなく、リスク回避のため、フランチャイズ経営方式にしたのだ。しかし、蓋を開けてみれば大成功、世界で2番目に収益の多い遊園地となっている。その要因は、お土産。日本人は昔から旅行に行くとほとんどの人がお土産を知人に買っていくから、その売り上げがバカにならなかったそうだ。海外の文化ではあまりなかったそうなので、ディズニー社の幹部は直営にしなかった事を激しく後悔したそうだ。
この本を読んでから、また行きたくなった・・・。ウエスタンリバー鉄道に乗りたいな・・・・・。