オリジナリティと模倣
ども、か~まいんです。
今日はものづくりをしている時に、必ず一度はぶち当たるテーマについて少しだけ。
ハンドメイド界隈で少し前に「オリジナル論争」がよく勃発ししていました。(今でもあるのかしら?)
正直な感想を言うと、完全に一から作品を作るのではなく、市販のパーツを組み合わせて作品を作る中では、デザインの似た作品が出来るのは当たり前のことだと私は考えています。
ぶっちゃけ、大手メーカーの気の利いたパーツに、メーカー側が最初から相性がよくなるように作ったパーツを選択して組み合わせれば、誰でも似たようなものが出来上がります。
技法についても、実用新案レベルの内容でもないかぎり、これだけハンドメイドを楽しむ人口が増えている中では、同じような手法が生まれるのは、ある意味しかたがないことでしょう。
それを逐一、模倣だ盗作だと騒ぎ立ててエネルギーを無駄に消費して、挙句の果てに、創作意欲がなくなりましたので製作を辞めます、という方の姿をみると、この場では表現しづらい複雑な気持ちになります。
極端なことを言えば、故意に他の人のデザインを真似てアクセサリーを作った場合でも、相手がデザインの意匠権を登録していない場合、または芸術品として著作権が認められているような場合や大手ブランドのような周知の事実である場合等を除き、道義的な問題以外は発生しないということです。
例えば、自分が頑張って考えたデザインと全く同じデザインの物を作っている方を見つけたとして、それが偶然であるか故意であるかを区別する意味は全くありません。
偶然か故意かはっきりさせろ!と騒ぐ暇があったら、新しく次の作品に取り掛かるか、意匠登録をしているのであれば法的措置をとるべきでしょう。
とは言うものの、偶然か故意かにかかわらず、イベントで自分と同じデザインの作品を目をするのは、あまり良い気持ちではないことも理解できます。
以前、私はちょっと気の利いたセッティングに、特徴のあるカボションをセットした指環を作り、次のイベントでの販売を計画していました。
その矢先、ある大手の通販サイトに、全く同じデザインの指環が新作として販売されているのを見つけてしまいました。
販売のタイミングから考えて、私と同じ仕入先で購入した素材を同じように使った偶然の出来事かと思います。
さきほどの論理でいくなら、私には法的にも道義的にもなんの問題もありませんので、そのままイベントで販売することも可能でしたが、私はその作品を自分用に1点だけ残して、あとは廃棄しました。
これは無用なトラブルを避けるための、私なりのリスク管理の方法です。
くだらない盗作騒ぎになるかもしれない危険を、廃棄コストによって回避したということですね。
ただ、ここで私が反省すべきことが1つあります。
それは、新しい資材が販売された直後に、それを使って誰もが思いつくようなデザインの指環を作ってしまったことです。
特徴的な素材になればなるほど、合わせることができる素材は限られてきます。
せめて販売時期が大きく異なる資材を組み合わせればよかったのですが、現行品で収まりの良いものを選択した結果がこれでした。
例えば、1つの作品の中で、複数のメーカーの素材を組み合わせることを意識するだけで、他者と同じデザインになる確率はぐっと下がります。
メーカーが(意識させないように)用意している、取り合わせの良い資材から目を外して、少しマイナーな素材や異素材の中から、自分が身に着けたいと思う組み合わせを見つけだす。
実はそんなささやかな事から、オリジナリティの一歩が始まるのだと思います。