移動記 202408(後編)

前編のつづき。

8/14(7日目) 本八戸→泉外旭川:北海道&東日本パス

八戸フェリーターミナルからバスと八戸線を乗り継いで八戸へ。駅併設のホテルの朝食バイキングでスープカレー以来の飯。これがせんべい汁とかもあって結構よかった。
八戸から大湊線の往復(乗りつぶし)を挟んで青森へ。市内にあるアイス・ジェラート百名店2店舗を巡りつつ青森ラーメンも……と思っていたが、ラーメンは2件連続でお盆特有の臨休を食らい、3件目でようやく開いている!と思ったら思いのほか提供が遅く、食べるのを諦めて駅に戻る羽目に(お金は払った)。先に青森を発車して弘前から折り返してくるリゾートしらかみを川部で捕まえ、五能線経由で追分まで。五能線は2回目か3回目だし、天気も芳しくなかったのでとにかく時間が長く感じられた。追分からはこれまた乗りつぶし目的で、男鹿線に乗り換えて男鹿へ。
この日、男鹿では男鹿日本海花火が開催されており、帰宅需要を見込んだ臨時の快速列車(全席指定)が設定されていて乗りつぶしには絶好のタイミングだった。花火を眺めたり、屋台を覗いたりして時間をつぶし、普通列車待ちの行列を尻目に悠々と臨時快速に乗車。先ほどまで乗っていたのと同じリゾートしらかみ・くまげら編成で秋田の一つ手前、泉外旭川へ。
泉外旭川駅から30分くらい歩いたところにあるユーランドホテル八橋(やばせ)で一泊。ホテルを名乗っているが24時間営業のサウナが併設されており、そちらに宿泊。リノベされて日が浅いようでなかなか綺麗だったのと、食堂の夜鳴きラーメンが意外と美味かった。

8/15(8日目) 泉外旭川→仙台:北海道&東日本パス

例によって始発で移動開始。大曲からは新幹線でしか通ったことのなかった田沢湖線に初めて在来線として乗車し、盛岡へ。
盛岡で福田パンの本店まで歩いてまたしても臨休にフラれるなどしたのち、今回の移動のメインイベントのひとつとも言える観光快速「陽菜ひなび」に乗車。途中、遠野市内にある眼鏡橋と呼ばれる有名な鉄道橋を通過するのだが、全くの偶然でフォロワーがその通過の様子を撮影していた(お互い4日後は金沢にいるはずなのだが……)。釜石からは三陸鉄道に課金して盛に抜け、佐々木朗希の母校・大船渡高校に行ってみたり、有名なハンバーガー屋さんに寄ったりしつつ、大船渡線のBRTで陸前高田へ。
陸前高田では3.11津波の遺構を見学。実は震災以来ちゃんと被災地を訪れるのは初めて(まだ避難区域だった頃の富岡を代行バスで抜けたことはあったが、それくらい)で、あまりの光景に圧倒されると同時に、こうして後年まで遺構という形で被害状況を保全することの必要性も感じた。
気仙沼行きのBRTに乗り直し、気仙沼線・東北本線経由で仙台へ。仙台では定宿といってよいサウナカプセル・キュア国分町に宿泊。

8/16(9日目) 仙台→春日山:北海道&東日本パス

チェックアウトしてシェアサイクルで仙台駅に戻ろうと思ったら、周囲のポートがもぬけの殻。慌てて最寄りの地下鉄駅にダッシュし、ギリギリで始発を捕まえ難を逃れる前途多難なスタート。
仙台から郡山まで南下したのち進路を西に変え、磐越西線を乗り継いで新津へ。この日は関東地方沿岸部に台風が接近していて影響が心配されたが、北上してくる台風をうまいこと躱すような形になった。
新潟での最初の目的地は岩室温泉近くにあるアイス・ジェラート百名店だったのだが、越後線で新潟を出たところで念のため臨休でないかチェックしようとすると、まさかの8月初旬で閉店との情報が。余談だがこれで去年の百名店発表から1年ちょっとで実に3店舗目の閉店。仕方なく新潟へ引き返し、信越線と上越線を乗り継いで次なる目的地であった小千谷へ。
向かった先は、私が世界一美味いラーメンと言って憚らないらーめんヒグマ小千谷本店。相変わらずの美味さで移動の疲れも吹き飛んだ。いかんせん場所が悪い(そもそも小千谷市街自体が小千谷駅から見て川向こうにあって遠い)のだが、チャンスがあればぜひ行ってみてほしい。
宮内まで戻り、青島食堂駅前店で再びの生姜醤油ラーメン。立て続けに食べると違いが感じられて良い(当然にどちらも美味い)。その後は信越本線で直江津へ。時間が余ったので上越妙高まで足を延ばして温泉に浸かり、春日山まで戻って快活泊。
快活に落ち着いて、翌日から使用する北陸おでかけtabiwaパスを購入……しようとしたところ、なぜか購入できない。よくよく調べてみると、3日前までしか購入できない切符だった。

8/17(10日目) 直江津→富山:北陸3県2dayパス

妥協案として北陸3県2dayパスを購入。幸い翌日の帰宅手段もまだ抑えていなかったので、敦賀まではこれで移動することとした。
この日は能登半島巡り。直江津まで30分近く歩いて始発に乗車し、泊、津幡と乗り継いで七尾へ。路線バスに乗り換え、1時間ほど揺られて能登島の最深部にあるのとじま水族館にたどり着いた。ここを訪れた最大の目的はクラゲの展示だったのだが、それ以外が面白すぎて時間を取られまくり、震災の影響で展示縮小中にも関わらず折り返しのバスが出るまでの1時間弱では全然足りなかった。次のバスが2時間後だったので泣く泣く切り上げたが、完全復活の暁には必ずもう一度行きたい。
そこから能登半島北部にあるジェラートの名店、マルガージェラートを目指し、和倉温泉駅からのと鉄道で北上。穴水からレンタサイクル……の予定が、穴水駅には貸出中止の張り紙が。もちろん道路事情を考えればやむを得ないのだが、ウェブサイトに普通に掲載されているからやっているものとばかり……。何もせずに戻りたくなかったので、目星をつけていた駅近くの寿司屋に行ってみたが、臨時休業にフラれ(これは震災の影響という雰囲気ではなかった)やむなく七尾までとんぼ返り。この戻りの列車はポケモンラッピング車両併結で、家族連れで大変賑わっていた。
七尾でアイス・ジェラート百名店のチェルキオに立ち寄り(安くて美味かったので、年甲斐もなくダブルをお代わりしてしまった)、津幡乗換で高岡へ。以前金沢在住のフォロワーに教えてもらったカレーうどん屋さんでようやく飯にありつく。一度金沢まで出て「20時の鼓門」に佇んだのち富山へ。津幡→高岡→金沢→富山と北陸3県パスを全力で無駄遣いした。
この日の宿は「北陸の聖地」とされるサウナ、スパ・アルプス。かなり年季は感じたが決して汚くはなく、確かによい施設だった。

8/18(11日目) 富山→広島:北陸3県2dayパス+α

この日の予定は金沢でのトークイベント参加のみ。朝イチから動く必要もないので、サウナに入り直し、食堂で朝定食を頂くなど優雅な朝を迎える。
バスで富山駅まで戻り、豪雨による氷見線・城端線運転見合わせの情報に肝を冷やしながら金沢へ。当日入りオタクとの合流前に、シェアサイクルで市内を縦断し金沢くらしの博物館を見学。単なる聖地巡礼の一環のつもりだったが、展示そのものも意外と面白かった。特に昭和の市内交通や鉄道に関する資料は一見の価値あり。
金沢駅に戻ってオタクと合流し、昼飯を済ませてイベントへ。トークショーの内容はTwitterに挙がっているレポを参照されたし。ひとつ言えることとしては、期待を優に上回る面白さで、あっという間の1時間だった。イベント後は金沢駅でオタクと別れ、いよいよ後は帰るのみ。完全に疲労感が上回っており、もはや連休が終わる寂寥感など感ずる余地もない。福井乗り換えで敦賀まで移動して金沢で予約しておいたヨーロッパ軒のカツ丼を受け取り、新快速で新大阪へ。新大阪で山陽新幹線に乗り換え。

……の、はずだった。高槻までは記憶があるのだが、起きたら淀川を渡っていた。新大阪での乗り換え時間は10分。まず大阪での折り返しダイヤを確認し、次にJR東海の列車位置情報を確認したが、定刻マイナス2分接続に対して、博多行き最終はぴったり定刻で走行していた。終わった。帰れない。

しかし、私はもはやこの類のやらかしに慣れてしまった。テンパったのは起きた後の一瞬だけで、博多終をジャーしたことを悟るや否や「A.大阪に泊まって翌朝新幹線」「B.大阪から夜行バス」「C.広島まで行って一泊して始発新幹線」「D.広島まで行って夜行バス」を脳内で比較検討し、早く帰れて出費も少なく済むDを選択。折り返して新大阪に着き、博多終が接続待ち等せず発車済みであることを確認して夜行バスを予約。自分でも嫌になるような冷静さだった。
よりによってのぞみが全車指定の期間であったため座ることもできず、デッキで広島へ移動(もう来ねえだろと思って岡山で空席に座ったら普通に怒られた)。大きなため息とともに、夜行バスで家路についた。

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