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【0日目】サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼ポルトガルの道 Lisboa→Porto 出発の地へ
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SIGMA dp3 Quattro ƒ/8 1/60 50 mm ISO 200
おことわり
2023年の5月に巡礼路を歩いた記録を1年後に同日付でアップしています。当時の記録に加筆して旅を振り返ります。
巡礼旅の先輩に出会う
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僕はすでに宿(Independente Príncipe Real)に2泊していた。ドミトリーは天井の高い部屋に3段ベッドを入れてあった。男女ミックスルームで、アメリカ人や南米人3人組などが同室で後に韓国人の若い女性が入った。
この韓国人のイニョンは偶然にもコンポステーラ巡礼の経験者だった。しかもなんとフランスの道で飽き足らず、ポルトからのポルトガル海岸路も踏破していた。それでさらに驚くのは7日間で歩いたというのだ。最低でも10日くらいという道をだ。アプリの行動記録には50km超の平均歩行距離。
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スポーツとかやっているのかと聞いたら「特には」というので、世の中にはすごい人が居たものだと驚く。
彼女が言うには2ヶ月の旅でパリから入り、巡礼を2回して、リスボンを周り、バルセロナから帰るという。お互いに良い旅をと言って別れた。
旅の先輩に会えたことは心強かった。現実感が出てきた。
この電車であってますか?
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8:45
慌てて宿を出て、フニクラ(ケーブルカー)の道を降りる。メトロの青線でレスタオラドーレスRestauradoresから終着サンタ・アポローニャSta.Apoloniaへは一本。
9:00
地上に出ると駅舎内で、お目あての列車が停まっていた。売店で水を買い9:30の出発まで列車を遠巻きに見ていたが乗り込み可能のようで、乗って待った。
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「この列車でいいのかな?」
プラットフォーム3で車両の番号も合っているとは思うのだが、何かと不安なものである。後ろに座ったイギリス人グループがこれであっているのかとか話しだしたので、
「お宅らはどこに行くのですか?」と聞いてみたら。
「ポート」だという。
それが英語話者が発音するポルトだと認識するまでに一瞬戸惑ったが、行き先はたぶん合っているだろうとお互い確認しあった。いや、半信半疑であることには変わりがないのだが。
鉄道自体に乗ってみたいというのもあって、都市間特急のチケットをオンラインで購入をしていた。
CP - Comboios de Portugal
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リスボン(サンタ・アポローニャ駅) 9:30 - 12:52 ポルト(カンパニャン駅) 所要3時間22分
座席上の番号がどちらの座席を指しているのか分からず端から数えて確認した。そして間違っていた。自分の座席はよく見ると車両中央にある対面席の通路側だった。
やがて男女が向かいに乗ってきて、また別の駅で男性が僕の隣に座った。ふと見ると車両は満席であった。
車内でアルベルゲ(巡礼宿のことをアルベルゲAlbergueという)のホームページから今夜のベッドを予約してみる。返事はない。
11:35
コインブラで大勢降りた。若者たちは学生だろうか。
12:52
ポルトの街が見えてくる。深い谷の対岸に坂の町が広がるさまには息を呑む。
なぜこんなところに街を作ったのだろうと思わずにいられない。
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地下鉄の切符
ポルトの地下鉄のきっぷはゾーン制になっていて、ゾーンをまたぐと値段が変わる仕組みのようだ。観光客が着くたびにそのことを知らない、蒙昧の徒があたふたする。
僕も様子がわからず3つある販売機の列に並ぶ。駅員が、説明してくれるがクレジットカードが受け付けられないようだ。どうもこれはややこしそうだと思っていると、列の後ろにいた青年が見かねて手伝ってくれた。しかしながらその説明は、「そこはオレも分かっているんだよ」という歯痒さ。振り切って現金受付の機械の列に並び直して、自己解決。青年がチップを要求してきたので、断ろうかと思ったが、揉める元気がないので、50セント渡した。昔のバックパックを担いでいた頃の自分なら、相手にもしなかったろう。50過ぎの男性一人旅についてしばし考える。
思い起こせば、巡礼ウォークを思い立ってひと月あまりで、ポルトガルに来ることができた。東京からドバイ経由で、リスボンに着き、宿で2泊。出発の地はポルトにした。日本を出るまではひょっとするとリスボンから歩くのもありか?と考えていたのだが、時間との相談でポルトからにしたのだ。ポルトガルの道、海岸路(Caminho Portugues Costal)は初心者向けの道と聞く。
宿問題
ポルト・カンパニャンPorto Campanhã駅からカロリーナ・ミシャエリスCarolina Michaelisへ。
13時過ぎに巡礼宿Albergueに着いてみると、ちょうど巡礼者の年配のおじさんが扉の前にいて、張り出した紙を指差して14時半までお昼休みだと嘆いている。そういやポルトガルは昼休み長いのだったと過去の記憶をたどる。おじさんは「もう少し行くか」といった感じで、すぐに別れを告げ去っていった。切り替えの早いおじさんだ。
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さて、電車の中で携帯からこの巡礼宿にオンラインで予約を申し込んでいた。
こちらは予約が通っているか知りたいのだが、張り紙をよく見ると"We are full today"の文字が。
嫌な予感がする。時間を持て余すのでしかたなく巡礼手帳(クレデンシャルという)をもらいにカテドラルまで1kmほど歩いてみることにした。
ツーリストインフォメーションでことの顛末を話してみる。
「アルベルゲが休みで返事がもらえてない。僕の予約は含まれているのだろうか知りようがない」
電話して聞いてもらえないだろうかと思ってダメ元で聞いてみたが、「公衆電話ならサン・ベント駅にある、携帯のチップを買えば?」とのこと。当然の対応。今日日こんな携帯もってない人など想定してないのだろうな。
さて、このままでは埒が明かない。電話して聞くしかない。
自分はデータシム(eSim)に変えていて、通話ナシなので、ローカル電話ができない。普通携帯で国際電話すると1分100円から200円の範囲といったところだろう。
(参考)Docomoでは滞在国への通話80円、日本へ280円、第3国280円、着信110円いずれも/毎分。2024年現在。
先方が「調べるから待って」なんて言って待たされたら適わないなと考えて、二の足を踏んだ。ひとまず、まだ時間も来てないしメールでも打ってみるかとホームページに行くと、電話番号欄にWhatsApp+**********と番号が書いてある。WhatsAppで電話番号登録し、通話してみると果たしてつながった。
困ったときにもやり方があるものだ。
案の定ちょっと待ってと言われて、しかしすぐに確認してくれて、「今日はすでに予約がいっぱい(booked full)であなたの場所はない。連絡遅れて"I am sorry"ということだった。答えが出たことともさることながら、ねぎらいの言葉があったことがホッとした。
さて、ということで、市内のホテルを探し手近な場所へ。4人部屋のドミトリーで32€もするというのだから観光客が多いのだろう。寝屋を確保できただけで御の字だ。
Hostel in Porto, Portugal - The perfect place to stay (bestguesthostel.com)
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部屋には女性が一人いた。ルルというメキシコ女性で、男性の僕を見てここは男女混合部屋(Mixed Room)か?と尋ねてきた。多くのドミトリーは女性部屋を用意していたりするが、とくに記述がないということは混合部屋なのだろう。
彼女がオンライン通話を始めた。子供に変わると英語になったのでアメリカにいる親戚とでもはなしているのだろうか。
レセプションの子はなにかと声をかけてくれて和む。しかしクレジットカードを受け付けてくれないのはなぜだろう。ホテルの構えなので当然受け付けてくれるものと思っていた。
あの、あれ、例のやつください
話しは前後するが、歩き始めを明日と決め、早朝の出発なのであらかじめ巡礼手帳を手に入れるべくカテドラルへ行った。
売店でモジモジしながら「あのーあれ、ハンコ押すやつ」みたいなことを言ったら、最初からそう分かっていたのだろう、すぐに出してくれた。2€。
この巡礼手帳のことをクレデンシャルCredencialという。この言葉を知らないと僕みたいにまごつくとこになる。大事なので二度言うがこれがクレデンシャルだ。
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ここでは中身について触れないが、クレデンシャルについては必ずこのページを読んでおくのが良い。いわゆる巡礼の100kmルールなどと共に心構えについて書いてある。中世から続く、旅の安全パスポートである。
The Credencial: Pilgrim’s Reception Office (oficinadelperegrino.com)
入手先もここでわかる。
旅の始まりの景気づけに
サン・ベント駅で地下鉄のチケットを買い、トリンダーデTrindadeで乗り換えてブリト・カペーロBrito Capelo駅へ。場所的にはマトジーニョスMatosinhosだ。海岸通りに店舗を構える魚介料理Don Peixe(ドン・ペイシェ)へ行く。その名も「ドン魚」というド真ん中な名前のレストランだ。早い晩ごはん。
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魚の焼き物に行きたいところだが大きさに躊躇して、タコの炊き込みご飯のハーフにしておく。なかなかの大きさでお腹いっぱいになった。
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37€。旅がはじまる前夜の食事だ。ささやかな贅沢を味わう。
おことわりその2
今回の旅では写真も撮ろうと意気込んできた。メインのカメラはSIGMAのdp3 Quattoroだ。foveonセンサーという入射光を垂直に捉え3原色を解像するという見た目も構造も一風変わったカメラだ。カメラと写真については後の回でも触れることになる。foveon撮影のものにはできるだけキャプションに加え撮影情報も付記する。ことわりがなければ携帯カメラ(GooglePixel4a)のものとなる。
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