【1日目】サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼ポルトガルの道 Porto→Vila Chã 大西洋ジョーク
20230518
起床後ポルトの町を散歩する。カテドラルの下町から坂道をゆくと街を一望できるところに出くわしたりもする。写真を撮っていると第一巡礼者の青年が現れた。どこから来たのか不思議だが、この早朝にポルトについたのらしい。聞けばファティマから巡礼を始めたという。
携帯をかざしてパノラマを収めているといると、彼も僕のマネをして写真を撮り、風景をたっぷり観察していった。
何気ない会話によれば「できるだけのんびり歩きたい」という。言葉に偽りはないのだろう。旅のはじまりに良いアドバイスをもらう。僕もそうありたいと思う。
現金引き出し難民となる
どうしたことか、クレジットカードでの現金引き出しができなかった。今後のことを考えてユーロの現金が欲しかったのだが。現金が引き出せないことは前にもあったような気がする。町中のATMを片っ端から回ってみる。銀行の相性の問題だろう。
ATMを見るのも嫌になるほど巡った。お金を引き出せない。
しまいに、銀行に入ってなんか手段はないのかと対人で聞いてみるも、「機械でやってくれ」との返事。
さんざん巡って諦めて、サン・ベント駅のホームにある両替屋で旅行ポシェットにしまい込んであったなけなしの$US200ドルを換金する。175.40ユーロになった。巡礼宿はクレジットカード払いという訳にはいかないだろうから、現金が尽きるようならホテル泊を重ねるかという判断を迫られた。あと日本円が2万円くらいあるか。
よく考えてみよう。巡礼宿へのドネーション(宿代は寄付として扱われる)が10€なら2週間は持つだろう。
できるだけ現金は節約だ。
ポルトからサンティアゴ・デ・コンポステーラへ
10:00
さて、そろそろ旅立つ。
出発のカテドラルで飛行機雲が盛大に十字を切っていった。
カテドラルを背にしポルト市公園(Parque da Cidade Do Porto)方面へ歩き出す。銀行巡りなどの所用のため町を出たのが午前10時になろうという時間だった。
東京で会ったことのあるポルトガル人のアーティストのアトリエを通過。昨日たまたまメールが来ていて、展示をやっていることが書いてあったので、この偶然に訪ねてみようと思った。しかし住所間違いで展示会場じゃないところに出てしまった。諦めて先に進む。
旅のファッション
バックパック一つに風呂敷をサコッシュにして歩いた。ポイントは晴雨兼用傘。スタイルが出来上がるのはもっと後のことなので、また触れたい。
道しるべ
黄色い矢印がいたるところにある。道しるべを頼りに260Kmの旅が始まる。
ポルトの空港は町の北にあるため飛行機が飛んでいく。それにしてもカテドラルの上空の十字といい、この矢印といい出来すぎた演出を福音として受け留めることにする。
ここでここから行く、道のりを見ておく。南から北に向かって一直線のルートだ。主に海岸を行くつもりだ。
大西洋ジョーク
海岸沿いの街をゆく。アンジェイラスの浜Praia de Angeiras。ちいさな漁師町でおじいさんたちと話す。中に齢92歳と言う人がいた。僕にも話しかけてくれた。ブラジルで学んだポルトガル語のおかげで、土地の言葉でコミュニケーションが取れるのはこの旅のアドバンテージである。と、ここまでは思っていた。
しかしおじいさんたちの会話はさっぱりわからなかった。
まったく聞き取れずにいると、近くの家にいたおばさんが「ブリンカデイラ(冗談)よ」ワッハッハという。この女性はその92歳のおじいさんの娘だそうだ。
ひとつ聞き取れたのがあった。「お前は子供がいるか?」というので、いますよと言うと「本当にお前の子か?」と真顔で言うのだ。面白いおじいさんだ。これが大西洋のジョークなのだろうか。
起きろ矢印、太平洋ジョークPart2
一日に歩く距離はどれくらいが適当なのかまだ分からない。体力も十分だが最初の投宿はヴィラ・シャンVila Chãにしておく。マトジーニョスの海岸で世間話に応じてくれたジョゼが強く勧めてくれた土地だ。
17:00 宿に到着。
Albergue de São Mamede de Vila Chã
レセプションで「私は巡礼者です。一夜のベッドを借りに来ました」とゆっくりと丁寧に告げた。どう話したらよいのかわからなかったからだ。すると終わりまできちんと聞いてくれて、ようこそと温かい言葉をかけてくれた。
説明を受け、ベッドへ。2段ベッドの上段。荷物を広げ、シャワーと洗濯。
洗濯物を干そうとするも洗濯バサミがない。宿屋の備品としてはたくさんあるのだが巡礼者が多くて出払っていたようだ。宿のボランティアであるアレシャンドラに予備があるかどうか聞く。ついでにポルトガル語でなんというか尋ねると「モーレシュ」だという。綴りはMolasか。なんとか洗濯物を吊るし終え、登山靴を日光に当てたりして乾かしてあげる。
ところで、それからアレシャンドラの顔を見るとモーレシュと言うのが口癖になった。
宿では来訪者に声をかけ「宿に来ました!」という体でfacebookに毎日写真を上げていた。僕も撮られることになった。当然、アレシャンドラの演出で洗濯バサミを持って撮ることになった。モーレシュをきっかけに仲良くなったためか、巡礼者の目印を模した矢印の編み物をプレゼントしてくれた。
聞けばレセプションのLuanaは娘だという。それで自分はボランティアで繁忙期に来ているのだ。お父さんは? と聞いたら「家だ」と言って笑った。
編み物をもらった記念に写真を撮ったらこの矢印がフニャリとしてたのでもう一枚撮り直し。「レバンタ(起きろ)!」と言うと、バカうけしてくれた。ノリが良いのだ。
巡礼レストラン
Restaurante CARAVELA
19:00
ルアナに教えてもらい近所のレストランへ行く。繁盛店で地元の家族連れなどがどんどん入ってきた。
ねぇマスター、(僕にも)作ってやってよということで、巡礼セット、9€でイカのトマト煮、Arroz e Batata(ごはんポテト付き)を注文。
ワインどころのポルトとあって、うまいワインがあるにちがいない。地元アルカ・ノヴァARCA NOVAというミニボトル。発泡性の甘いお酒をお供にもらう。