【#115】☀️ディワーニーヤに行こう
7月18日(木) 夜
クウェート南部スバーヒーヤ(صباحية)にある、アジーズさんの家に招待された。
今日はディワーニーヤである。
ディワーニーヤは簡単に言えばお茶会で、アラブ社会でもクウェート特有の文化だ。
特に今日行ったディワーニーヤは、バドゥの特徴がよく出ているものだった。
クウェート人(というよりもアラブ人は、)はハダルとバドウ(ベドウィン)の2種類に分かれる。
本来のハダルは、都市の定住民を意味した。
対するバドウは元々遊牧などを生業とし、荒野の中に住む人々だった。
現在のクウェートにおいては、全ての人が都市に住居を構えている。
逆にラクダを駆り、荒野にテントを張って生涯を終えるようなクウェート人は存在しない。
今日招いてくれたアジーズさんの職業はエンジニアである。
それでは、もはやバドウやハダルの実質的な区別はないのか?決してそんなことはない。
クウェート人の多くは、ハダル/バドウとしてのアイデンティティを持ち、その文化様式に従っている。
その一例はクウェート方言だ。使う語彙や、発音方法などにおいて、両者には明確な違いがある。
住む地域の違いもある。首都クウェート市とその周辺の住人は、大抵ハダルである。逆にクウェートの北部と南部の住人はバドウばかりだ。
スバーヒーヤは住民のほぼ100%がバドウの地域だという。
バドウはディワーニーヤ用の部屋もしくはテントを有する。
原則的にバドウは自らの住居に客人を入れない。その代わり、もてなしの為だけの空間を用意するのである。
下の写真はディワーニーヤ用のテント。
ディワーニーヤではお茶やコーヒーを飲みながら、夜遅くまで語り合う。
アジーズさんは、ガフワ・シャンマリー(قهوة الشمري)を振る舞ってくれた。
シャンマリーとは部族の名前で、ガフワはコーヒーという意味のクウェート方言。
すなわち「シャンマリー族のコーヒー」の意味である。
作ってから飲むまで1日寝かす必要があるという。
炭のような匂いがする。
酸味と苦味が強いが、後味が非常にさっぱりしている。
ディワーニーヤでは、夜遅くなってからご飯を食べる。
私にとってディワーニーヤは、目新しい体験というよりもむしろ、落ち着いて話し合う場になりつつある。
一年の留学を経て、クウェートの文化への理解はかなり深まったように思う。