音楽ライセンスに重要なメタデータ

日本のシンクロ(動画との同期)ライセンス事情には詳しくありませんが、アメリカ(+欧州) での映画・TV・広告等のシンクライセンスについて少しずつ知識が増えてきました。やはり権利収入の中で一番大きく&早く取れるのはシンクだと思います。前払いのシンクフィーの他、テレビなどで放送された時のパフォーマンスフィー(演奏権)とDVDなど複製からで発生するメカニカルフィーなど、露出の拡大以外にも大きな機会の一つです。

最近ではトップスターだけのものではなく、様々なメディアがあるおかげでインディーアーティスト・ライターにもシンクの機会が増えています。そのようなアーティストのためのライセンスプラットフォームも多く出てきていますし、実際日本人バンドや歌手の歌を探しているというシンクもよく聞きます。

その中でどこのプラットフォームでも強調しているのがメタデータの重要性。ライブラリー(曲のカタログ)のデジタル化で探している感じの曲をすぐに見つけられるようにするのにますます必要になってきています。曲のジャンルやムードはもちろん、歌詞やISRC, 作家のIPIなどのデータもすぐに提供できる準備をしておけるといいですね。シンクの機会はものすごくスピードが速いのでスーパーバイザー(映画等で入れる曲を選択する人)が求めている時にすぐ提供できるかがキーです。また、彼らが一番気にするのは権利のクリアランス(全ての権利者からライセンスの許可をもらう事)がいかにスムーズかということ。スーパーバイザーがメジャーのレーベルやパブリッシャーに曲を探しにいくのはそういう権利関係がクリアですぐに対応できるからです。要は誰から許可を得て、誰に払えばいいのかがはっきりしてればいいので、セルフアーティストなら大体本人ですし、払う場所(著作権管理団体)を提供できれば演奏権も自動的に入ってきます。

ちなみに演奏/録音権を委託する団体は世界中どこの団体に入っても大丈夫です。(日本人だから日本の団体に入らなければいけないというわけではない)出版側の使用料は委託できますが、作家分は基本本人が登録しないといけないので、ソングライターは少なくとも作家としてどこかの団体に登録しておくことをお勧めします。

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