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9月30日発売!御田寺 圭「フォールン・ブリッジ」社会問題の原因が自分にむけられる1冊。

御田寺圭さんという作家をご存じだろうか?

noteで白饅頭さんとして活躍されている方だ。

私は彼の本が以前から好きで、これまで出版された3冊とも本棚にある。

御田寺さんの面白いところは、なんといっても社会問題が自分事になるという点だ。

社会問題が自分事になるとはどういうことだろうか?

私はニュースで報道される殺人事件や、詐欺事件など他人事として扱っている。

でもよくよく考えれば人間同士が繋がって社会を形成しているので、社会の中で起きる事件などはわずかではあるが自分も関係しているはずだ。

その事件と私をつなぐまでの論理がとんでもなくうまいのが、御田寺さんだ。

最初は「そんなことないやろ!」と思いながら読み進めて気づけば、「自分も加害側なのかもしれない」そんな風に思ってしまう。

今回が紹介する「フォールン・ブリッジ」もそうだった。

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例えば本書に登場する2024年5月に起きた保護司殺害事件。

「この事件はあなたにも責任があるよね」と言われたらどうだろう?

「言っている意味が分からない!」となると思う。

でも本書ではその理由を丁寧に説明してくれる。

そして最後には「確かに加害側かもしれない」と思ってしまう。

御田寺さんからはそのきれいな論理を学ばせてもらうことができる。

なぜ子どもを持つ女性が働くようになったの?

本書のP224に文筆家の松井博さんのメルマガが引用されている。

少し長くなるので簡単にまとめるとこうだ。

「女性のジェンダー意識の向上に伴い女性の社会的地位も向上した結果、今のように男女ともに働くようになった」というのが一般論。
ところが「女性が社会進出した理由は国が税収を増やせるから」という説もある。女性が社会進出した結果、これまで男性だけが支払っていた所得税が倍になった。これは資本家と政府にとってはとても魅力的だった。

女性はフルタイム労働+育児で仕事が増え、男性もフルタイム労働+育児が当然視されて仕事が増えた。子供は1日に大半の時間預けられて、一番割を食った。穏やかな家族の時間も消えてなくなった。また、保育の外注化に伴い、育児コストが爆上がりした。少子化がガンガン進んだ。

フォールン・ブリッジ P224

陰謀論と言われるかもしれないが納得する部分もあった。

初めにいうと、私はこれまでの女性が差別される社会に対しおかしいと思っている、と前置きさせてほしい。

現代は女性の社会進出が進み男性と同じようにフルタイムで労働し、男性と同じように出世する女性が増えた。

これは本当に女性が望んでいた社会なの?

若い女性は働くことをどう思っているんだろう?

私はこのことがずっと気になっていた。私の会社には20代から30代の女性が多くいる。

先日26歳の女性の後輩にこんなことを言われた。

「男の人って大変ですよね。私は育休や産休で仕事から離れる期間が作れるのに普通の男の人はずっと仕事じゃないですか。これってしんどいと思うんですよね。私は女でよかったと思います。」

32歳の女性の後輩からはこんなことを言われた。

「私、女に生まれてよかったと思います。男の人みたいに出世を強制されてずっと働き続けるのってしんどいですもん。できることなら専業主婦になりたいなー。」

この2人は有名大学を卒業してある程度の会社に入って、順調に昇進もしている子たちだ。


noteの記事を読んでいると専業主婦の方の記事も拝見する機会がある。

専業主婦の方たちって最近後ろめたさを感じている人が多いように感じるのだ。

私が偶然目にしただけかもしれないが、働いていないことに対して何か後ろめたさを感じている記事をちらほら見かけることがある。

私が意図的ではないが、専業主婦の方をほとんどフォローしていないにもかかわらずだ。

男女平等を進めた結果、女性が労働市場に投入されることになった。

改めて「これって誰が望んだの?」と思う。

女性が労働市場に投入されると税収は増えるわ、時短家電が売れるわ、各種サービスも利用されるわで確かに政府と資本家にとっては都合がいい。

記事を書きながら先日読んだニュースを思い出した。

朝7時から子どもを登校させられるのは保護者としてとても助かるそうだ。

記事にはこんな保護者の声があった。

自由回答では事業を評価する意見が大半を占めた。「昨年度まで登校時間まで校門の前で子どもを並ばせていた」と明かし、「今は安心して朝から働ける」と感謝する声のほか、「事業がなければ勤務形態を変更するしかなく、ありがたい」「シングル(ひとり親)なので生活がかかっている。どうか事業継続をお願いします」などがあった。

私はこの記事を見たとき視界がグラついた。

これまでの日本はなんと豊かだったのだろうか。

女性が専業主婦で家計が回る社会ってどれだけよかったのだろう。

今の社会はなんというか、子どもがお荷物になっている気がする。

もちろん親たちにそんなつもりは毛頭ないのだと思う。ただ、親たちはもういっぱいいっぱいなのだろう。

もう少し考えを先に進めると、いっぱいいっぱいな親に育てられた子どもは果たして自分の子どもを作りたいと思うのだろうか?

親は自分を育てるためにフルタイムで夫婦共働きで、自分を少しでも早く学校に預けることをありがたがる。

その子どもはそんな苦労までして自分の子どもを育てたいと思うのだろうか?

勘違いしてほしくないのは、いっぱいいっぱいの親が悪いと言っているわけではないということだ。

親にそんなことを言わせる社会の仕組みがおかしくなってきていると言いたいのだ。

女性の社会進出を推進した人たちが望んだ社会は、朝7時から子どもを小学校に預けることに対し、「今は安心して朝から働ける」と言わざるを得ない社会だったのだろうか?

戦後日本の復興に尽力した私の祖父たちが望んだ社会は、朝7時から子どもを小学校に預けることに対し、「シングル(ひとり親)なので生活がかかっている。どうか事業継続をお願いします」と言わざるを得ない社会だったのだろうか?

ここまで読んで、「だから日本はダメなんだ。ヨーロッパやアメリカでは・・・」と思った人もいるかもしれない。

私が引用したフォールン・ブリッジP224の松井さんのメルマガはアメリカの話だ。

これは日本やアメリカという国の問題ではなくて、資本主義自体の問題なのだと本書を読むと理解できる。

さいごに

本書以外に御田寺さんは2冊出版されている。

2冊とも今の社会問題が自分事に捉えられるのはもちろんのこと、斜めから社会を見られるようになる良書だ。

気になった方は是非手に取ってくださいね!

私のリンクから買っていただければ最高に嬉しいです!🤣

おしまい!

今日の猫さん!


あずきのもっふもふのおなか!



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FIREサラリーマン みかん🍊ブログ
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