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28歳。会社からの理不尽な扱い。あなたにはどんな選択肢があるのか?

先日、怒りに任して恥ずかしい記事を書いた。

出来事をまとめるとこんな話だ。

28歳のA君という毎年部署異動を経験している後輩がいる。

彼は頑張り屋さんで私の部署で頑張って仕事をしていた。

毎年異動だとキャリアもクソもないので「今年こそはここで頑張って結果を出して成長したいです!」なんて言っていた。

そんなA君に出向の辞令が下された。

出向先は公募をしても誰も応募しないハズレの場所だった。

A君はめちゃくちゃ落ち込んでいた。

この記事を投稿した後日、A君をランチに誘った。

話を聞いていると出てくる出てくる。サラリーマンのイヤーな部分が。

A君は出向の辞令を役職が2つ上の上司から言い渡された。上司から言われた言葉はこうだ。

上司「会社の代表だな!おめでとう!」

A君としては心中複雑だった。また異動が確定したし、会社の中でだけ通用する何でも屋になってしまっているからだ。それに出向先は誰も行きたがらない場所。直属の上司にも報告したのだとか。

直属の上司「毎年異動は大変だけど出向ってすごいよ!おめでとう!」

不安な気持ちを上司たちに相談したかったA君は「おめでとう!」と言われ何も言えなかったそう。自分の不安な気持ちを押し殺し「ありがとうございます…。」と伝えた。

後日、人事部長との面談があった。その面談には2つ役職が上の上司も同席することになった。人事部長が来るまでの間、上司からこんなことを話したそう。

上司「なに話すつもりなんや?」

A君「不安な気持ちとか話そうと思うんです。」

上司「ネガティブなことを話すのはやめろよ。」

A君「はい…。」

もはや人間の皮を被ったなにかだな!

私はこの一連の話を聞いて目の前がグラついた。一体上司たちは何を考えているのか。人として大切なナニカが失われている気がした。

もはや人間の皮を被ったモンスターになっている。それは本人も気づかないうちに。

出向=会社の代表として選ばれた名誉なこと

上司たちの「おめでとう!」はこの固定概念がある。固定概念があると物事の本質が見えない。

今回の件で一番大切なことはA君の気持ちだ。出向に対してどう感じているのか?何が不安なのか?今後のキャリアをどう考えているのか?など聞く必要がある。

まずはそれを受け止めてから固定概念の話をするべきだと思う。

次に「ネガティブなこと言うなよ」はないでしょ。不安や怒り、悲しみなど押し殺してあなたはそのポジションに就いたのかもしれない。

その結果どうだ?目の前に落ち込んでいる部下がいるのに適切な言葉を掛けられなくなっているではないか。

「ネガティブなこと言うなよ」の裏側には「俺にとって不利になるからな」が入っているのではないか?

A君にとってベストなことを考えるのではなく、自分にとっての利益を考えているのではないか?私にはそんな風に思えた。

もちろん、人事にネガティブなことを言うとA君が損する可能性もあるかもしれない。でも今回は不安な気持ちを吐露してもいいと思うし、それでA君の気持ちが整理されるなら優先すべきことだと思う。

でも、決まってしまったことはしょうがないのだ。事実を事実として受け入れ、これからどうするかが大切になってくる。

そしてA君の場合は、28歳のタイミングで考えるきっかけを得られたのだから結果的に良かったかもしれない。

A君にはこんなことを話した。

会社と個人の利益が乖離し始めてきた

これまでの終身雇用・年功序列型社会では社員は会社の様々な部署を経験し、管理職となって会社全体のことを考えられる人間を育てる必要があった。

この人たちのことをゼネラリストと呼ぶ。この人たちは横に広く経験を積んでいるため漢数字の「一」型と呼ばれている。日本の古い会社は今でもこの人材を育てようとする動きがある。

最近ある変化が起きている。A君も知っての通り転職市場が活性化し始めたのだ。

転職市場で求められることは「あなたには何ができますか?」という会社全体の歯車の中にピタッとハマる人材だ。

ここで求められている人材は「一」型ではなく、ある分野に精通している「I」型だ。
※他にも「H型」などもありますが今回は割愛。

ここであることに気付くと思う。会社が育てようとしている人材と転職市場から求められている人材に乖離が生じはじめているのだ。

1年ごとに異動しているA君は究極の「一」型だ。Aくんは長期的に見れば会社で重宝されるかもしれない。様々な職場を経験しているのでどこに配属されても活躍できる可能性があるからだ。

一方で転職市場ではどう評価されるだろうか?「何でもできるようで何もできない人」いわゆる器用貧乏だ。

転職市場において未経験で転職しようと思うと35歳がひとつのラインだとされている。もちろん例外はあると思うので一般論だ。

これは私の今の問題として立ちはだかっている出産の問題と同じと考えていいかもしれない。出産は35歳を過ぎると高齢出産と言われ、さまざまなリスクが上昇する。

ひとつのラインが35歳なのだ。これを過ぎると機会が減少し始める。そして時間を巻き戻すことは出来ない。

A君がキャリアを考えるにあたり35歳のラインは考えた方がいいかもしれない。

そこを踏まえたうえで、どう考えるのか?これはA君に限らず世の若手サラリーマンが直面している問題だ。


今の会社で出世する

まずは今の会社で頑張る方法だ。

(会社と労働者は一定期間会社は給料を払い、労働者は労働力を提供するという雇用契約だけで結ばれている関係だ。世の中にはこのことを勘違いしている人が多いが、それ以上でもそれ以下でもない。)

A君は1年出向して、帰任して1年働くと30歳の年だ。

残りの10年間、会社で頑張りまくって評価をあげて、出世していくコースもありだ。うちの会社はホワイトでいい会社だからね。

10年間と書いたのは40代になると自分の出世の限界が見えるからだ。この辺りから現実を突きつけられてやる気を失うサラリーマンは多い。

A君の周りにもいるだろう。出世をあきらめた人。世の中には割り切れば出世しなくても楽しいよ!という人がいる。A君は同期なのに2つも役職が違っている先輩たちを見てこんなことを言っていたね。

「僕が出世していない方の先輩になると思うと不安でしょうがないんです」

私は出世するもしないも個人の自由だし自分が心地よい方を選んだらいいと思っている。ただ男はプライドの生き物でもある。同期が上司ならまだしも昔こき使っていた部下が上司になった時はどうなるんだろうね。

私は後輩が上司になってプライドがズタズタになり心を病む人を見たことがある。一方でその状況でも仕事をがんばって続ける人も見てきた。

どちらがいいという問題ではない。今のA君がどちらになりたいかの問題だ。A君は若いから自分の未来を選ぶことが出来る。

会社で出世したいのであればこれまでの3倍仕事を頑張る必要がある。

これまでの3倍学ぶ必要がある。

これまでの3倍人を引き付ける力を身に着ける必要がある。

会社で周りより出世するということは相対的な話だ。それは周りと比べて自分がどれだけ頑張るか、どれだけ評価されるかという比較の話だ。

だとしたら死ぬ気で頑張る必要がある。

もう一度言おう。どちらが正解ではない。A君がどうなりたいかだ。

ちなみに私はその無理ゲーからは早々にリタイアさせてもらう(笑)

極端なことを言うとサラリーマンはトップまで上り詰めなければ全員負けのゼロサムゲームだ。私はその環境で頑張り続けられる自信がない。

勝負する場所をずらしたいのだ。勝負するならプラスサムゲームの環境に身を置きたい。


転職市場を利用してみる

A君がどうしても今回の件が納得できなかったとしよう。その時は転職を考えるのもありだ。もしかしたら今までの経験からすぐにいい会社は見つからないかもしれない。

でもA君には最強の強みがある。

28歳という若さ
独身(どこでも働ける。転勤OK)
給料がまだ安い

この強みがあると転職できる幅が大きく広がる。家族がいて子どもがいて住宅ローンもあるから転職できなかった後輩もいた。彼の場合は転職をあきらめたものの今は前向きに頑張っているので全く問題なしだ。

転職活動がいい経験知として今の彼の仕事ぶりに作用している。

※この記事で書いた後輩だ。

A君は若くてしがらみがないので、未経験の転職の幅が一気に広がる。注意してほしいのはこの幅は年齢とともに少しずつ小さくなるという点だ。

その現実を直視しながらも今自分にできる最善は何か?と考えて行動してほしい。

これまで書いたことは労働者としてどうか?という点だ。私にはもう一つオススメがある。


投資家としてのキャリアをスタートさせる

これは裏技みたいなもんだ。世の中の人が市場価値や出世などに集中している隙に、投資家としてのキャリアをスタートさせるのだ。

A君は28歳独身なので良いパートナーと結婚すれば40歳の時点で3000万円ぐらいは余裕で到達できる。投資家側はめちゃくちゃおすすめだよ!

労働者と投資家は全く別物だからだ。労働者は時間を売って収入を得る。投資家はお金からお金を生み出す。

投資家としてのキャリアを堅実に築くと全く違う世界が見えるよ。今回の望まぬ出向なんて

「1年間遊びに行って金もらえるなら儲けもんだな。投資に回す額増えるからいいや」

と思えたりする。

上司たちが自分の評価を気にした立ち回りをしているのが滑稽に思えてくる。部下が困っているときに自分の利益はわきに置いて部下のことを考えた助言ができる。

労働所得以外の所得を得られるということはそういうことなんだ。労働者の時には見えてこなかった世界が開けてくる。

私はA君のような会社から理不尽な扱いを受けている人こそ、投資家としてのキャリアをスタートさせてほしいと思っている。

そしていつか言ってやるといい。

「アホらしいんで辞めますね。」

今回は長くなってしまったので投資家への道筋は別記事で書こうと思う。

おしまい!


こんな拙い文章を最後までお読みいただきありがとうございます!これからもサポートいただけるよう精進いたします!