取引先「もう一度癌になったら死を選びますね」
先日取引先の方と飲む機会がありました。
その取引先はAさん(社長)、Bさん(財務責任者)2人で会社を経営しています。Bさんは2年ほど前にリンパの癌のステージ1で、発覚してから数か月間治療を行われたそうです。
※癌の知識が無さ過ぎて確かリンパの癌とおっしゃっていたのですが、正しいかは分かりません。
Bさんは早期発見からの治療の甲斐もあって現在は通常通り仕事ができ、さらには飲みに行けるまで回復されました。
飲みながら治療の話を聞くとこれが相当つらかったようで、ステージ1で一気に治療をすれば治る可能性が高いこともあり、抗がん剤治療、放射線治療を入院しながら速いスピードでされたのだとか。
ちなみにこの取引先の2人は私が仕事で大変なときに何度も助けていただいた恩人たちです。私としては飲めるまで回復されたことが何よりうれしく、またAさんとBさんは社長と部下でありながら親友のような方たちだったので、Aさんが嬉しそうな表情をされていることも見ていて穏やかな気持ちになれました。
Bさんは関西の方なので壮絶な闘病体験も笑いを交えて話してくれました。
一通り話が終わったあとAさんがこんなことを話していました。
Bさんは「変に気を遣わないでくださいね。何でも聞いてもらっていいですよ」なんて言ってくれたので聞いてみました。
Bさんには奥さんとお子さんがいるので私は驚きました。一般的に本などで読む癌患者のイメージは「家族のために何としても頑張って治療する」といった、病気と闘う姿勢を見せる方が多いからです。
Bさんはご家族にもそう話しているのだとか。そしてご家族もBさんがあまりに辛そうだったのでBさんの決断を受け入れているそうです。
気になったのは「死を選びますね」とBさんが言ったときに、隣にいたAさんが辛そうな表情をされていたことです。
それに対しAさんは何も言いませんでしたが親友のようなビジネスパートナーがその決断をされたことに対し、まだ気持ちの整理ができていないように感じました。
私はもう一つ気になったことがあったのでBさんに聞いてみました。
Bさんの話を聞きながらこの本を思い出しました。
この記事で紹介した本なのですが、簡単な本の紹介です。
オーストラリアで緩和ケアの介護を長年行った著者は、患者が死ぬ間際に後悔することは5つのパターンに分けられると述べました。
通常の人が死を前にして気づくことをBさんは40代で若くして死に近づいたことで、意識されるようになったのかと思います。
せっかくなのでもう一つ聞いてみました。
Bさん昔からとても優しい方でしたが、優しさに拍車がかかっている…!
Bさんと話してみて人生はしがらみが多く「こうしなければならない」と思い込んでいることが多いけど、実際はそんなことほとんどないのかもしれないと思いました。
自分の心が思う方向に怯えながらも1歩ずつ踏み出していくことが結果として満足のいく人生になるのかなと。小さな決断ひとつずつは決断をするタイミングには正しいかどうかなんてわからなくて、何年何十年経ったあとに「あのときの決断がこう作用していたのか」なんて気づくのかもしれません。
だって人生はバタフライエフェクトなのですから。
さいごに
AさんBさんとは仕事を辞めてからもう一度お会いすることになりました!次はお二人のお住まいの地域で飲む予定です!
サラリーマンをしていてよかったのはお二人もそうですし、他にもよくしていただいた方が多くいらっしゃって、みなさん「みかんさん、仕事辞めたら飲みに行きましょうよ!もう取引先じゃないんで(笑)」なんて言ってくれることです。
会社を辞めた元部下たちとは友達になりましたが、取引先はどんな関係になるのか楽しみです!
無職になるということはいつでも暇なので誘われれば、いつでもどこへでも行けるのが最大の強みなのかもしれませんね(笑)
おしまい!