いつかの上司。今となっては立場が逆転。49歳の悲哀。

私はもうすぐ会社を辞めるので、会社でお世話になった人に挨拶まわりをしている。

先日挨拶をしたのは私が入社3年目の時に係長だったAさんと課長だったBさん。2人に辞める連絡を伝えると「飯でも行くか！」と焼肉ランチに連れって行ってもらうことに。

49歳の元上司たち

AさんとBさんは同期で現在49歳。Aさんは会社から評価されていないため現在は係長の役職がとられ部下もいない状態。Bさんは順調に出世されあと一歩で経営層という状態だ。

私は何年か前に係長になったので、気づけば当時役職が2つも上だったAさんより立場が上になってしまった。

Bさんは仕事で遅れてくることになったので先にAさんと話していた。

Aさんは役職のことを気にされて、おどけてこんなことを言ってきた。

Aさん「みかんさんとお呼びした方がよろしいですか？(笑)」

私「やめてくださいよー（笑）Aさんは永遠の上司です！」

Aさん「嬉しいこと言ってくれるな！で、何で会社辞めるんだ？」

私は簡単にこれまでの経緯を伝えた。ずっと投資をしてきてしばらく働く必要が無くなったこと。加えて妻の事業が軌道に乗り始めそれも決め手になったこと。少しサラリーマンに疲れたので休憩したくなったこと。一通り話すとAさんはこんなことを話してくれた。

Aさん「みかんと一緒に働いたのもう10年ぐらい前か。10年の間にこんなに変わってしまうんだな。俺なんか役職は取られて給料は下がるし、かといって転職する能力なんてないしさ。俺どこで人生間違えたんだろうな。」

Aさんはオラオラ系の人で年下に弱音を吐かない人なので、正直戸惑ったが当たり障りなく

「僕の人生の方がどうなるか不透明ですよ。リスクだらけです！（笑）」

なんて話した。

Aさんと話しているとBさんが登場した。立場上AさんはBさんの部下だ。Bさんは今の部門の課題やこれからの戦略のことなど楽しそうに話してくれた。

その横でAさんもニコニコしながら相槌を打っていた。

2人は同期で同じタイミングで入社した。20年以上経ち私の目の前には会社における勝者と敗者が並んでいた。

勝者のBさんは自信に満ち溢れていて未来のことをよく話す。敗者のAさんはどこか自信がなく視点が過去に向きがちだ。入社当時彼らに違いなんてほとんどなかったと思う。それが20年以上の時を経て大きく変わってしまった。

2人と楽しい時間を過ごしお礼を言って解散することになった。会社携帯をみるとメッセージが入っていた。

49歳の元取引先

元取引先のCさんからだ。

Cさん「みかんさん。近くまで出張できたので少し話せませんか？」

Cさんは勢いのある取引先で20年以上働いていた。あるとき社長と関係性が悪くなり退職することに。同業で転職をしたものの、その会社でもうまくいかず退職したと聞いていた。

Cさんも49歳。今日は49歳の人たちと縁がある。

Cさんと会ってみると最近転職した会社の話をしてくれた。Cさんは家庭の事情があり働ける地域に制限がある。そのため同業に転職することはできず、未経験の会社に採用された。

もともとCさんは最初の会社で年収1000万円以上もらっていたそうで、現在の会社の給料は当時から大きく下がるのだとか。

Cさん「2024年はとんでもない年でしたよ。こんなに人生が狂うと思っていなかったです。何もかもうまくいかずに鬱になりそうでしたよ」

私「でも今新しい職場が見つかってよかったじゃないですか。何年か経って2024年を振り返るといい意味で人生の転機になっているかもしれませんよ」

Cさん「確かにそうですね！前向きに考えてないとやっていられないですしね（笑）」

私「そういえば私年内で退職します！」

Cさん「えええええー！！また何でですか？」

私は投資をずっとやってきてしばらく働く必要が無くなったこと。今の会社はいい会社だが20年後はどうなっているか分からないこと。だとしたら上手くいっている今、次の一手を打ちたかったことなど話した。

Cさん「みかんさん、賢いですわ。僕なんてずっと最初の会社で働けると思っていて何も考えてなかったですもん。でも人生って本当に何があるか分からないんですよ。僕ももっと早く自分の人生に向き合えばよかったと今になって思います。」

現在苦労しているCさんの言葉にはどこか重みがあった。

またCさんは転職で年収が下がった分を副業で稼ぎたいとの事だったので、Cさんがやりたい副業に合う私の知り合いを一人紹介した。

49歳は15年後の私

今回登場したAさん、Bさん、Cさんはもしかしたら15年後の私なのかもしれない。

みんな人生をがんばって生きてきたのだと思う。でも人生はなかなか思うようにはいかない。ほんの少しの手違いで大きく変わることもあるし、毎日のほんの少しの積み重ねが時を経て大きな変化になることだってある。

15年後、50歳の私が今の私を見て「その調子！」と思ってくれるような今を積み重ねる必要があるのかもしれない。

おしまい！