見出し画像

喀痰吸引(10) 実施時の説明と同意


吸引は苦痛を伴うため、利用者自身の協力や信頼関係が重要であり、そのためにも吸引実施時に関する説明と同意、声かけなど利用者の同意を確認することが必要となる


説明項目


・なぜ吸引が必要なのかについて(どのような病状であるからなど)

・吸引の目的や方法について(どのように実施されるかなど)

・吸引によって予想される結果や危険性について

・吸引以外にも痰を取り除く方法が可能かどうか(その方法についてなど)

・吸引をしないことにより予想される結果について

これらを十分に説明した上で、利用者の同意を得なければならない

個々の利用者の年齢や理解力に合わせたわかりやすく丁寧な説明が求められる

場合によっては説明のみでは恐怖心が増してしまうリスクもあるため、例えば実際の吸引器具を見せるなどイメージしやすいようにするなどの工夫も必要である


説明と同意に加えて、吸引を実施する前にも利用者への声かけは毎回必要である

可能であれば

・呼吸が苦しいか

・どこにどれくらい痰がありそうか

・痰が絡む感じがあるか

など吸引の希望を確認する


利用者の希望が無かったり、意思の疎通が困難な場合でも、客観的にみて、痰の音がしたり、呼吸の仕方や顔色の変化がみられる場合、吸引の必要があると考えられる場合がある

このような時、利用者に吸引の必要性を説明し同意を行うことも場合によっては必要となってくる

「痰の音がゴロゴロしてきましたね?痰をチューブで吸い取りましょうか?よろしいですか?」や「痰を取る時間少しだけ苦しいかもしれませんが、痰が取れると少し呼吸が楽になりますので頑張ってください」などと行った声かけも行っていく


吸引後はまず、苦痛を伴う処置を受けたことに対する労いの言葉をかけたり、吸引の効果を伝える

「お疲れ様でした、痰のゴロゴロという音がなくなりましたね」や「呼吸は楽になりましたか?たくさん取れましたよ」などと声をかける

また

・痰が十分に取れたか

・痛いところはないか

・息は苦しくないか

なども確認する

吸引直後は不快に感じなくとも、時間の経過と共に変化する場合もあるため、吸引後はしばらき利用者の様子をみて、通常の呼吸状態や表情に戻ったかどうかも確認する

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?