救急蘇生の必要性
救急蘇生法の必要性
救急蘇生
病気や怪我により、突然の心停止、もしくはこれに近い状態になった時に胸骨圧迫や人工呼吸を行うことで急変した生命を守り救うための知識と手技を指す
・心肺停止では3分間放置されると死亡率が約50%になる
・呼吸停止では10分間放置されると死亡率が約50%になる
・心筋梗塞などにより突然心臓停止すると15秒以内に意識が消失し
3~4分以上そのままの状態が続くと脳の回復が困難になる
心臓が止まっている間に心肺蘇生によって心臓や脳に血液を送り続けることはAEDによる心拍再開の効果を高めるためや後遺症を残さないためにも必要
心肺蘇生法の手順
以前の心肺蘇生法の手順
①傷病者の周囲の安全確認と安全な場所への移動
②傷病者の状態と反応の確認
③気道の確保
④人工呼吸
⑤胸骨圧迫
⑥AEDがあれば除細動
「救急蘇生法の指針2010」によると
①近くの人に119番通報とAEDの手配を依頼する
②気道確保をせずに呼吸の確認(胸と腹部の動きの確認)
③普段通りの呼吸がなければ胸骨圧迫を30回行う
④胸骨圧迫が終わったら、気道確保と人工呼吸を二回(省略可能)行う(その後は、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回繰り返し行う)
またAEDが到着したらその時点からAEDを使用(一次救命措置)
「JRC蘇生ガイドライン2015オンライン版」によると
①反応と確認と救急通報
②呼吸の確認と心停止の判断
③胸骨圧迫
④胸骨圧迫と人工呼吸
⑤AED
⑥一次救命措置の継続
主な変更点として
・胸骨圧迫は5~6㎝の深さ
・胸骨圧迫の1分間のリズムは100~120回
・胸骨圧迫の中断を最低限に、呼吸の確認に迷ったらすぐに胸骨圧迫をする
応急手当
応急手当の目的は
・救命
応急手当の一番の目的であり、応急手当を行う際には、救命を目的とした急性措置が最優先
反応がない、呼吸が停止している、気道に異物が詰まっているなど生命に関わる症状を認めた場合に救命を目的とした応急手当が必要
・悪化防止
二番目の目的は怪我や病気を現状以上に悪化させないことで、この場合は傷病者の症状や訴えを十分に把握した上で必要な応急措置を行う
すぐに命に関わらないにしても怪我や病気(出血やショック、頭痛、胸痛、痙攣や骨折、熱傷など)
・苦痛の軽減
傷病者は心身ともにダメージを受けており、出来るだけ苦痛を与えない手当を心がけ、励ましの言葉を描けるようにする
必要性
救急車が要請を受けて現場に到着するまでは全国平均で6~7分
急変した人を救命し、社会復帰させるために必要となる一連の行為を「救命の連鎖」(チェーン・オブ・サバイバル」と呼ぶ
①予防
②早期認識と通報
③一次救命措置
④二次救命措置と心拍再開後の集中治療
これらが素早く繋がると救命効果が高まるとされている
特にバイスタンダー(救命現場に居合わせた人)は②と③の重要な役割を担う
自主救護の必要性
震災などの災害時で同時に多数の傷病者が発生した時は平時のような救急車は期待できないため自主救護に努めなければならない
応急手当用品の備えや近所との協力が得られやすいような環境づくりも大切