喀痰吸引実施手順(4) 気管カニューレ内部の吸引
吸引の実施
清潔
石鹸と流水で手を洗う
原則として滅菌された清潔な手袋を両手につける(または鑷子を持つ)
保管用の容器に入れてある吸引チューブを取り出し、連結管に接続して吸引器と連結する
(侵漬法の場合)吸引チューブの外側についてくる消毒液を洗浄綿などで拭く(連結部から先端まで全て拭く)
確認
吸引器の電源を入れて、原則滅菌精製剤の入った容器へ吸引チューブを入れ、吸引圧が事前に取り決められた設定になることを確認
吸引チューブの先端の水をよく切る
(人工呼吸器装着者の場合)
気管切開
(手袋の場合)利き手で吸引チューブを持ち、人工呼吸器の吸気を確認してから、利き手と反対側で接続を外す
(鑷子の場合)利き手と反対側の手に鑷子と吸引チューブを持ち、人工呼吸器の吸気を確認してから、利き手で接続を外す
外した後の回路は不潔にならないように保持する
挿入
吸引チューブの根元を完全には折らず、少し圧をかけた状態で、所定の位置(分泌物のあるところで気管カニューレ内部)まで静かに挿入する
吸引
吸引チューブを留めておくと、気管カニューレ内壁への吸い付きが起こる場合もあるため
(手袋の場合)吸引チューブを静かに回しながら
(鑷子の場合)一箇所に止まらないように気をつけて
分泌物を吸引する
抜去
吸引チューブを静かに抜く
(人工呼吸器の場合)
気管切開
呼吸器の接続を元に戻す
気管カニューレとの接続が不十分な場合、送気が十分にならないため注意が必要
回路を元に戻している時、吸引チューブを清潔に保持する
終了後の清潔
吸引チューブの外側を洗浄綿などで拭く、吸引チューブを拭く洗浄綿などは、必ず一回ごとに破棄する
洗浄水を吸引し、吸引チューブ内側の汚れを落とす
鑷子の場合は鑷子を所定の場所に戻す
吸引器の電源を切る
吸引チューブを連結管から外し、保管容器に吸引チューブを戻す、または単回使用の場合は原則として破棄する
手袋を外す
終了
吸引が終了したことを告げ、ねぎらいの言葉をかける
痰が取りきれたかどうかを確認する
利用者の希望の姿勢に整える
(人工呼吸器の場合)
人工呼吸器の作動状況を確認する(人工呼吸器回路の接続、固定位置、固定の強さ、皮膚の状態などを含む)
石鹸と流水で実施者の手を洗う、またはすり込み式のアルコール製剤による手指消毒を行う
次回使用物品の確認
水や足りない物品を補充する