介護福祉士国試対策:こころとからだのしくみ①
▼こんにちわ。今回は『こころとからだのしくみ』をとりあげます。この科目は、ざっくり申し上げて医学的知識です。前回までのような、制度的知識ほど苦しまれることはないと思います。この科目で確実に点を取りましょう❗❗
▼さて、『こころとからだのしくみ』の出題基準は下の表のとおりです。
▼やはり、この出題範囲の表も中身が多すぎて、なんらかの方法で単純化する必要がありそうです。そこで、以下の点に留意されると頭がスッキリして学習、暗記がはかどると考えます。
*『こころとからだのしくみ』では医学的知識のみ学習すべし。
*介護方法や心理学的な知識はほかの科目で学習すべし。
*病院や保健所、感染症などに関する法律や制度はこの科目で学習すべし。
▼では、『こころとからだのしくみ』で出題されそうな問題を整理してみます😊😊 例によって、問題の解答はわざと示していません。見ているだけでは身につかないからです。きびしいようですが、面倒くさくても、いちいち調べて理解、暗記するようにしましょう。
1.医学関係のデータをめぐる問題の出題パターン
(1)乳児死亡率に関する問題:
例)諸外国に比べ、乳児死亡率が高い。(医学一般3-53-2)
例)乳児死亡率は、生後1年末満の死亡の出生千対の率をいう。(医学一般14-57-5)
👉近年は、乳児死亡率の問題は出題されていません。
(2)三大死因の定義と内容を問う問題:
例)脳血管疾患は日本の三大死因の一つである。(医学一般23-59-1)
例)現在、死因の第一位は、悪性新生物である。(医学一般16-57-A)
例)心筋梗塞はわが国では死亡原因の1位を占める。(医学一般14-64-5)
👉三大死因は、いつ出題されてもおかしくありません。
(3)自殺者数・自殺死亡率に関する問題:
例)自殺による死亡者数は、年間10万人を超えている。(形態別介護技術21-101-1)
例)自殺者の90%はうつ病に罹患している。(精神保健23-69-4)
例)女性の自殺死亡率は男性よりも高い。(形態別介護技術21-101-5)
例)最近では、自殺者に占める高齢者の比率は低い。(精神保健13-64-D)
👉最近のデータを必ず調べておきましょう。
(4)がんによる死亡に関する問題:
例)わが国におけるがんの部位別にみた死亡者数は、男女とも胃がんが最も多い。(社会の理解29-5-4)
例)男性のがんによる死亡率の第1位は、肺がんである。(医学一般15-66-5)
例)子宮がんは、女性のがんによる死因の第一位である。(医学一般16-60-2)
👉最近のデータを必ず調べておきましょう。
(5)疾病患者の増減を問う問題:
例)近年、肺がんが著しく増加している。(医学一般3-53-3)
例)胃がんの罹患率は、昭和50年代に比べて低下した。(医学一般15-66-1)
例)大腸がんは、食生活の変化とともに増加傾向にある。(医学一般19-65-C)
例)わが国では前立腺がんが増加している。(医学一般17-62-C)
例)わが国では近年、脳血管障害の患者は減少している。(医学一般14-66-1)
例)老年期の変形性膝関節症は女性が男性よりも罹患率が高い。(発達と老化の理解35-37-2)
👉主要な疾病については、増えているか減っているかをチェックしておきましょう(患者数まで覚える必要はないでしょう)。
(6)健康や疾病予防に関する問題:
例)20歳以上の男性で、メタボリックシンドロームが強く疑われる者の割合は20%を超えている。(医学一般20-58-C)
例)日本における平均寿命と健康寿命の差は、男性が約5年、女性が約8年である。(社会の理解29-5-3)
例)健康寿命は、平均寿命よりも長い。(発達と老化の理解34-71-1)
👉「健康寿命」とは何かを調べておきましょう。
2.身体の構造と機能をめぐる問題の出題パターン
(1)体液に関する問題:
例)人体は、その約60%が体液(水分)である。(医学一般6-54-1)
👉最近は出題されていません。
(2)血液の成分と機能を問う問題:
例)血液中で酸素を運搬する成分として、正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ24-99)
1 血しょう
2 血小板
3 赤血球
4 白血球
5 リンパ球
例)骨髄は、造血器官としての役割を果たす。(医学一般12-58-5)
例)白血球は、血液の凝固に欠かせない。(医学一般7-58-3)
例)リンパ球は、白血球の一種である。(医学一般12-53-3)
例)血小板は、酸素を運搬する。(医学一般7再-55-2)
👉最近は出題されていません。
(3)血圧に関する問題:
例)最低血圧とは、心臓が収縮したときの血圧である。(医学一般18-65-A)
例)過剰摂取により血圧を上昇させるものとして正しいものを1つ選びなさい。(医学一般23-58)
1 カルシウム
2 鉄
3 ナトリウム
4 カリウム
5 マグネシウム
(4)心臓の構造と機能を問う問題:
例)左心房と左心室の間に僧帽弁がある。(医学一般17-57-D)
例)冠状動脈は心臓に栄養を供給している。(医学一般18-58-D)
(5)血液循環の構造を問う問題:
例)左心室から出た血液は大静脈へ流れる。(こころとからだのしくみ30-99-3)
例)肺動脈には静脈血が流れている。(こころとからだのしくみ30-99-4)
例)動脈血が流れている部位として、正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ25-100)
1 右心室
2 右心房
3 三尖弁
4 肺動脈
5 左心房
👉血液循環の問題は頻出です。体循環と肺循環に分けて学習、暗記するとよいでしょう。
(6)呼吸器の構造と機能を問う問題:
例)換気とは、体外から二酸化炭素を取り込み、体外に酸素を排出する働きをいう。(医療的ケア34-111-1)
例)成人の呼吸数は1分間に40回である。(医療的ケア35-60-4)
例)気管は左右に分岐して気管支になるが、右の気管支の方が太い。(医学一般13-53-2)
例)右肺は3葉、左肺は2葉からなる。(医学一般12-57-4)
👉頻出です。
(7)脳の構造と機能を問う問題:
例)脳の中で記憶をつかさどる部位として、正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ29-97)
1 延髄
2 海馬
3 視床
4 松果体
5 小脳
例)皮膚の痛みの感覚を受け取る大脳の機能局在の部位として、正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ32-98)
1 頭頂葉
2 前頭葉
3 側頭葉
4 後頭葉
5 大脳辺縁系
例)体温調節中枢は視床下部にある。(こころとからだのしくみ33-98-4)
例)大脳の後頭葉にある機能局在として,適切なものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ35-20)
1 視覚野
2 聴覚野
3 運動野
4 体性感覚野
5 感覚性言語野(ウェルニッケ野)
(8)自律神経系の機能を問う問題:
例)交感神経は、皮膚の末梢血管を収縮させる。(医学一般12-58-4)
例)副交感神経の作用について、正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ29-98)
1 気道の弛緩
2 血糖値の上昇
3 消化の促進
4 心拍数の増加
5 瞳孔の散大
例)副交感神経は唾液分泌を抑制する。(こころとからだのしくみ31-99-1)
例)次のうち,交感神経の作用として,正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ36-20)
1 血管収縮
2 心拍数減少
3 気道収縮
4 消化促進
5 瞳孔収縮
👉自律神経系は頻出です。交感神経と副交感神経の機能をそれぞれ調べておきましょう。
(9)筋肉の構造と機能を問う問題:
例)立位姿勢を維持するための筋肉(抗重力筋)として、正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ29-100)
1 大腿四頭筋
2 胸鎖乳突筋
3 僧帽筋
4 三角筋
5 大胸筋
例)1週間の安静臥床で筋力は何%程度低下するか,次のうちから最も適切なものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ33-100)
1 1%
2 5%
3 15%
4 30%
5 50%
(10)骨・関節の構造と機能を問う問題:
例)次のうち、下肢の骨として正しいものを1つ選びなさい。(医学一般18-57)
1 鎖骨
2 尺骨
3 腓骨
4 橈骨
5 仙骨
例)女性では、一般に、閉経後に骨量の減少が起こりやすい。(リハビリテーション論16-24-D)
例)骨にはたんぱく質が含まれている。(こころとからだのしくみ34-101-1)
例)股関節と膝関節の間を下腿という。(医学一般15-58-B)
(11)感覚器の構造と機能を問う問題:
例)鼻腔は,上葉・中葉・下葉に分かれている。(医療的ケア36-60-1)
例)耳は聴覚と平衡覚の両方の役割を持つ。(医学一般13-53-5)
(12)皮膚・爪の構造と機能を問う問題:
例)皮膚の表面は弱アルカリ性に保たれている。(こころとからだのしくみ29-104-1)
例)皮膚から1日に約500~600mℓの不感蒸泄がある。(こころとからだのしくみ29-104-2)
例)汗腺の一つに、アポクリン腺がある。(医学一般7再-55-4)
例)爪の主成分はタンパク質である。(こころとからだのしくみ36-23-1)
👉「不感蒸泄」という用語を調べておきましょう。
(13)唾液の成分や機能を問う問題:
例)唾液は1日に3ℓほど分泌される。(こころとからだのしくみ26-100-1)
例)唾液には消化酵素が含まれる。(こころとからだのしくみ26-100-4)
例)唾液には抗菌作用がある。(こころとからだのしくみ31-99-4)
例)唾液分泌中枢は小脳にある。(こころとからだのしくみ26-100-5)
(14)摂食・嚥下の機能を問う問題:
例)摂食・嚥下に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ24-105)
1 先行期は認知機能の影響を受ける
2 準備期では食塊を咽頭に送り込む
3 口腔期の食塊の移送は口唇で行う
4 咽頭期は鼻腔が開放して始まる
5 食道期は随意的な運動で行われる
例)誤嚥を防止している部位として、正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ27-101)
1 甲状軟骨
2 口蓋垂
3 喉頭蓋
4 口蓋扁桃
5 食道
例)摂食・嚥下のプロセスで、軟口蓋が拳上して鼻腔と咽頭部が閉じ、次に喉頭が拳上して喉頭蓋が閉じ、食塊が食道に運ばれる時期として、正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ29-103)
1 先行期
2 準備期
3 口腔期
4 咽頭期
5 食道期
👉嚥下プロセスの問題は、ほかの科目でも出題されることがあります。
(15)食道・胃の構造を問う問題:
例)食道は、気管の前方にある。(医学一般15-57-D)
例)胃の入り口を噴門という。(医学一般18-59-A)
(16)小腸・大腸・直腸の構造と機能を問う問題:
例)小腸は十二指腸、回腸、空腸の順に構成されている。(医学一般18-59-B)
例)大腸では、主に栄養分の吸収が行われる。(医学一般18-59-C)
例)S状結腸に続いて直腸がある。(医学一般18-59-D)
例)便意は直腸にたまった便が直腸壁を刺激し、その刺激が脊髄を経て大脳に伝わることで起こる。(介護技術14-87-B)
(17)肝臓・胆のう・膵臓の構造と機能を問う問題:
例)胆汁は、主として肝臓でつくられる。(医学一般6-56-D)
例)胆汁は、脂肪の消化を助ける。(医学一般6-54-4)
例)膵臓から分泌されるインシュリンは、血糖値を低下させる。(医学一般5-54-5)
例)ランゲルハンス島を有する臓器として、正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ26-98)
1 心臓
2 肝臓
3 腎臓
4 脾臓
5 膵臓
(18)尿排出の機能を問う問題:
例)血液中の老廃物は、主として腎臓を介して体外に排泄される。(医学一般4-54-4)
例)通常、成人では膀胱内に約150mℓ~200mℓの尿がたまると尿意を感じる。(介護技術14-87-D)
例)正常な尿は、排尿直後は淡黄色で透明である。(こころとからだのしくみ32-104-5)
(19)各種ホルモンの機能を問う問題:
例)副腎皮質ホルモンは、ストレスに対して抵抗する働きがある。(医学一般7再-55-5)
例)下垂体から成長ホルモンが分泌される。(医学一般7-56-2)
(20)睡眠の機能を問う問題:
例)下垂体には体内時計がある。(こころとからだのしくみ27-106-1)
例)睡眠を促進するホルモンとして、正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ28-107)
1 バソプレッシン
2 エストロゲン
3 メラトニン
4 インスリン
5 コルチゾール
例)レム睡眠は30分ごとに繰り返し出現する。(こころとからだのしくみ24-107-2)
例)最も深い眠りの段階はノンレム睡眠である。(こころとからだのしくみ27-106-5)
例)レム睡眠のときに夢を見る。(こころとからだのしくみ33-107-1)
👉レム睡眠とノンレム睡眠の区別に注意しましょう。
3.生活習慣病をめぐる問題の出題パターン
(1)生活習慣病に含まれる/含まれない疾病を問う問題:
例)次の疾病のうち、生活習慣病に含まれないものを1つ選びなさい。(医学一般10-56)
1 心筋梗塞
2 高血圧
3 子宮筋腫
4 肺がん
5 糖尿病
例)次の疾患のうち、生活習慣病に該当しないものを1つ選びなさい。(医学一般21-62)
1 歯周病
2 高尿酸血症
3 慢性気管支炎
4 関節リウマチ
5 アルコール性肝疾患
(2)動脈硬化症・高血圧症の内容を問う問題:
例)次のうち、冠動脈硬化の四大危険因子として誤っているものを1つ選びなさい。(医学一般22-58)
1 高血圧
2 喫煙
3 飲酒
4 糖尿病
5 脂質異常症(高脂血症)
例)高齢者では収縮期高血圧が多い。(医学一般18-65-C)
例)日本高血圧学会のガイドラインで、それ以上が高血圧(Ⅰ度)とされる収縮期血圧値(mmHg)として、正しいものを1つ選びなさい。(発達と老化の理解25-76)
1 120/70
2 130/80
3 140/90
4 150/100
5 160/110
4.脳血管疾患をめぐる問題の出題パターン
⚠️脳血管疾患の後遺症については『障害の理解』でとりあげます。
(1)脳梗塞の危険因子を問う問題:
例)脳梗塞は、加齢により発症が増加する。(医学一般17-63-B)
例)脳梗塞は、心房細動が原因の一つとなる。(医学一般19-64-D)
(2)脳出血の症状と危険因子を問う問題:
例)脳出血の最も重要な危険因子は、高血圧である。(医学一般14-66-3)
例)くも膜下出血は、突然の激烈な頭痛で発症することが多い。(医学一般14-66-5)
5.心疾患をめぐる問題の出題パターン
(1)心房細動の症状と危険因子を問う問題:
例)心房細動では頻脈になることが多い。(発達と老化の理解26-75-3)
例)心房細動は高血圧とは関連がない。(発達と老化の理解26-75-5)
(2)心筋梗塞の症状と危険因子を問う問題:
例)心筋梗塞では、心臓の筋肉の一部が壊死する。(医学一般19-67-B)
例)心筋梗塞では、胸痛、顔面蒼白、冷や汗・脂汗などの症状がみられる。(医学一般14-64-3)
例)急性心筋梗塞は、数分以内に消失する。(発達と老化の理解24-75-5)
例)心筋梗塞は、冠動脈内に生じた血栓が主要因である。(医学一般19-67-A)
例)糖尿病は心筋梗塞の危険因子の一つである。(医学一般15-64-A)
例)急性心筋梗塞には、ニトログリセリンがよく効く。(発達と老化の理解24-75-1)
👉心筋梗塞は比較的よく出題されます。
6.悪性新生物(がん)をめぐる問題の出題パターン
(1)さまざまながんに関する問題:
例)C型肝炎は、進行すると肝硬変、肝がんへと病態が変化することが多い。(発達と老化の理解26-73-3)
例)膵臓がんは、予後が不良であることが多い。(医学一般19-65-A)
例)乳がんは、乳房の外側上部に最も多く発生する。(医学一般16-60-3)
例)前立腺がんは、排尿障害を起こしやすい。(医学一般12-55-5)
例)肺がんは女性に多い。(医学一般13-59-A)
例)大腸がんは、肝転移しやすい。(医学一般16-60-1)
7.消化器疾患をめぐる問題の出題パターン
(1)胃・十二指腸潰瘍の症状と危険因子を問う問題:
例)胃潰瘍に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(医学一般22-59)
1 痛みは空腹時に多い
2 便に鮮血が混じる
3 カンピロバクターが一因である
4 腹痛は心窩部に多い
5 手術療法が優先される
例)胃・十二指腸潰瘍の発症に関連が深い病原体として、正しいものを1つ選びなさい。(医学一般23-60)
1 ヘリコバクター・ピロリ
2 カンピロバクター・ジェジュニ
3 腸炎ビブリオ
4 ノロウイルス
5 A型肝炎ウイルス
(2)腸閉塞の症状を問う問題:
例)腸閉塞では、腹痛、嘔吐がみられる。(医学一般3-56-1)
例)腸閉塞では下痢になりやすい。(こころとからだのしくみ30-103-5)
(3)便秘の原因を問う問題:
例)便秘の原因として、正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ25-106)
1 スポーツドリンク
2 経管栄養剤
3 レモンジュース
4 麻薬性鎮痛剤
5 インスリン製剤
例)弛緩性便秘の原因として、正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ27-104)
1 大腸の蠕動運動の低下
2 過敏性腸症候群
3 自律神経の失調
4 排便反射の低下
5 大腸がん
例)便秘の原因として,最も適切なものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ33-105)
1 炎症性腸疾患
2 経管栄養
3 消化管切除
4 感染性腸炎
5 長期臥床
👉便秘に関する問題は頻出です。
8.呼吸器疾患をめぐる問題の出題パターン
(1)肺炎の症状を問う問題:
例)高齢者は肺炎を起こしていても、発熱しないことがある。(形態別介護技術13-100-A)
例)高齢者の肺炎は、インフルエンザに合併することはまれである。(発達と老化の理解27-75-2)
例)高齢者の肺炎では、咳・痰などを伴うことはまれである。(発達と老化の理解34-76-5)
👉その他の呼吸器疾患は、第16回に慢性肺気腫が出題されて以降は出題されていません。
9.感染症をめぐる問題の出題パターン
(1)後天性免疫不全症候群の感染経路を問う問題:
例)後天性免疫不全症候群の感染経路は、性行為、輸血などである。(医学一般8-58-2)
👉これ以降出題されていません。
(2)麻疹・風疹の感染経路と後遺障害を問う問題:
例)母親が妊娠初期に風疹にかかると、生まれてくる子どもに、先天性風疹症候群をきたすおそれがある。(医学一般16-26-C)
例)麻疹は、飛沫感染によって生じる。(医学一般20-62-1)
(3)MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に関する問題:
例)MRSAは、院内感染の一つとして重要視されている。(医学一般6-53-4)
例)MRSAは、健康な若年者にも感染する。(医学一般20-62-5)
(4)肝炎の症状と感染経路を問う問題:
例)A型肝炎は、輸血後に発症することが多い。(発達と老化の理解26-73-1)
例)B型肝炎は、慢性肝炎になることはない。(発達と老化の理解26-73-2)
👉肝炎の種類をチェックしておきましょう。また、感染症としての肝炎とそうでない肝炎の違いも調べておきましょう。
(5)疥癬に関する問題:
例)疥癬はマダニが皮膚に寄生することで発生する。(介護の基本27-31-1)
(6)インフルエンザに関する問題:
例)インフルエンザに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。(医学一般21-66)
1 潜伏期間は2~3週間である
2 感染性は強くない
3 発熱は軽度である
4 全身倦怠感が強い
5 細菌感染である
(7)ノロウイルス感染症に関する問題:
例)ノロウイルスは、感染性胃腸炎を起こす。(介護の基本25-32-5)
例)ノロウイルスの感染経路は、主に接触感染である。(介護の基本26-31-3)
👉ノロウイルスは、『介護の基本』や『生活支援技術』で感染症対策の問題として出題される可能性があります。
10.糖尿病をめぐる問題の出題パターン
(1)糖尿病の定義と種類を問う問題:
例)糖尿病は、インスリンの作用過剰に基づく代謝異常である。(医学一般19-68-A)
例)生活習慣病とされるのはⅠ型糖尿病である。(医学一般17-64-C)
例)Ⅰ型糖尿病は高齢者に多い。(医学一般19-68-C)
(2)糖尿病の症状を問う問題:
例)成人型糖尿病の症状として、口渇、多飲、多尿、倦怠感などがあげられる。(医学一般14-63-B)
例)高齢者の糖尿病は、若年者に比べて高血糖の持続による口渇感が強い。(発達と老化の理解33-76-3)
例)コントロール不良の糖尿病で高血糖時にみられる症状として、適切なものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ34-104)
1 振戦
2 発汗
3 口渇
4 乏尿
5 動悸
👉口渇の有無を問う問題が多いです。
(3)糖尿病の検査・診断で用いられる指標を問う問題:
例)約1か月間の血糖のコントロール状態を示す指標として、正しいものを一つ選びなさい。(医学一般23-64)
1 空腹時血糖値
2 血中インスリン値
3 血中コレステロール値
4 血中ヘモグロビンA1c値
5 食後2時間血糖値
例)高齢者の糖尿病では、ヘモグロビンA1c(HbA1c)の目標値は若年者に比べて低めが推奨される。(発達と老化の理解33-76-2)
(4)三大合併症の内容を問う問題:
例)糖尿病の三大合併症は、腎症、網膜症、末梢神経障害である。(医学一般17-64-A)
例)糖尿病の合併症の一つに糖尿病性網膜症があり、失明することがある。(医学一般19-68-B)
(5)糖尿病の危険因子を問う問題:
例)成人型糖尿病は生活習慣病の一つで、肥満や運動不足などが発病の誘因となる。(医学一般14-63-A)
(6)糖尿病の治療内容を問う問題:
例)糖尿病の治療法には、食事療法、運動療法、薬物療法がある。(医学一般19-68-D)
例)高齢者の糖尿病では、運動療法は避けたほうがよい。(発達と老化の理解33-76-4)
👉糖尿病は頻出です。しっかり学習しておきましょう。
11.泌尿器疾患をめぐる問題の出題パターン
(1)膀胱炎の症状を問う問題:
例)高齢期の膀胱炎では、悪寒戦慄を伴う。(医学一般22-61-4)
例)急性膀胱炎の症状として、通常見られないものを1つ選びなさい。(医学一般23-62)
1 頻尿
2 発熱
3 尿混濁
4 排尿痛
5 細菌尿
例)膀胱炎で最も起こりやすいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ30-104)
1 発熱
2 乏尿
3 残尿
4 腰痛
5 排尿時痛
(2)尿路感染症に関する問題:
例)高齢者は尿路感染症を起こすことは非常に少ない。(発達と老化の理解35-36-1)
例)高齢者によくみられる尿路感染症の誘因に関する次の記述のうち、適切でないものを1つ選びなさい。(医学一般9-56)
1 糖尿病
2 膀胱留置カテーテルの使用
3 骨粗鬆症による腰椎椎体の変形
4 前立腺肥大症などによる尿路の通過障害
5 女性ホルモン機能低下による尿道粘膜萎縮
例)脱水により起こりやすい疾患として、適切なものを1つ選びなさい。(形態別介護技術22-101)
1 慢性肝炎
2 尿路感染症
3 逆流性食道炎
4 前立腺肥大症
5 脳出血
例)男性よりも女性に尿路感染症が起こりやすい要因として,最も適切なものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ36-27)
1 子宮の圧迫がある。
2 尿道が短く直線的である。
3 腹部の筋力が弱い。
4 女性ホルモンの作用がある。
5 尿道括約筋が弛緩している。
👉尿路感染症の問題は頻出です。
(3)前立腺肥大症の症状を問う問題:
例)前立腺肥大症は、排尿障害を来しやすい。(医学一般11-60-C)
例)前立腺肥大症は、症状が進むと無尿になる。(発達と老化の理解36-37-2)
例)前立腺肥大症の初期には頻尿が出現する。(発達と老化の理解36-37-3)
(4)さまざまな尿失禁に関する問題:
例)高齢の女性では腹圧性尿失禁が多い。(発達と老化の理解25-74-2)
例)機能性尿失禁では強い尿意があり我慢できず漏れる。(介護技術21-91-1)
例)いろいろな原因が重なって尿を漏らすことを溢流性尿失禁という。(発達と老化の理解31-72-4)
例)尿意を感じて我慢できずに失禁してしまう排尿障害として、正しいものを1つ選びなさい。(こころとからだのしくみ28-106)
1 切迫性尿失禁
2 腹圧性尿失禁
3 溢流性尿失禁
4 反射性尿失禁
5 完全尿失禁
👉基礎的な内容が出題されます。尿失禁の種類をチェックしておきましょう。
(5)その他の排尿障害に関する問題:
例)高齢の男性では尿路の通過障害が少ない。(発達と老化の理解25-74-1)
例)膀胱内に尿はたまるが、排尿ができない状態を尿閉という。(医学一般11-60-A)
例)膀胱に尿がたまっているのに、ほとんど排尿できない状態を乏尿という。(医学一般10-57-A)
・・・今週はここまでにしましょう。
⭐⭐⭐『こころとからだのしくみ』②につづく。よい週末を⭐⭐⭐